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私と私達、私から私達

2009年05月16日 | 雑記帳
 ある教育雑誌を読んでいて、ちょっと面白い文章を目にした。

 「私」と「私達」
 
 「Yes, We can」が流行語のようにもてはやされたこともあって、「私達」という言葉の持つ強さ?を改めて感じたが、そんな風潮に対して安易に使いすぎていないか、と筆者は訝っている。
 確かに、反戦運動、学生運動で使われたイメージと比べれば、その重みは大きく違うのかもしれない。

 個人的には、どうしても岡林信康の歌が思い出される。
  
 歌詞

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 それはさておき、筆者が大学生相手のスピーチの授業で面白い試みをしている。「私」と「私達」の使い分けを意識させるための手立てと言っていいだろう。
 最初「私の夢」といったテーマでスピーチさせ、そこでは「私達」を禁句とし、スピーチ後の討論を経て、再構成させる。そこで「私達」を使う場を取り入れていくというような概要だ。

 これは流れのすっきりした、それでいて十分に思考を伴う組み立てだと感じた。
 結局、個から出発するしかない、ということを強く意識づけるだろうし、討論の中で、私と私達とのかかわりや、私達とは何か、複数形を使うことの意味づけは何か、といったことに気づく要素が生まれてくるだろう。

 小学生では無理かもしれないが、言葉にこだわって教材を組み立てるいい例だと思った。このパターンで何かできないかと考えている。