百醜千拙草

何とかやっています

本当の犠牲者

2012-10-02 | Weblog
イラク派遣の自衛隊員の自殺率が高いという記事(イラク派遣後、自衛官25人自殺)が数日前にありました。自殺率は10倍になるそうですが、イラクとの因果関係は不明とあります。もちろん因果関係はあるだろうと思います。
そして、「アフガニスタンでの米兵死者が2001年の米軍による攻撃開始以来、2000人に達したとAP通信が30日、報じた」というニュース。

私、ムッとしました。米軍で死んだ兵士も、利用されて結果として死んだのはそうでしょうが、それでも彼らは危険に対してそれだけの「お手当」をもらっています。そして、死ねば理由はどうあれ、「国家の英雄」として鄭重に敬意を示されます。一方、そのアメリカ軍兵士に虐殺された何万という現地の一般市民はどうなのだ、という思いが涌き出してきたからです。イラク戦争では4万をこえる一般イラク市民がアメリカ軍に虐殺されたということが米国の機密文書のリークによって知るところになりました。一般人を虐殺するのは、アメリカ軍兵士にとっては「トレーニング」であり、「イニシエーション」なのだそうです。

イラク派遣後に精神異常を来す退役兵士が問題になりましたが、戦場で犯した人間としての罪に耐えられなくなった結果ではないのかと想像したりします。「テロとの戦い」とかいうふざけたお題目を唱えて中東に侵略戦争をかけたブッシュ、目的は独立国を反植民地化するための傀儡政権の確立とオイル、早い話がカネです。誰かの金儲けのために利用されて殺される人々、その中に、生活や尊厳を蹂躙され、「トレーニング」や「度胸試し」のために殺される報道されることもない無名の現地の一般の人々がいます。
日本でもかつてそうでした。米軍は、一般人の住む地域に焼夷弾を撒き散らし、普通の人々を焼き殺しました。必要もない原爆投下を強行し、十万人以上の市民を虐殺しました。ベトナムでもそうでした。枯れ葉剤やナパーム弾を撒き散らして無差別殺人を行い、戦争後も長年にわたって人々に苦しみを与えました。この残忍で傲慢きわまりない「ヨーロッパの心」、compassionや思いやりという人間としてもっとも大切な能力を欠く忌むべき邪悪さが、世界中で殺してきた人々のことを考えると、おぞましさに身の毛がよだちます。「白人系人種」が「有色人種」を殺し、利用するという構図は大航海時代から今もなお続いているのです。

Academiという会社があります。かつてBlackwaterという名前でした。名前の通りブラックな会社だと私は思います。警備のための会社という名目ですが、実際やっていることは、戦争代行です。シリアの「内戦」で、反政府軍(自由シリア軍)の多くが外国人だという情報がありました。シリアの政府に反対している革命軍の多くが外国人であるという異常な状況はなぜ起こっているのでしょうか。例えば、日本で、「ドジョウ辞めろ」デモや「消費税反対」デモをやっているデモ隊の人々の多くが外国人だったらヘンでしょう。早い話が、シリアでシリア政府を倒そうと戦争をしている連中は雇われた傭兵だということです。そういう傭兵を調達するのが、例えばこのAcademiという会社なわけです。傭兵になるのは危険であってもカネが欲しい「有色人種」の人々が主です。アメリカも中東での一連の戦争に傭兵を使っていることがわかっています。アメリカの中枢にいるこの邪悪な連中は、罪のない人々を殺し国家を転覆させるのに自分の手を汚さないのです。傭兵はたとえ死んでもアメリカ軍人と違って政府は補償をしたりする必要がないので使い捨てのコマとしては後腐れがなく使いやすいということです。それで、例えば中東の戦争であれば、アメリカの戦争でありながら、実際はカネでやとわれた有色人の傭兵が同胞に対して殺し合いを仕掛けるということが起こっています。

良心のあるジャーナリズムであれば、死んだ数千人のアメリカ軍兵士のことを報じるなら、彼らが面白半分に殺したその何十倍にもなる現地の一般人のことも報じるべきでしょう。
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