津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

有吉家文書解説‐「年中行事抜粋」(三十八)御裏召出之式

2021-09-09 09:50:12 | 先祖附

    〇御裏召出之式


一、被召出御用人より詰間又ハ口之間ニて申達有之候得者御請申上候前御礼申上として中柱御間江罷出候ニハ不及候事
  召し出され御用人より詰間又は口の間にて申し達し有れば、御請け申上る前に御礼申上げとして中柱御間へ罷り出ることには及ばない事
一、御裏御門通り御次口より上御用人間江罷通り候尤御次口ニハ罷出候段家来より答サセ候事
     但御模様ニ應し候ハ供帰為致候儀茂有之候事
  御裏御門を通り御次口より上り、御用人間へ罷り通ること、尤御次口には罷り出でたること家来より答させる事
     但御模様に應し  候ハ供帰為致候儀茂有之候事
一、於御用人間西側ニ座着刀ハ後ニ置候茶煙草盆等御次小姓より出し諸事右之役より取計候事
  御用人間に於いて西側に座着し刀は後に置くこと、茶・煙草盆等は御次小姓より出し、諸事右の役より取計いの事
一、罷出候段ハ御用人より御取次を呼申達被召出候節ハ御取次より御用人江申達シ御用人より致案内候直ニ御印口御奥江
  罷通候事
     但毎々八畳敷ヘハ御取次已下致坐着居候間会釈いたし罷通候奥より引取候節も右同断之事
  罷り出たれば御用人より御取次を呼び申し達し、召し出されたる節は御取次より御用人へ申し達し、御用人より案内いたすこと、直に御印口御奥
  へ
罷り通る事
     但毎々八畳敷へは御取次以下坐着いたし居れば会釈いたし罷り通ること、奥より引取る節も右同断の事
一、罷通候間江者御老女等出迎居此御間之御襖を後ニ〆左頭ニ座着致し候事
     但茶たはこ等出候事
  罷り通れば御老女等出迎え居り、此御間の御襖を後に閉め左頭に座着致す事
     但、茶・たはこ等出される事
一、夫より御老女申上致案内候ヘハ脱剣 控居候御間也罷通通り 懸女中ヘハ致会釈候 御居間之御次之間ニ而御辞儀申上御
       意被為在御向通りを敬し御障子際ニ罷出御座之間御敷居越ニ座着之事
     但御模様次第ニハ御敷居内ニ入候事
  夫より御老女申上げ案内いたせば脱剣し 控居ること、御間也罷り通り 係りの女中ヘは会釈いたすこと、御居間の御次の間にて御辞儀申し上げ
    御
意ありなされば御向通りを敬し御障子際に罷り出、御座の間御敷居越に座着の事
     但御模様次第にては御敷居内に入る事
一、御吸物御夜食等頂戴物有之候得者足付御膳 ヒクキ足有也ニ て被下候得共御器ハ下ニ卸候事
     但御茶者出候得共御煙草盆者出不申之候
  御吸物・御夜食等頂戴物が有れば、足付御膳 (低い足がある)にて下されるので御器は下に下す事
     但御茶は出るが、御煙草盆は出申さず候
一、御盃被下候ヘハ御向通御際越ニ罷出内ニ入頂戴之仕御盃を下タニ置候ヘハ御肴被下候是ハ御側より御紙ニ御肴を戴差
  上候を御手自頂戴被仰付夫より御老女ニ向御返盃ハ御断申上候併強而差上候様被仰付候得ハ御盃を御次之間まて持下
  候此内御次間御目通控居左候ヘハ御女中受取清メ御臺ニ載差出候を受取御同間へ入御老女江御台なから分差出候若又
  猶御酒頂戴差上候様被仰付候ヘハ其通仕其節ハ清メル紙を御老女ニ相願候上御老女より相渡候間内外清メ能改候上御
  老女まて手自差出候併多くハ御直ニ被遊御取揚候其時御辞儀仕御肴ハ不差上候其儘御老女江御礼申上元之座ニ帰候事
  御盃下されれば御向通り御際越に罷り出、内に入り頂戴し御盃を下に置けば、御肴下される、是は御側より御紙に御肴を戴せ差上られるを、御
   手自から頂戴仰付られ、夫より御老女に向い御返盃は御断申上げ、併て強いて差上げられるよう仰付られれば、御盃を御次の間まて持下ること

