今年の大河ドラマはほとんど見なかった。ジャーニーズ問題で揺れた一年だったが、「どうする家康」もNHKの忖度がおおいにあったのではないか。
見て居られるのはジャニーズ不安ばかりではない。先年の「麒麟が来る」は大いに楽しんだが、歴史ドラマの本来あるべき姿を取り戻してもらいたいものだ。
ということで、ニュースを見たら部屋にこもり「読書でもすべえ」とばかり、昨晩は内田百閒の「贋作吾輩は猫である」を開いた。文庫本282頁を少々斜め読みもしながら読了した。
頭から「贋作」と断わりながらの作品だが、百閒先生は漱石の弟子とは言いながらその間は五年ほどだというが、師匠愛に満ち溢れているように思われる。
1906年に水瓶に落ちて這い上がってきたら1943年だったというのだか、登場人物は相変わらず面白い登場人物が珍妙な世界を繰り広げている。
読み進めていると、これがまるで漱石先生の続編ではないかという錯覚さえ起こしてしまう。
百閒先生の作品はそう多くは読んでいないが、ブックオフでも覗いて文庫本を仕入れてみようかと思っている。
それでも来年の大河ドラマには少々期待している私である。