朝の散歩に出て、公園内の木立の中を歩いていたら、腕を蚊にくわれてしまった。
蚊の飛行高度は6m程と言われる。今度の引っ越しで、3階そして5階へと住まいの高度を上げたが、3階住まいの頃から家の中で蚊に食われることなく過ごしてきたから、免疫力がなく痒い事きわまりない。
漱石の熊本弁の句を思い出した。漱石先生もどこやらで蚊の襲撃にあわれたのだろう。
秋の蚊と 夢油断ばし し給ふな
標準語では「~~を」を熊本弁では「~~ば」とするが、江戸っ子の漱石先生も郷に入れば郷に従えで熊本弁も大いに使われたのであろう。
私は共に元は「~~をば」ではなかったかと勝手に思っているが、標準語では「ば」がとれ、熊本弁では逆に「を」が取れてこうなったのでは?と考えるが如何だろうか。
熊本人のひごろつかう言葉ならば、「油断ば しなすな(しなさんな)」という風に遣うから、漱石先生のこの句にはちょっと違和感を感じてしまう。
漱石先生の丁寧な表現かもしれず、乱暴だと云われる熊本弁のほうがおかしいのだろうか。