百醜千拙草

何とかやっています

政権交代後のこと

2009-08-21 | Weblog
インターネットのニュース欄では、やはり今は、衆院選がトップの話題のようです。人々の期待通りにいけば、50年ぶりに政権交代が起こり、アメリカのような二大政党体制となって、日本の民主主義がスタートする、歴史的な選挙になるはずです。 田中眞紀子が「これからは二大政党の時代になる。自分の政策を実現していくために大きな党に属する必要がある」と言って、先日、民主党に入党し、新潟5区から民主党として出馬することになりました。民主党にとっては、更なる追い風となる出来事と思います。一方、自民党はかなりの大物も危ないということで、比例との二股をかけざるを得ず、このことも最終的に自民の議席減少に寄与するであろうと考えられます。私も、二大政党時代になって欲しいと思います。以前、私見を述べましたが、力の拮抗した政党が、お互いを牽制しあい、より良い国民のための政治を目指して競争しあい、そして政権交代を繰り返すことが、政官財の癒着構造を防ぎ、政府が国民のために働く社会を維持するために必要であると私は思います。
 今回の選挙で日本国民の政治への関心がここまで高まったのは、前回の衆院選以来の自民公民の度重なる失政に国民がキレたせいであろうと思います。だからこそ、この選挙は候補者の言葉通りの正直なものであって欲しいと私は願っています。自民党は、今回のキャンペーンに「責任力」とかいう意味不明の言葉を使いました。責任をとる力のことでしょうか?前代、前前代の党総裁の無責任極まりない政権丸投げ、相次いだ閣僚の不祥事、更迭、前回衆院選での公約違反の数々と、自民党は「責任」ある職務をまかせられない人々の集団であることを証明してきました。だから、この「責任力」とかいう言葉は「郵政民営化」と同様、実体不明の中身のない、口先だけのものです。ここ数年の自民党がやってきたことを知っている国民の殆どが、この言葉を聞いて鼻白んでしまうでしょう。間違いなく「責任力」というキャッチワードは自民党の意図と逆の方向に働くと考えられます。「反省しない人々」、それが国民が自民党に対して持っている印象であると思います。
 それで、民主党を中心とした連合政権が発足するわけですが、私が恐れているのは、民主、自民の談合です。参院で与野党逆転となった時、民主が自民の法案に反対し、法案を阻止してきたので、国会空転、ねじれ国会と言われました。自民は与党に都合のよい法案の強行採決が難しくなって、それをあたかも民主党が国会機能を麻痺させているのだ、と非難しました。民主側から言えば、悪法案を阻止して、日本がますます悪い国になるのを阻止したということです。それで、衆院選後、民主党が与党となった場合に、野党勢力となる自民をどう扱おうとするか、ということを想像しています。民主党は、党の理想の政治を進めたいと思うでしょうし、今度は自民がそれに反対するというしばらく前と逆の状況が起こり得ると思うのですが、その時に、小沢さんは、ちょっと前みたいな「大連立」構想の誘惑を受けるのではないかとふと、思ったりするのです。私は日本の民主主義のために、大連立だけはやってはいかんと思います。第二次大戦への軍国主義を後押ししたのは、大政翼賛会でした。いくら政党の政策に共通のものが多くとも、敵対するより、共同でやる方がよいと思われても、二大政党が「談合」するようなことになれば、いざというときのブレーキが効かなくなくなります。「権力は必ず腐敗する」ものであることを考えると、民主と自民はその政策や方針がどれほど似ていようとも、あい交じらず、適当に仲が悪い、そんな関係を維持していくことが肝要であると思います。万が一、大連立がおこるようなことがあれば、今回の選挙は全くの茶番です。それを私はちょっと危惧しています。
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