百醜千拙草

何とかやっています

ホワイト氏逝去、トランプ失速、サンダースの追い上げ

2016-02-09 | Weblog
"The Earth Wind and Fire" のモーリス ホワイト氏、死去との話。パーキンソン病だったということですが、寂しいですね。
子供のころ聞いた大ヒット曲「Fantasy」や「September」は衝撃でした。派手な衣装とホーンセクションのファンクサウンド、感心しながら深夜のライブコンサートの放映を見たのを思い出しました。

EW&Fとスタイリスティックスとビー・ジーズで、私は、男性のファルセット コーラスの曲が好きになりました。アースの当時のLPの幻想的なジャケットデザインは日本人が書いていたように覚えています(調べてみたら、長岡秀星さんでした)。ファンキーな曲も良かったですが、スローな曲も素晴らしい。私のかつてのお気に入りは、「After the love has gone」とソロでの「I need you」です。少年時代の甘すっぱい、苦くしょっぱい、切ないような色々な思い出とつながっています。この年代のミュージシャンが亡くなっていくのは本当に寂しいです。結局、週末、EW&Fやその年代のR&B、アメリカンポップを聴き浸ってしまいました。

日本人好みの洋楽というものがあるようです。歌詞がよくわからなくても日本人には何故か受ける音楽。EW&Fもそうでした。EW&F全盛のディスコブームのころに流行ったAORのボビー コールドウェルなんかも多分、本国より日本での方が人気があったのではないでしょうか。私も、この系統の音楽、昔の言葉でソフト アンド メロー、とかラブとか言われるタイプのスローなのが好きです。彼らの音楽は演歌にはちょっと馴染めないような日本人の一部になっていると思います。というわけで、「After the love has gone」と「I need you」をYoutubeで探してみました。



やっぱりFantasyも貼り付けておきましょう。この曲は、リードはファルセット使いのPhil Baileyですね。




さて、これまであまり興味はなかったアメリカ大統領予備選、ハプニングが起こりそうな気がしてきました。共和党は、冗談としか思えないトランプやクルーズという「ありえない」候補の代わりに、ようやくまともそうな候補が出てきました。このままトランプは支持を失って、指名競争を脱落することになるのではないだろうかと私は思います。そうであってほしいと思います。ありえない人間がある家系に生まれたというだけでトップ1, 2についてその国民を苦しめているような極東の国の例もあることですし。

民主党に関しては、ヒラリー クリントン本命という筋書きが以前からあったようでしたが、ここに来てサンダースが強烈な追い上げを見せています。以前、触れたように、彼は、現代アメリカ資本主義の中枢とも言える金融業界が、富の偏在、貧富の拡大、そして中流階級の地盤沈下をおこしている元凶であると厳しく批判しています。そして、彼の支持者は、アメリカ金融業界のトリックについて、親の年代よりもおそらくもっと良く知っている若者たちです。彼らは、リーマンショックの時に政府が金融機関に対しては国民の税金を使って巨額の損失を補填し大変な優遇措置を施した一方、その金融機関は一般国民の顧客に対してはまるで恩を仇で返すように対応した上にかえって焼け太りさえした様子を良く覚えているのだろうと思います。思うに、彼らは移民政策などで民主党は支持しているものの、クリントンは所詮、金融の裏にいる「支配者層」側の人間であって、国民の真の代表ではないと見なしているのでしょう。現在、富は偏在し、1%の裕福層が、残り99%の人々を合わせた以上の富を占有しているらしいという話があります。99%はかつてその多くが中流階級でしたが、現在はその多くがかつての中流とはに比べて余裕のない生活を送っています。社会主義的思想が求められるのは自然なことであると思います。

この、若者が正論を述べる老人を熱狂的に支持する、という現象は、4年前のロン ポールの時にも見られました。リバタリアンのポールは、当時、共和党指名候補でしたが、いくら小さな政府を好む共和党といっても、ポールの主張はちょっと極端すぎるところがあり、大きな支持を得ることはできませんでした。しかし、若者は熱烈に支持しました。その一番の理由は、やはり、アメリカの管理通貨制度のイカサマを糾弾してきたからであろうと思います。(そして、それがために大統領候補にはなれませんでした)

すなわち、この近年の傾向は、若者の世代が、アメリカ資本主義は末期に来ており、金融システムの改革が必要だと強く認識していることを示していると思います。日本でもそうですが、社会情勢が悪くなると政治的意見を持つ若者の世代は若年化するようです。教育レベルの比較的高い地域では高校生までが、次の大統領候補に関してそれなりの意見を持っており、彼らの80%が民主、共和両方の候補の中で、サンダースを支持しているという話も聞きました。

サンダースが最終的に指名を得て、本戦を勝ち抜いて、大統領になるかどうか、今の所、私は25%の確率と思います。クリントンには悪いですが、彼女は大統領の器ではないと思いますし、若者が支持し、ひょっとしたら本気で金融改革をやるかもしれないサンダースが民主党候補になってくれることを私は期待しています。世代ごとの大きくなる若者の声を支配者層が無視できなくなれば、ひょっとしたらアメリカも本当に変わっていくかもしれません。
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