百醜千拙草

何とかやっています

ひとにぎりの未来

2013-08-06 | Weblog
原稿の校正で丸一日潰れました。最優先事項なのでヤムを得ませんが、余り楽しい作業ではありません。ようやく終わったと思ったら、25万円ほどの掲載料の請求書。研究そのものはまずまず楽しいと思うのですが、論文にして発表する段階は苦しいことの方が多いですね。花の命はなんとやら、研究活動も似たようなものです。
 論文一本の発表にカネも時間も労力もかかるのですが、それをまとめて四十何本撤回したとかいう豪快な (?) 話を聞くと、研究論文を発表するという作業も何とも虚しさを感じてきます。Nature の7/24の記事によると、最近は論文撤回数が増え、撤回までの時間が短縮しているという話がありました。悲しむべきか喜ぶべきかよくわかりません。以下、適当に訳してみました。

最近、論文撤回の数が増えているが、その理由の一つは雑誌社が素早く対応しているからである、とPLoS ONEに発表された。ノースカロライナのMediCCのスティーン氏らは1973年から2012年の間に出版された後、撤回された2047本の論文を解析した。2002年以前に発表された論文は撤回までに、平均50ヶ月かかっているのに対し、その後は24ヶ月であった。「話がうま過ぎて信じられない」ようなデータは、今では見逃されにくいのかも知れない、とスティーン氏は言う。「著者に対峙することを躊躇わなくなった傾向もあるのかも知れない」


さて、フクシマ原発ですが、やっぱりとってもヤバいです。汚染水をせき止めることができなくなって、まもなくオーバーフローするというニュースを聞きました。十日ほどまえ、フクシマ原発三号機で蒸気がでて、日本各地で空間放射線量が急激に上昇した事件がありましたが、それに関してこのサイトが解説してあります。格納器の上部もすでに外とつながっていて、放射性物質が直接大気中に放出され続けているという状況にあるらしいことがわかります。

水蒸気を十分含んだ気体が原子炉格納容器ヘッド等から漏れている可能性が考えられ、これらの蒸気がシールドプラグの隙間を通して原子炉建屋5階上に放出した際、周りの空気が相対的に冷たかったため蒸気が冷やされ、湯気として可視化されたものと推定されます。(東電発表)


また、同サイトにあった情報だと、海に放出されている汚染水は一日、400トンであり、トリチウムだけでも積算量40兆ベクレルになりそうだという話。これほどまでとは思いませんでした。気を失いそうです。私は余り海産物は食べませんけど、それでもみそ汁のダシや実に海のものは使います。みそ汁さえ飲めなくなり、寿司を喰うのも命がけの時代が近づいて来るのかも知れません。

そういえば、昔、未来の世界を見てきたという人の話を書いた本を読んだ時、未来の様子が書かれていたのを思い出しました。100年先ぐらいに未来は、緑は多くて静かだが人の数が少なく、海は汚染が激しいので海産物は食べることはできず、テレビや映画は無くなっているが、コンピューターはあって、娯楽番組は昔に作られたものを見ることができるのだそうです。週末、アップルTVでYoutubeにアップされていた25年前のTV番組を見ながら、本当にそうなるのかも知れないな、と思いました。25年前のマリブの浜辺は美しかったです。今はどうなのでしょうか。
コメント
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