今回は、平成27年就労条件総合調査結果による「変形労働時間制の採用状況」
です。
変形労働時間制を採用している企業割合は52.8%となっています。
企業規模別にみると、
1,000人以上:63.9%
300~999人:64.3%
100~299人:60.3%
30~99人 :49.1%
と、規模が大きいほど採用割合が高くなっています。
変形労働時間制の種類別(複数回答)にみると、
「1年単位の変形労働時間制」 :30.6%
「1カ月単位の変形労働時間制」 :20.3%
「フレックスタイム制」 :4.3%
と「1年単位の変形労働時間制」が最も高い割合になっています。
変形労働時間制の採用割合などについては、
平成12年度、18年度、24年度に出題されています。
【12-4-E】
変形労働時間制やみなし労働時間制は、適切に利用するならば労働時間短縮
に効果を発揮する。労働省「賃金労働時間制度等総合調査」によれば、変形
労働時間制を採用している企業の割合は高まる傾向にあり、1998年において、
その割合を変形労働時間制の種類別にみると、1年単位の変形労働時間制に
比べフレックスタイム制の方が高い。
【18-2-A】
厚生労働省「平成17年就労条件総合調査」によると、変形労働時間制を採用
している企業割合は全体では56%である。そのうち1年単位の変形労働時間
制を採用している企業割合が最も多く、それを企業規模別にみると、企業規模
が小さくなるほど採用割合が高い。
【24-5-C】
何らかの形で変形労働時間制を採用している企業割合は全体で5割強となって
おり、これを産業別にみると、「鉱業、採石業、砂利採取業」、「運輸業、郵便業」、
「電気・ガス・熱供給・水道業」、「製造業」などの採用割合が高くなっている。
【12-4-E】は、誤りです。
出題当時も、現在と同様、1年単位の変形労働時間制のほうがフレックスタイム
制より採用割合は高くなっていました。
これに対して、【18-2-A】は正しい内容でした。
1年単位の変形労働時間制が最も採用割合が高くなっています。
また、1年単位の変形労働時間制は、企業規模が小さくなるほど
採用割合が高くなっていました。
ちなみに、平成27年の調査では、
企業規模別の1年単位の変形労働時間制の採用割合は、
1,000人以上:20.6%
300~999人:27.3%
100~299人:32.6%
30~ 99人:30.6%
となっており、最も採用割合が高いのは「100~299人」規模なので、
「企業規模が小さくなるほど採用割合が高い」とあれば、誤りです。
【24-5-C】は正しい内容です。
産業別の採用割合を論点にしており、ちょっと厳しい問題といえます。
平成27年の調査では、
鉱業、採石業、砂利採取業が83.2%で最も高く、金融業、保険業が25.8%
で最も低くなっています。
そのほか、出題にある業種については、
「運輸業、郵便業」:68.7%
「電気・ガス・熱供給・水道業」:65.3%
「製造業」:57.6%
と採用割合が比較的高くなっています。
規模別の採用割合や業種別の採用割合まで押さえるというのは、
ちょっときついでしょう。
とりあえず、変形労働時間制の中で採用割合が最も高いものを知っておき、
余力があったとき、これにプラスした情報を押さえるということで、
十分でしょう。