百醜千拙草

何とかやっています

民主党党大会ほか

2012-09-04 | Weblog
米民主党の党大会がノースキャロライナのシャーロットで開かれます。あまり言うことはありません。2004年にケリーが出たときのオバマの党大会でのスピーチを見ました。髪の毛も黒々としていて情熱に満ちた若々しいスピーチでしたが、あれから8年経って、ワシントンの住人になって4年が過ぎ、かなり白髪の目立つようになったオバマは、その中身も随分と変化したことでしょう。一般国民が現状でOKだと判断すればオバマだし、現状が苦し過ぎると考えればオバマの対抗馬に入れることになります。4年前の高揚した期待感から比べたら、オバマは期待に沿うほどの成果は上げられませんでした。とはいうものの、経済や失業率は満足なレベルとはいえないものの、一応は上向きに見えます。この傾向があと一月つづけば、オバマ再選ということになるのではないでしょうか。それにロムニーには弱点が多過ぎるように私は思います。

あと、くどいようですが、週末、下のようなニュースがあったので。 

「軍の命令で山本さん殺害」=男の供述を動画サイトに投稿-シリア反体制武装組織
 【カイロ時事】シリア北部アレッポで8月20日に日本人ジャーナリスト、山本美香さん=当時(45)=が政府側とみられる一団に銃撃され死亡した事件で、反体制武装組織「自由シリア軍」の「タウヒード旅団」は1日までに、動画サイト「ユーチューブ」にアサド政権側に属す男が軍上層部の命令で山本さんを殺害したと供述する映像を投稿した。
 ウィサム・マフムードと名乗る男は49秒間の映像で、「(政府軍の)170旅団に属し、アブ・ファーディ少佐らとの会合で、アレッポでジャーナリストを殺害し、自由シリア軍に責任をなすりつけることで合意した」と述べ、意図的に報道関係者を標的にしたと証言した。
 アレッポの自由シリア軍指導者アケーディ大佐は時事通信の電話取材に、動画を作成したことを確認。マフムード容疑者を親アサド大統領の民兵組織「シャビーハ」に属す男2人と共に拘束したと明らかにした。(2012/09/01-22:19)



しっくりきません。ずっと以前から、田中宇さんやイランラジオなどからも、民間人を虐殺しているのは反政府軍の方であるという情報があったからです。

第一に、シリア軍が民間ジャーナリストを殺害して何のいい事があるのでしょうか。反政府の自由シリア軍は、政府軍関係者が反政府軍に責任ををなすりつけようとしていると言っています。しかし、そんな理由でわざわざ外国人をターゲットにするでしょうか。Youtubeなどを使ってしきりと反政府キャンペーンをやっているのは自由シリア軍の方です。
 この殺された日本人ジャーナリストの人は、そもそもが自由シリア軍側に誘導されてアレッポの街に入っています。いわば自由シリア軍の保護のもとにあったはずです。このジャーナリストの人が自由シリア軍の片棒を担いで反政府運動に加担している、と政府軍の方が考える可能性はあるにせよ、自由シリア軍の保護のもとにある外国の民間人を政府軍が狙い撃ちするにしては動機が弱すぎるのではないか、と思います。単に戦闘に巻き込まれたのではなく、意図的に殺害された可能性が高いと私も思いますが、それは政府軍が単独でやったのか、政府軍のフリをした反政府軍がやったのか、あるいは政府軍の意図に気づいた自由シリア軍がわざと政府軍に殺害させて見殺しにしたのか、この辺は「薮の中」の世界です。

 前回、藤永さんのブログで紹介されていた、政府軍の元にいるジャーナリスト、Robert Fiskの記事への読者の投稿の中に、

Channel 4 has reported the FSA lead journalists into traps because it suits their purpose to get them killed , injured or missing.


とあって、つまり、イギリスの4チャンネルは、日本人ジャーナリストが殺されたり障害を受けたり行方不明になることは、自由シリア軍に都合がよいので、自由シリア軍が彼らをワナにかけたのだ、と報道した、と述べられています。少なくとも、イギリスのこの放送局は、日本人ジャーナリストの殺害は自由シリア軍の意図も十分あったと推測しているということです。

ま、この事件に触れるのはもうやめましょう。シリアの反政府運動が、トルコ経由で欧米の支援を受けているというのは間違いないでしょうし、結局は自由シリア軍もアメリカに利用されているだけであり、もっとも被害を被っているのは、ゲリラ戦を展開することで殺され傷つけられ財産を奪われるシリアの一般民間人です。どんな戦争であってもこれは変わりません。最も辛い目にあうのは、普通の人々です。中東のオイルか世界覇権か知りませんけど、アメリカやヨーロッパが大っぴらにそして密かに殺して来たおびただしい数の人々のことを思う時、その残忍さと傲慢さにはやりきれない思いを感じるばかりです。
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