   此内御次間御目通り控え居り、そうすれば御女中受取り清め御臺に載せ差出さるを受取り、御同間へ入り御老女へ御台なから分け差出すこと
  若又
猶御酒頂戴差上げらる様被仰付られれば、其通りに仕、其節は清める紙を御老女に相願う上、御老女より渡されるので内外を清め能く改めて
  御
老女まて手自から差出すこと、併て多くは御直に御取あそばされ揚る、其時御辞儀を仕、御肴は差上らぬこと、其儘御老女へ御礼申上げ元の座に
  帰る事

一、御前より下候節大勢之時ハ末座より下り最前之御間ニて帯剣候尤茶煙草出候事
     但此時御用人も右之御間江参居候事
  御前より下る節大勢の時は末座より下り、最前の御間にて帯剣する、尤茶・煙草出る事
     但此時御用人も右の御間へ参り居る事
一、夫より御老女江御礼申上一ト通致会釈御用人間江下り候事
     但御裏ニてハ御老女之外ハ咄等致候ニ不及候尤臨時見計も可有之之事
  夫より御老女へ御礼申上げ一ト通り会釈いたし御用人間へ下る事
     但御裏にてハ御老女の外は、咄等致すに及ばぬこと、尤臨時見計らいも有るべき事
一、右之通ニは候得共拝見物拝領物等其外臨時之儀は豫難記候事
     但御服拝領之節ハ御廣蓋ニ載御取次より持出御品物次第ニハ御用人又ハ御老女なと取計之事も有之御意之上御
     廣蓋なから載持出候人江頼候ヘハ御次江廻御次小姓より挟箱ニ入候事
  右の通ではあるが、拝見物・拝領物等其外臨時のことはあらかじめ記しがたき事
     但御服拝領の節は、御廣蓋に載せ御取次より持出し、御品物次第には御用人又は御老女なと取計いの事も有り、御意の上御廣蓋なから載せ
     持出す人へ頼めば、御次へ廻し御次小姓より挟箱に入れる事

一、御用人ニ而猶御禮申上供廻御次小姓江申聞引取候其節御次小姓ハ箱段上迄送り候御用人ハ送等無之候
     但以前ハ翌日奉伺御機嫌候節茂猶御礼申上候得共寛政之頃より其儀者相止候当時ハ翌日之手数無之候事
  御用人にて猶御禮申上げ供廻り御次小姓へ申聞せ引取ること、其節御次小姓は箱段上迄送ること、御用人は送ること等はないこと
     但以前は翌日御機嫌うかがいの節も、猶御礼申上たけれど、寛政の頃よりそのことは相止み当時は翌日の手数はない事
一、御裏御玄関より致出入候儀ハ無之夫故御裏附江出会先ハ無之候事
  御裏御玄関より出入りいたすことは無く、夫れ故御裏附へ出会うことは先ずは無い事

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■重陽の節句

2021-09-09 07:18:34 | 徒然

 今日は九重なりで「重陽の節句」である。「菊の節句」ともいわれるが、菊の花が咲いているところはあまり見受けられない。
昨日は奥方が友人の所に所用で出かけ、お土産に栗が入ったおこわを頂戴してきた。
分けて食べるには少々少ない量だったが、奥方はすでにご馳走になってきたらしい。そしてこれは「重陽の節句」のものであったようだ。
奇数は「陽気」の数だとされる。それが重なっているのだから、これは縁起の良い話だ。
しかし今日ではもう知らない人さえいる。

そして暦的に言うと数日前は「白露」だった。「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」からきているが、TVなどでは阿蘇の山のススキが露打っているところを紹介していた。
きのうはそんな季節を知らせるように、「かんたん(邯鄲)」らしき虫ががベランダの網戸にしがみついていた。
デジカメで証拠写真をとろうとフラッシュのセッティングなどしているうちに、行方知れずになってしまった。(残念)

まだまだ暑いが、我慢もあとわずかというところか。我慢できぬのがコロナだが、こればかりは何ともならぬ。

 

 

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