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生き様を多くの人に見せつけて

2025年01月29日 | 雑記帳
 森永卓郎氏が亡くなった。素人にもわかりやすい経済情報や独特の信念を伝え続けてくれた人だ。結構多く読んでいると思ったが、実際は単著ではなく雑誌記事などが多かったようだ。ブログ検索してみたら、20年前『児童心理』という教育雑誌に載った文章に触発されていたことが記されていた。本質は変わらない。

 教育者が一番やらなくてはいけないこと(2005.6.22)

 最後に、その考えに触れたのも雑誌だった。昨年12月のPRESIDENT誌の冒頭で医師との対談が掲載されている。末期がん患者であることはずいぶん前から公表していたが、改めて強固な考え方に感服した。殺到した仕事に応えて猛烈に原稿を書き、30日間徹夜を続けた精神力は、正直ちょっと想像がつかない。





 記事には「森永卓郎の『後悔しない生き方』」として次の三カ条が載っている。「①『たまたま』を受け入れる」「②限られた時間を全力で過ごす」「③やりたいことをやる」…実にシンプル。考えれば、死者は後悔できない訳だから、後悔する暇なく突き進めということだ。具体的には「切り替え」こそがキーワードだ。


 対談の最後に森永氏はこう語る。「私とその人たちとの違いは、残された人生のスパン(期間)です」。その人たちとは同齢程度の病気を患っていない者を指す。私も該当するだろう。しかし確たる人生のスパンなど誰にもわからない。物理的な違いなどどれほどのものか。生き様を多くの人に見せつけて氏は旅立った。