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桜と絵本と豆乳と

読み手は「自分」を確認したい

2024年09月09日 | 読書
 SNSやブログなどを通じその動静などを知る実践者や研究者が、今でも数人いる。発信する中には本の紹介もあり、選書の参考にしている。今回、たまたま自己啓発系?の2冊があり読んでみた。お薦め本にはやはり読み手の個性が出る、という当たりまえのことに気づく。生き方や学び方の確認は読書の大事な要素だ。



 Re69『コロナの時代の暮らしのヒント』(井庭崇 晶文社)。書名でわかるように2020年9月の発刊であるが、内容自体は今でも十分通用する。先行き不透明な時代にあって生活をよりよくするために、「いろいろな分野で見出されたコツ・秘訣」が32並ぶ。パターン・ランゲージという方法によってまとめられた。


 現実との向き合い方、発想の転換、提案、工夫等々、著者が実践していることを含め、豊富な例がある。個人的にピピッと来たのは「13 どの未来が来ても大丈夫なように、《未来を織り込む》」「25(略)《貢献の領域》がどこにあるかを考えて行動に移す」の二つ。これらは現状を冷静に把握し、希望を持つために必要だ。


 Re70『続ける思考』(井上新八 ディスカヴァー・トゥエンティワン)は実に有りがちなタイトルだ。しかし、中味には力が籠っている。「ある日、わたしは気づいた。わたしの趣味は『続ける』こと」という一節は興味深い。趣味とは一般的に「個人の趣向」を意味するが、こうなると哲学いわば「美的判断力」に近い。


 著者が箇条書きした「続けていること」は26あり、その大半が「毎朝」となっている。常人には真似できないようだが、挑戦したい?読者のためにヒントも多い。自分に引き寄せ、何かを発起してやるとすれば、次の二つは肝要だ。「記録する」「意味はあとからわかってくる」…「ただ続ける」という心境は奥が深い。