百醜千拙草

何とかやっています

エピジェネティックス シンポジウム

2016-10-21 | Weblog
1日シンポジウムに出ていたので、更新が遅れました。
エピジェネティクスがトピックでしたが、あまり、興奮するような話はなかったような感じです。途中で集中力が切れてしまいました。年のせいですかね。

1. 特定のDNA領域とinteractする蛋白を、in vitroの再構築系を使い、pull-down後にiTRAQを使ったMass Specで解析するという実験。artificial すぎるし、iTRAQも感度悪そう、あまり食指が動かず。
2. ヒストン修飾をSingle nucleosomeレベルで解析するという話。Nucleaseを使ってSingle nucleosomeを単利、DNA断端をビオチンと蛍光色素で標識し、アビジンをコートしてスライド上にまばらに結合させて、そこでヒストン修飾特異的抗体を使って、免疫染色、イメージングで解析するという技術。その後DNA-seqも可能という話。これまで生化学的な方法であったChIPをin situ(というと語弊がありますが)に近い状態で解析するという発想の転換。メリットは複数のヒストン修飾が同じヌクレオソームで起こっているかどうかを調べることができること。面白いが、あまり応用範囲が広くはなさそう。
3. 非常に少数の細胞を使って、DNase hypersensitivey site assayを行い、オープンクロマチンを同定する技術を開発し、マウスの初期杯に応用。こういう技術開発は役に立ちます。やってくれてありがとう、という感じですね。
4. tiling gRNAを使ってのCRISPR/Cas9によるシステマティックなmutagenesisアッセイで転写調節に重要なシスエレメントを同定。内在性の遺伝子発現調節をリードアウトにアッセイできるというメリットは大きいが、実験が大変そうです。ヒストンマークで当たりをつけて、昔ながらのエンハンサーレポーターを使ったアッセイではいかんのですかね。プラスミドで多くのレポーターコンストラクトを作るのと、ガイド/Cas9発現ウイルスを作るのとどちらも大変でしょう。
5. Public data baseにあるChiP-seq, DNase-seq, ATAC-seqなどのデータをもとに巨大なメタデータベースを構築したという話。Cistrome Projectの一部。お世話になりそうです。早速web siteに行ってみました。充実してそうです。
6. 特定のRNAに結合するsmall compoundのスクリーニング法の開発。企業の研究室からの成果。創薬に生かそうということですが、まだまだ先は相当長そうです。

あと、いろいろ特定分野に特化した話もありましたが、休暇あけの疲れが残っているようで、集中力が切れました。
コメント
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