津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■有吉家文書解説「年中行事抜粋」(44)於御城御武器見分之心得

2021-09-18 16:14:29 | 有吉家文書

   〇於御城御武器見分之心得

一御武器夏秋ニ懸取出しニ相成出揃之上御城内方御奉行より見分之儀相伺候間為見分一人罷出候事
 御武器は夏秋に懸けて取出しにあいなり、揃の上御城内方御奉行より見分のこと伺い候間、見分のため一人(家老)罷出る事
一出仕往来之内罷出候間刻限者其時々之模様ニ随ひ前々日又ハ前日御奉行江申達候事
    但御奉行ハ毎出方有之御目附ハ為知不申候得ハ出方無之候事
 出仕往来の内罷り出れば、刻限は其時々の模様に随ひ前々日、又ハ前日御奉行へ申達しの事
    但御奉行ハ毎出方有之御目附ハ為知不申候得ハ出方無之候事
一御奉行者政府江出席ニ相成候付御殿出仕より致見分被候節ハ政府江人を遣知らせ候尤政府出席之節ハ不及其儀候事
    但御奉行ハ先ニ参出迎居候儀も有之一同ニ罷出候儀も有之候事
 御奉行は政府(奉行所)へ出席になるに付、御殿(花畑邸)出仕より見分いたされる節は政府へ人を遣し知らせる、尤政府出席の節は其には及ばな
 い事

    但御奉行は先に参り出迎え居ることもも有り、一同に罷出ることも有る事
一御城内ハ例之通家来一人先ニ立頬当御門より入御役人口より上り候此口者御数奇屋御門内坂上廣キ耕作御門之手前右ニ
 有之口也

 御城内は例の通家来一人先に立ち、頬当御門より入り御役人口より上ること、此口は御数奇屋御門内坂上の廣い耕作御門の手前右に有る口也
一御役人口江者御天守支配頭同道御目附等出迎居候事
    但坊主も先ニ参居候事
 御役人口へは御天守支配頭を同道、御目附等出迎え居る事
    但坊主も先に参り居る事
一夫より直ニ御天守方支配頭案内左手之箱段を上り御家老間と申所ニ通り候此御間ハ屏風を立刀懸出居候事
 夫より直に御天守方支配頭の案内で、左手の箱段を上り御家老間と申所に通る、此御間は屏風を立て、刀懸けが出居る事
一右之御間江致着座候ヘハ御天守方支配頭同所御目附罷出候間一ト通り致会尺茶煙草ハ坊主より出候事
 右の御間へ着座いたせば御天守方支配頭・同所御目附が罷り出るので、一ト通り会釈いたし、茶・煙草は坊主より出す事
一夫より直ニ御天守支配頭一人案内有之御奉行も一所ニ致見分候残之御天守方支配頭以下下役等迄跡ニ付参候事
 夫より直に御天守支配頭一人の案内が有り、御奉行も一所に見分いたす、残の御天守方支配頭以下下役等迄跡に付参る事
一御道具ハ左右前後御間々江有之候間任案内致見分候事
 御道具は左右前後御間々へ有るので、案内に任せ見分いたす事
一小御天守下御具足之間御床ニハ 三齋様御作縫延之御具足并関原御召之御鞍鐙 霊雲院様御召式正之御道具有之候
 此所ニてハ御辞儀仕候上拝見仕候其外御代々様御具足御間内一円幾側茂飾付相成候一々御詞儀仕候儀も難成御道具之間
 タタ通り拝見仕候事

 小御天守下御具足の間御床には 三齋様御作縫延の御具足并に関原(戦いにて)御召の御鞍・鐙 霊雲院様(綱利公)御召の式正の御道具が有る事
 此所では御辞儀を仕て拝見仕する、其外御代々様御具足御間内一円幾側も飾り付け成り、一々御詞仕ることも候成りがたく、御道具の間はただ通り
 拝見仕る事

一夫より一階々々御道具致見分続小御天守江上り候得者 頼有公之御鎧日月之御旗等有之此御間ハ脱劒ニ而拝見候事
    但大小御天守御上段之御入側帯劒御間内ハ脱持居罷通候事
 夫より一階々々御道具見分いたし、続小御天守へ上れば 頼有公の御鎧・日月の御旗等有り、此の御間では脱劒にて拝見する事
    但大小御天守御上段の御入側は帯劒、御間内は脱持居って罷り通る事
一夫より御天守江上り是ハ極りニてハ無之候へも定例序ニ上り致眺望候此御上段江者御道具無之次之段以下ニ御道具有之
 候

