~~みなさん、お元気ですか?
さあ、今日も元気に「ヨハネ伝解読」いたしましょう。
「解読」というのは、「考える」ことですからね。
「考える宗教」を楽しみましょう。
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=聖句=
「自分の権威を基盤にしてことを語る者は、自分の栄誉を求めます。だが、自分を使わされた方の栄誉を求める者は正直であって、彼の内には偽りがありません」(7章18節)
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今回も同じ聖句です。
前回は、われわれが経験できるこの世の現象をとりあげて「自分の栄誉を求めてする話には嘘が入る」ということを説明いたしました。けれども、これは、社会科学的な説明であります。
この伝記の著者ヨハネは、もう一つ深い世界認識を、この話の背景に持っているようにみえます。
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彼はもうちょっと形而上学的といいますか、根底的なところを意識しています。それを見据えて記している。具体的には~~
「『世』という空間は偽りがあるところ」
~~という認識です。ヨハネ福音書は「天のもの」対「世のもの」という対比を明確に踏まえて記されているところに一つの特徴があります。こうした神学をもって様々な出来事を記しているのですね。
もちろん、それは、イエスの世界把握なのですが、ヨハネはそれをしっかりと受け止めて、伝記を書いています。いってみればそれは
~~「世」は基本的に悪魔にリードされている世界であって、悪魔は偽りの父(源)である。世とは偽りのある空間なのだ。真実(真理)は創造主の王国であるところの「天(天国)」から来るものである~~
という理解です。そこで
イエスがこの世でなす教えは、父なる創主からくることであるから真理である(すなわち偽りは含まれていない)
~~こういうことになります。創造主から来ていない言葉であったら、たとえそれが自分の栄誉でなく、他の人の栄誉のために語っているのであっても偽りは介入するものだ、ということになるわけです。
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より正確には、そういうことになるでしょう。だがここではイエスは、アバウトな言い方で短く言っているようです。
「まあ、ざっといえば、こういうことだ。ある人の語っていることが真実かどうかを、概略判定するリトマス試験紙のようなものがあるとすればだ。それは、語っている本人の姿勢に、自分に名誉を得ようとしているような姿勢があるかどうかだよ」と。
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「世」は偽りのあるところ、という、ヨハネの認識をわかり易く例示すれば、こういうことではないでしょうか。この世にはとても立派で有名で名誉あるとされている人がいます。勲何等旭日何々とか、ノーベル賞とか色々ある。
である時その人に直接会います。すると、そんな立派な人の口からも、会話をしていると効果を計算した言葉が適度に出るのです。効果を計算した言葉とは、そのために加工した言葉、すなわち、偽りの言葉です。これがなんとも上品に自然に出る。聞いている方が抵抗感を自覚できないくらいに自然に出ます。
すると、こんな思いを抱く人もいるのではないでしょうか。あんなに立派で有名な人なのに、これは何だ~~と。甚だしい場合には、怒りを抱いたり、もう人間なんて信じられない、と思ったり・・・。
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ところがヨハネの根底にある世界観では、これは一言で片づけられてしまいます。
「それが『世』だ」
~~と。もちろん、現実の「世」にも改善の余地はありますよ。しかし、前回述べたようにそれには上限があります。どうして? ああ、それはこの「世」での改善だから~~と聖書ではなるんですね。
ヨハネは自分の肉体が今住んでいる「世」とは、そういうものだと洞察しておりました。「『天』から来た言葉を語る人には偽りはない」(18節)と彼が記したイエスの言葉にヨハネは「天から来た言葉を語る人『だけに』偽りはないんだよ」という意味をも読み取っていたと考えられます。
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