百醜千拙草

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独立国の矜持

2013-04-05 | Weblog
最近のニュースによると、北朝鮮が、核兵器用のプルトニウム産生のために原子炉再稼働を決めたとか、韓国とのホットラインを遮断したとか、弾道ミサイルを日本海側に移動させたとか、北朝鮮の不穏な動きを煽る記事を最近よく目にします。北朝鮮をテロ国家と見なして東アジアの緊張を演出するのはアメリカがずっとやってきたことで、またアメリカが動いているのかな、と思っていた時に田中宇さんの記事がアップデートされました。
4/3/13の田中さんの記事から、

 
北朝鮮を扇動する米国

米国は以前から北朝鮮を挑発してきたのであり、今回の件はめずらしいことでない、という見方もできる。だが今回は、従来よりはっきりしたかたちで米英マスコミが一触即発観を醸し出しているし、ステルス機の飛来など、米国が危機を扇動している感じが強い。

 米国が今のタイミングで北朝鮮を挑発したことに理由があるとしたら、考えられることの一つは、韓国で朴槿恵政権ができて、南北対話が始まる可能性があるので、それを潰すという軍産複合体的な理由だ。もう一つ指摘されているのは、米国が北との敵対を扇動するのが中国包囲網の一環という点だ。しかし実際のところ、米国が北との敵対を扇動すると、中国とロシアの結束が強まり、中国包囲網が機能しにくくなる。 ('US targeting NK to besiege China')

 中国は習近平政権になり、習近平は就任早々ロシアを訪問した。米国が北朝鮮を挑発して緊張が高まったのは、習近平が訪露したのと同じタイミングだ。中露は、結束して北朝鮮やイラン、シリアの問題を解決する方針を決めている。習近平訪露の直後には、南アフリカでBRICSサミットも開かれ、米国がやり散らかして混乱している国際問題をBRICS主導で解決していくことが提案されている。 (Putin Says BRICS Should Focus on Key World Issues)

 北朝鮮問題は以前、米国が北朝鮮と和解する代わりに北朝鮮が核廃絶し、在韓米軍が撤退するシナリオだったが、このシナリオは01年にブッシュ政権になるとともに破棄されている。次に出てきたのが、米国が中国に6カ国協議をやらせ、中国の傘下で北朝鮮問題を解決していくことだったが、これも途中で頓挫している。


そして、しばらく前の岩下おじさんのブログから、


本当に俺が悪いのか?

金正恩は多感な少年時代の大半をスイスで過ごしており、ドイツ語はもとより5か国語以上は堪能で日本語の漢字もよく理解できるといわれている。つまり語学に精通しているということは、ヨーロッパの合理性も東洋(とくに日本)の精神性も理解しているはずである。しかもあの手練手管の外交の名手金正日が正男、正哲をふっとばして後継者にしたのである。知能は高いとおもわれる。すくなくとも出来損ないのどこかの国の世襲政治家「ほど」ノータリンではないとおもわれる。では、なぜ「愚行」をつづけるのか?

では、聞きたい。金正恩の行為をなぜ「愚行」だと決めつけるのか。日本のノータリン首相がいったから?マスコミが言ってるから?ということはあなた方も晋三君とかわらぬ「白痴」だということでしょうか?

僕個人としては、戦争には反対であり、「核」に関連するものをこころから憎んでいる。これは僕個人の見解であるだけでこれが絶対「善」あるのか、絶対「悪」であるのかわからない、まして「愚」だと決めつけるほど僕は賢くない。神でも有るまいにテレビを見て「審判」できるほどえらくはないのである。それに、、、「北」は悪であるという命題をだれが決めたんだろう。パパブッシュのバカ息子辺りが言い出した悪の枢軸というイメージが定着したんだろうなー。

それで、「北の核」は許せない、だから「悪」である、、、というのは、さらに制裁を強めるというのは、金正恩をますます追いつめるだけである。自国だけでなく常任理事国の核はいい、インドもパキスタンもまあいいでしょう、でもイランと北朝鮮だけは許せない。頭の悪い僕にはどうしてもこれが理解できない。しかも事実上の核保有国イスラエルだったら持ってもいいんか。

結局フセインもカダフィも丸裸にして殺して、テロリストを増やすだけに終わっているけれど、彼らも「大量破壊兵器」所有の「濡れ衣」を着せられただけだったじゃないか。これを学習しない独裁者はいないと思う

アメリカの奴隷になります。つまりパンパンで身を捧げますから、どうぞ進駐してください、犯してください、といってるどっかの国民ならいざしらず、すくなくとも独立国であるなら対等で「ナシをつける」ことぐらい当たり前だと思う。戦前のABCD包囲陣みたいにエネルギーも食料も封鎖してしまわれた弱小国のとる手段は、戦しかなかろう。しかし、ギリギリのところで実際の戦は自制し「国連」に加盟したまま、人工衛星というミサイルや核実験をするというのが本当に「愚行」なんだろうか。本当の「愚行」なら国際組織を脱退し真珠湾を攻撃して相手に「口実」を与えるはずであろう。これが「愚行」ならいまでもアラスカ(州)にテポドンを打ち込んでいるはず。でも彼は歴史を学習しているからそうはしていない。

ひ弱な奴が、大暴力団に囲まれ脅されているとき、対等に親分と口を利くにはヤッパかチャカを突き付けるしか手がないと思う。それも我が身をすてて交渉(ナシをつける)するしか方法はないだろう。


いつ、自分がフセインやガダフィのように殺されるかも知れないという緊張の中で、北朝鮮のトップの頭脳の中は常にフル回転しているはずです。東にアメリカと韓国、日本、西にロシアと中国、大国に挟まれ、彼らの都合で国の運命が決まってしまう、そんな状況で独立国としてのプライドをかけて、必死で突っ張っている国、北朝鮮をそう眺めれば、日本よりはよっぽどマシな国ではないのかと思うこともありますね。
コメント (1)
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