間もなく総選挙で、自民党の地滑り的大敗が予想されているわけですが、しばらく前に民主、自民から、マニフェストが発表されました。正式なものは選挙公示後ということらしいですが、ざっと目を通してみました。研究の世界に喩えてみれば、政党のマニフェストは研究費申請書みたいなものだと思います。レビューアたる国民がそれを見て、どちらに政権を任せるのかを判断するというアイデアです。マニフェストを研究申請書として見てみると、自民、民主のどちらのマニフェストがより良いかは、非常にはっきりしています。
研究費申請にあたっては、その研究の意義、研究のゴールを達成するための方法と成功の見込み、予想される結果と解釈、失敗したときのバックアッププランが議論されていいて、なおかつ、成功する可能性が高く、その意義が高いと評価されないと、通りません。これらの基準をもって、自民党のマニフェストを見ると、全く酷いものです。政策の意義、そのゴールへの達成方法、その効果、いずれの項目をみてもよく練られているという感じが全くありません。殆ど、小学生が「将来はプロのサッカー選手になりたいです」と言っているのと同じレベルに見えます。どうやって、プロサッカー選手になるのか、そのためにどういうことをしていくのか、その成功の見込みはどれほどか、サッカー選手になれなかったらどうするのか、そういった具体的な道筋をじっくり考えた跡が自民党のマニフェストには全く見えません。その点、民主党のマニフェストの方がはるかに出来がよいと思います。数字を使って、かなり具体的に書いてありますから、まだ説得力があります。つまり、少なくとも自民党よりはしっかり考えた跡が見てとれると思います。例えば、自民党は安心の項目の中に、税制改革をすると書いてありますが、これで消費税が上がって、一般庶民の生活はより苦しくなるのをどうするのか、その増税がなぜ「安心」なのか、この「意義」についての議論をすっとばしています。また、年金記録問題は来年度末を目処に解決、と書いてありますが、2代前の首相が、「責任をもって解決します」と散々言っておきながら、殆ど何もしない間に政権を丸投げした、という過去の事実をどう考えているのか、何を根拠に来年末までに解決できると考えているのか、全くわかりません。国民はこれをみて、また出来もしないことを臆面もなく言っている、と思うでしょう。研究申請書では、できもしないことを欲張って書くと、現実把握能力を疑われて、マイナス点がつきます。「活力」の項目では、来年度後半には、年率2%の経済成長実現、と書いてあります。一体、どうやってこの数字を実現するつもりですかね。全くわかりません。例えば、私が自営業を営んでいて、過去数年、私のマヌケぶりのせいで収入が減少してきたとします。不満たらたらの奥さんの歓心を買うために「来年には収入を10%上げます」とでも言ったとしたら、奥さんはどう考えるでしょうか?「どうやって?」と聞き返されるでしょう。過去数年の間に日本経済の悪化を放置してきた(どころか、経済悪化に一役買って来た)政権政党が、今度は経済成長を実現する、と言っているわけで、「そういうことを言う前に、まず過去の自らの振る舞いを反省し、きっちり総括、自己批判するのが先だろう」と普通の人は思うでしょう。そもそも、経済の未来が読めたら、誰も苦労しません。まして、政府が経済対策としてできることなど、減税と規制緩和ぐらいしかないでしょう。できもしないことを言って欲しくないし、数年後にはそのツケが倍になって却ってくるような目先だけの政策を考えているのなら、そんな政策はしない方がマシと私は思います。アホウさんは「政策を見て欲しい」と言っているようですが、このマニフェストのどこを見たら、ライバル政党ではなく、自民党を支持したいと思えるのか、教えてもらいたいと思います。
NIHの研究計画では、議論するに価しない研究申請書は足切りされます。今回の自民党のマニフェストを研究計画書としてみれば、計画書の体裁さえなしておらず、足切り間違いなしというレベルだと思います。
研究費申請にあたっては、その研究の意義、研究のゴールを達成するための方法と成功の見込み、予想される結果と解釈、失敗したときのバックアッププランが議論されていいて、なおかつ、成功する可能性が高く、その意義が高いと評価されないと、通りません。これらの基準をもって、自民党のマニフェストを見ると、全く酷いものです。政策の意義、そのゴールへの達成方法、その効果、いずれの項目をみてもよく練られているという感じが全くありません。殆ど、小学生が「将来はプロのサッカー選手になりたいです」と言っているのと同じレベルに見えます。どうやって、プロサッカー選手になるのか、そのためにどういうことをしていくのか、その成功の見込みはどれほどか、サッカー選手になれなかったらどうするのか、そういった具体的な道筋をじっくり考えた跡が自民党のマニフェストには全く見えません。その点、民主党のマニフェストの方がはるかに出来がよいと思います。数字を使って、かなり具体的に書いてありますから、まだ説得力があります。つまり、少なくとも自民党よりはしっかり考えた跡が見てとれると思います。例えば、自民党は安心の項目の中に、税制改革をすると書いてありますが、これで消費税が上がって、一般庶民の生活はより苦しくなるのをどうするのか、その増税がなぜ「安心」なのか、この「意義」についての議論をすっとばしています。また、年金記録問題は来年度末を目処に解決、と書いてありますが、2代前の首相が、「責任をもって解決します」と散々言っておきながら、殆ど何もしない間に政権を丸投げした、という過去の事実をどう考えているのか、何を根拠に来年末までに解決できると考えているのか、全くわかりません。国民はこれをみて、また出来もしないことを臆面もなく言っている、と思うでしょう。研究申請書では、できもしないことを欲張って書くと、現実把握能力を疑われて、マイナス点がつきます。「活力」の項目では、来年度後半には、年率2%の経済成長実現、と書いてあります。一体、どうやってこの数字を実現するつもりですかね。全くわかりません。例えば、私が自営業を営んでいて、過去数年、私のマヌケぶりのせいで収入が減少してきたとします。不満たらたらの奥さんの歓心を買うために「来年には収入を10%上げます」とでも言ったとしたら、奥さんはどう考えるでしょうか?「どうやって?」と聞き返されるでしょう。過去数年の間に日本経済の悪化を放置してきた(どころか、経済悪化に一役買って来た)政権政党が、今度は経済成長を実現する、と言っているわけで、「そういうことを言う前に、まず過去の自らの振る舞いを反省し、きっちり総括、自己批判するのが先だろう」と普通の人は思うでしょう。そもそも、経済の未来が読めたら、誰も苦労しません。まして、政府が経済対策としてできることなど、減税と規制緩和ぐらいしかないでしょう。できもしないことを言って欲しくないし、数年後にはそのツケが倍になって却ってくるような目先だけの政策を考えているのなら、そんな政策はしない方がマシと私は思います。アホウさんは「政策を見て欲しい」と言っているようですが、このマニフェストのどこを見たら、ライバル政党ではなく、自民党を支持したいと思えるのか、教えてもらいたいと思います。
NIHの研究計画では、議論するに価しない研究申請書は足切りされます。今回の自民党のマニフェストを研究計画書としてみれば、計画書の体裁さえなしておらず、足切り間違いなしというレベルだと思います。