 夫より御天守へ上り是は極りでは無いけれども、定例序に上り眺望いたすこと、此御上段には御道具は無く、次の段以下に御道具有ること
一夫より元之御家老江帰り弁当等仕候ハヽ此所宜又休息なしニも夫より御櫓之御道具致見分候長櫓之方ハ御役人口ヨリ右
 之方
之様ニ参り候御間内御天守方御役人局を通り候
 其節ハ皆平伏致居候へも不及会釈尤士席根取等江者見合次第致会釈候儀も有之候左候而諸帰り元之御役人口より引取候
 事

    但此時茂御天守方支配頭同所御目附等出迎候所迄送候間御武具之手入等弥以無油断被心懸旨申達候事
 夫より元の御家老(間)へ帰り弁当等仕つれば、此所宜又休息なしにも、夫より御櫓の御道具見分いたし、長櫓之方は御役人口より右の方の様に参
 れば、御間内御天守方御役人局を通ること

 其節は皆平伏致し居れども会釈にはおよばず、尤士席根取等へは見合次第に会釈いたすことも有ること、そうすれば諸帰り元の御役人口より引取る事
    但此時も御天守方支配頭・同所御目附等の出迎える所迄送るので、御武具の手入等弥以って油断なく心懸けらる旨申達す事
一御座敷内者不及見分候尤致見分度も候得者其段最初ニ御天守頭江申達候へ共御坐鋪支配ニ申達ニ相成居候事
 御座敷内は見分のおよばず、尤見分いたす度もあれば、其段最初に御天守頭へ申達せれば御座敷支配に申達し成り居る事
一供中頬当御門内出入之儀ハ小姓頭記録有之候故略之候事
 供中、頬当御門内出入の儀は小姓頭記録がある故これを略す事
一右之通ニ候へも以前より極り居候格式ハ無之臨時之模様茂可有之候事
 右の通りではあるが、以前より極り居る格式は無く、臨時の模様も有るべきの事
一右風入相済幾日まてニ御取納ニ相成候之段達有之候由引切書巡覧に出候事
 右の風入れが相済み、幾日まてに御取納に成りたるか達があるので、引切書巡覧に出る事

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■入り相いの空

2021-09-18 14:14:21 | 徒然

 10年ほど前「空はただ入道イワシのせめぎあい」という、季語もない、馬鹿々々しい句を作ったことがある。
夏から秋に季節をまたぐ頃の空には、夏の雲(入道雲)と秋の雲(イワシ雲・筋雲など)が併存して、面白い表情を見せてくれる。
ただそんな景色を何とか読みたいと願っての事はまちがいないのだが、力量不足というのは何とも情けない結果となる。

こういう状況の空を「入り相いの空」と形容するのだが、どうもこれは季語ではないようだ。
暮れなずむころを「入り相い」といい、俳句ではよく使われているが、「入り相いの空」は見かけないようだ。

 昨日から今日にかけて九州北部を台風が通過するということもあり、少々身構えていたが、大した風も吹かず、雨も降らず有難いことであった。
朝から史談会の例会の為に外出したが、空は少々どんよりとしていて「入り相いの空」とはいかない。しかし帰るころになるとすっかり良い天気になり、
まだまだ入道さんの勢力が勝っている。
そして今年もあと三か月余、熊本のコロナもずいぶん落ち着いてはきたものの、コロナに翻弄されたこの一年だった。
はたしていつ終息に向かうのだろうか。
「天高い秋の空」のごとく、さわやかにすっきりしたいものである。

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■「極付」これぞ三斎公筆

2021-09-18 07:11:24 | オークション

        肉筆保証 桃山~江戸初期 戦国大名 細川忠興(三斎)筆 書簡書状 軸装 古筆鑑定札有 保管箱有

                             

   最近「忠興(三斎)公筆」とするものがよく登場してきたが、どれも写しだったようだ。
これぞ三斎公独特の筆跡で、この品については「極」もついている。出だしの値段も高額だが納得できる。
私もずいぶん三斎公筆跡のこうした文書のコピーを収集して、読解に精を出しているが、なかなかすらりとは読めない。
是も又苦労することになる。また、このような品に触れて有難いことではある。

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