本来は「訝しい」とすべきところだが、綿考輯録の編者・小野武次郎は「いぶかし」とする。
史料をいろいろ集めて編纂の仕事をしていて、内容がおかしくつじつまが合わないことが出て来ると、武次郎は「いぶかし」と記している。
「いぶかし」とは、古い言い回しのようだが、意は「物事が不明であることを怪しく思うさま。疑わしい。」である。
武次郎は細川家の正史にとどまらず、家臣の家の記録や、巷間に伝えられているいろんな情報を、「一書に」という形で紹介しているが、これが綿考輯録の内容を信頼於けるものにしている。
この時代、といっても綿考輯録は藤孝公・忠興公・忠利公・光尚公の四代に限定されてはいるが、その行動や業績はいろんな形で情報が飛び交い、結果として捻じ曲げられて記録されてきたものもある。
それらにすべて目を通したうえで武次郎は「いぶかし」としながら紹介している。
それでも500年に喃々とする細川家の歴史には、理解の及ばない世界が存在する。
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