もう十年近く前になるが、バスケットボールで有名な能代工業へいってその練習を見学したことがある。
あの田臥勇太を擁し、日本一を続けていた時期のことである。
整然と、しかも溌剌とした練習風景を「さすが」という気持ちで眺めたことを今でも思い出す。
その能代工バスケットの基礎を築いた前監督加藤廣志氏の著書『日本一を勝ち続けた男の勝利哲学』(幻冬舎文庫)を読んだ。
組織を束ねていく指導者にとっての極意、心得が、監督当時のエピソードを交えて淡々と書かれてある内容だ。
個人的におっと思わされたのは、あの「友川かずき」が部に在籍していたこと。そしてそこでのエピソードはまさにあの情熱的に唄をうたう友川かずきそのものであったことに深く納得がいった。
「勝利哲学」と銘打たれているが、読み終わって考えたいのは加藤氏の「人生哲学」だった。
読み終わって振り返ってみると、一つの言葉が浮かんでくる。
プラス思考
使い古された言葉ではあるが、現実場面でこの考えを持ち続けていくことは実は大変なことではないか。
今、高校バスケット界は海外からの長身留学生を招く私学の強化策によって、様変わりをしている。問題化している状況である。しかし、加藤氏はそういう状況を次のような言葉で総括する。
長い目で見ればそれによって日本全体のレベルアップにつながるはず
そして、次のように課題を捉えなおす。
大事なのは、刻々と変化する時代の流れに押し流されるのではなく、いち早く克服する攻略法を見つけることです。
競技スポーツに限ったことではないと思う。仕事を持つ者なら誰しも突き当たっている場面ではないか。
そう考えると「では、自分は何をするのか」という受けとめ方を身につけることが、プラス思考と言えよう。
この本には
手に身体的なハンディを持った子への指導
悪環境の旅館に泊まったときの対応
手術後の体調管理を考えての指導法の発見
など、どれも何かしらの障害を工夫と努力で乗り越えていく過程が頻繁に出てくる。
チームとしての勝負においても、「負け」を貴重な機会として必ず「勝ち」に転じさせていくことが徹底されている。全編にわたって、そういう過程が記されているといっても過言ではない。
とすると、プラス思考はもう一つ大きな意味を持つ。
能代工は今年数年ぶりにインターハイで優勝に返り咲いた。
ここにも確かにプラス思考があったろう。
それは、考え方だけでなく「必ずマイナスをプラスに転じさせている」という事実そのものと言ってよい。
それが、まさしく本物なのだ。
あの田臥勇太を擁し、日本一を続けていた時期のことである。
整然と、しかも溌剌とした練習風景を「さすが」という気持ちで眺めたことを今でも思い出す。
その能代工バスケットの基礎を築いた前監督加藤廣志氏の著書『日本一を勝ち続けた男の勝利哲学』(幻冬舎文庫)を読んだ。
組織を束ねていく指導者にとっての極意、心得が、監督当時のエピソードを交えて淡々と書かれてある内容だ。
個人的におっと思わされたのは、あの「友川かずき」が部に在籍していたこと。そしてそこでのエピソードはまさにあの情熱的に唄をうたう友川かずきそのものであったことに深く納得がいった。
「勝利哲学」と銘打たれているが、読み終わって考えたいのは加藤氏の「人生哲学」だった。
読み終わって振り返ってみると、一つの言葉が浮かんでくる。
プラス思考
使い古された言葉ではあるが、現実場面でこの考えを持ち続けていくことは実は大変なことではないか。
今、高校バスケット界は海外からの長身留学生を招く私学の強化策によって、様変わりをしている。問題化している状況である。しかし、加藤氏はそういう状況を次のような言葉で総括する。
長い目で見ればそれによって日本全体のレベルアップにつながるはず
そして、次のように課題を捉えなおす。
大事なのは、刻々と変化する時代の流れに押し流されるのではなく、いち早く克服する攻略法を見つけることです。
競技スポーツに限ったことではないと思う。仕事を持つ者なら誰しも突き当たっている場面ではないか。
そう考えると「では、自分は何をするのか」という受けとめ方を身につけることが、プラス思考と言えよう。
この本には
手に身体的なハンディを持った子への指導
悪環境の旅館に泊まったときの対応
手術後の体調管理を考えての指導法の発見
など、どれも何かしらの障害を工夫と努力で乗り越えていく過程が頻繁に出てくる。
チームとしての勝負においても、「負け」を貴重な機会として必ず「勝ち」に転じさせていくことが徹底されている。全編にわたって、そういう過程が記されているといっても過言ではない。
とすると、プラス思考はもう一つ大きな意味を持つ。
能代工は今年数年ぶりにインターハイで優勝に返り咲いた。
ここにも確かにプラス思考があったろう。
それは、考え方だけでなく「必ずマイナスをプラスに転じさせている」という事実そのものと言ってよい。
それが、まさしく本物なのだ。
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