「ほぼ日」ファンを自称していたので、絵本『かないくん』の存在はもちろん知っていた。ただ、発刊された当時も関連ページを読み込むことはなかったし、図書館に勤めてからも恥ずかしながら蔵書としてあることさえ認識していなかった。「一般芸術」に置かれている絵本は何冊か読んではいたけれど、見落としていた。
今回、「大人のための読み聞かせ会」はどうかと思いついた5月の頃に、書架で見つけ、自分が読むならこれだとすぐに思った。こういう展開は「入れ子」構造と呼べるかどうかわからないが、それまで語られたことが「書きかけ」になっている物語と知るときに、すっと心に落ちる感覚、そしてそこから続く生の営み…
全体的に淡く、色調としてはやや暗めの絵が続く。しかし、後半の二人の対話は、弱まっていく煌めきと、新しく強さを増していくような輝きとの対比も感じられる。ことさらに声色の変化を取り入れなくとも、読み方は自ずとその人物になりきっていくようだった。時間的な飛躍もあるので、間はたっぷり必要だ。
さて、テーマは「死」で間違いない。死によって完結する物語はあくまで個人のものである。しかし「生」は個から個へ引き継がれていく。その歩みはけして止まらない。幼くして命を落とす子も大往生を全うする者もその価値に変わりはなく、結局は誰かの心の中にしまい込まれ、幾たびも出会える…と信じたい。
今回、「大人のための読み聞かせ会」はどうかと思いついた5月の頃に、書架で見つけ、自分が読むならこれだとすぐに思った。こういう展開は「入れ子」構造と呼べるかどうかわからないが、それまで語られたことが「書きかけ」になっている物語と知るときに、すっと心に落ちる感覚、そしてそこから続く生の営み…
全体的に淡く、色調としてはやや暗めの絵が続く。しかし、後半の二人の対話は、弱まっていく煌めきと、新しく強さを増していくような輝きとの対比も感じられる。ことさらに声色の変化を取り入れなくとも、読み方は自ずとその人物になりきっていくようだった。時間的な飛躍もあるので、間はたっぷり必要だ。
さて、テーマは「死」で間違いない。死によって完結する物語はあくまで個人のものである。しかし「生」は個から個へ引き継がれていく。その歩みはけして止まらない。幼くして命を落とす子も大往生を全うする者もその価値に変わりはなく、結局は誰かの心の中にしまい込まれ、幾たびも出会える…と信じたい。
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