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名もなき一滴が光を放つ

2022年04月24日 | 雑記帳
 対談本で語られた、この「人生作品」という語が頭に残った。何度か繰り返し使われている。正直あまり養老先生らしくないような感じを受けた。それは、「作品」というと、なんとなく観られているようなイメージがあるし、まとまった形と考えてしまうからだろう。語った意図は、それとは違うとわかるのだが…。




 そんな時引き出しの中に、以前視写した文章を見つけた。出典を記していなかったが、これは村上春樹だなとわかった。一去年の夏に、このブログに読書メモを残してある。その日に赤字で引用している後半の部分が、上の「人生作品」と何かつながるような気がしてきた。表現としては正反対のように見えたとしても。




 「名もなき一滴」としての「作品」。こう書いてみると、本当に自分が好きなもの、夢中になれることに素直に没頭してみたい気がする。綿々と続く歴史のなかで「命」を授かり、取り巻く自然、積み重ねられた文化のなかで、自分が選びとった物事に心身を打ち込めることが出来たら、きっとその一滴は光を放つ。


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