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言語技術教育学会参観記…2

2008年03月04日 | 雑記帳
 大会テーマ「論理的な『言語力』を育てる国語科の授業~『新学習指導要領(案)』の検討~」をめぐる協議・検討は、6名の指定討論者によって行われた。

 「新学習指導要領(案)」については新聞等によるポイント解説程度しか目をとおしていなかったし、一部が資料としてあり一流の講師の面々の評価を聞くことができるのは、それだけで勉強にはなる。それにしても、学校現場では本来ならば十分に研修を積むべきことであろう。そうした余裕を持てない、作り出せないのは学校を預かる身として反省しなければならない。
 大森修氏は、今回もそのあたりをついた。

 通知表の項目が学習指導要領のどこにあたるのか指摘できない、まったく関係ない内容を挙げているようないい加減な教師がいる

 まず自分に引き寄せて、学習指導要領に関心を持つ、持たせる工夫が求められることを再確認した。
 私たちの中にある現場感覚とずれているとすれば、それはどこなのか、なぜなのか、もう少し整理を加えていくことだろうと考えた。

 さて肝心の協議は、確かに刺激的だった。
 学習指導要領に関して、「論理的な言語力」「伝統的な言語文化」「活動領域と能力領域」「道徳性」「教科書」…このあたりがキーワードだったと言える。
 今回は小森茂氏が「『水』と『油』」と比喩したことが印象的だった。
 グローバルな社会への対応と伝統文化の尊重が、どういう形で実現していくか。
 小森氏は最後にこう語った。

 今回の学習指導要領には、いろいろな思いをもった人が入り込めるようなしかけがある

 ということは、様々な人によって振りまわされる危険性もあるということではないか。
 かなり注意深く、複眼的に思考することが求められる。

 といろいろ学んだのだが、今回の指定討論は、正直今までよりもずっと物足りなかった。
 高橋俊三氏風に、点数をつけると50点ぐらい。
 進行の歯切れが悪かったことがマイナス15点。発言者の時間厳守についてもアバウトだった。フロアにも意見を求めない。
 さらに指定討論者のメンバー不足でマイナス35点(個人的にはそのうち25点は野口先生がいないこと。いれば絶対議論は盛り上がった)。常連である何人かの理事の先生方がいないことがさみしかった。

 唯一所属しているこの学会に、一番開かれてほしいと願っているのだが、このままでは「検討」の仕方が多面的と言えなくなる。