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終戦記念スペシャルドラマ「この世界の片隅に」

2011年08月04日 19時23分48秒 | 読書(マンガ/アニメ)

8/5(金曜)、終戦記念スペシャルドラマ「この世界の片隅に」が放映される。
以前(2009年)、原作を紹介したことがあるが、非常に奥深い作品である。
この作品が、どのようにドラマ化されたのか、気になる。

【TVリンク】
http://www.ntv.co.jp/konosekai/
(TVサイト、「イントロダクション」を読むだけで、想いだしてこみあげてくる)

2009年5月19日に、紹介した時の文章を下記に再録しておきます。
「この世界の片隅に」こうの史代

【紹介文再録】
すごい、すごすぎる。
また、すばらしい作品を読んでしまった。
かつて、「夕凪の街、桜の国」を読んだ時に感じた。
これは最高傑作、これ以上の作品は出ないだろう、と。
でも、それは誤り。
再度、こうの史代さんが「戦争」をテーマに取り組まれた。
そして、出来上がったのが、この全3巻。
早くも今年度ベスト作品決定!

日常を淡々と描かれている。
この柔らかいタッチで戦中・戦後が描かれるんだけど、
もう・・・こみあげてくるものがある。
平凡な表現で申し訳ないが、魂を揺さぶられる。

メルヘンと紙一重のストーリーと表現だが、これがテクニカル。
鬼が、座敷童が・・・。
どこまでが現実で、どこからが夢なのか。
「夕凪の街、桜の国」と同様に、各エピソードが複雑に絡み合い、リンクする。
ぼんやり読んでいたら、見のがしてしまう。

物語は、広島と呉が舞台。
昭和18年から始まり、徐々に昭和20年8月に向かっていく。
大きな山が迫ってくる感覚。
じっくり読んで下さい、リンクを読み解くために。
表紙はこのような雰囲気なので、救われる。

PS
先週、「あの戦争から遠く離れて」を読んで、ノンフィクションはすごい、と感じた。
感動や迫力ではノンフィクションに負けるな、と。
でも、それは間違い。
改めて、フィクションの凄味を感じた。

PS2
3巻目の表紙を見て。
ヒロインが髪を切ってショートにしている。
そして、この表情。
どうしてこの構図なのか?
どうしてお兄ちゃんが鬼いちゃんなのか?
どうして座敷童が出てくるのか?
読み解いて下さい。
すべてがリンクしている。


ドラマ化記念新装版が前後編で7月21日発売された。