~~~「ヨハネ伝解読」にようこそ。
話は、「姦淫の女」の場面に入りました。
ここは有名で、メル・ギブソンの制作・監督の映画『パッション』でも克明に描かれていましたね。姦淫の女を演じた女優さんは、すばらしい美人でしたね。
イエスの母マリア役の女優もそうでした。メル・ギブソンはこの映画を、思い切ってリアルであると同時に、思い切り美しく描こうとしたんですね。





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=聖句=
「朝早くまたイエスが宮に入られると、人々が皆みもとに集まってきた。イエスは座って彼らを教えておられた。すると、律法学者たちやパリサイ人たちが、姦淫をしている時につかまえられた女をひっぱってきて、中に立たせた上で、イエスにいった。 『先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。モーセは律法の中で、こういう女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか』」(8章2~5節)
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8章に入ります。
舞台は一転して、姦淫の女が登場してまいります。
翌日、イエスが神殿の広場に来て説教していると、彼女がイエスと群衆の前に引き出されるのです。連れてきたのは、ユダヤ教の律法学者、つまり高僧とパリサイ派の人々です。彼らは、どうして情報を得たのか、姦淫の場に踏み込んで彼女を捕まえてきたのです。
前日にイエスの教えを聞いていた人々は、夕方になると家に帰りました。今と違って、電灯がありませんから、夜は広場も真っ暗になるんですね。夜が非常に長い。昔はそういうライフスタイルです。
イエスは、自宅がありませんから、オリーブ山に入って夜を過ごしました。そして、朝明るくなると、再び広場に出て説教を始めていたんですね。そうしたら、僧侶たちが、女を連れて登場したのです。
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彼らは、問いかけました。「先生、この女は姦淫の現場で捕まえられた現行犯です。言い逃れの余地はない。モーセの律法では、こういう女は石でもって打ち殺すことになっています。先生の教えではどうなりますかな?」(3~5節)
ヨハネはこれを「わな」だと書いています。イエスの答える言葉を根拠にして、裁判に訴えようとした、と(6節)。どういう罠なんでしょうね。彼はそれについては何も説明していません。ここは読者の推定に任せているのでしょうか。

