百醜千拙草

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言論弾圧

2017-01-10 | Weblog
アベ氏も属するという右翼カルト集団「日本会議」。ベストセラーの「日本会議の研究」の出版さして止めという異常な判決に、言論弾圧と批判。

東京新聞から。
ベストセラー「日本会議の研究」 異例の出版差し止め決定

 ベストセラーの新書「日本会議の研究」によって名誉を傷つけられたとして、書籍内に登場する千葉県の七十代男性が、出版元の扶桑社に出版差し止めを求めた仮処分で、東京地裁(関述之(のぶゆき)裁判長)は六日、「真実でない部分があり損害も著しい」と判断し、差し止めを命じる決定をした。
 扶桑社によると、昨年春からの発行部数は約十五万三千部。裁判所がベストセラーの出版を差し止めるのは異例だ
 書籍では、保守系団体の日本会議と宗教法人「生長の家」の関係を記載。生長の家幹部だった男性は、六カ所について真実ではないとして仮処分を申し立てていた。、、、、、
 書籍は日本会議の成り立ちを探った上で、安倍政権による改憲に向けた動きを批判する内容。各書店でベストセラーランキングの上位に入った。、、、
 「日本会議の研究」著者の菅野完さんは六日の東京地裁決定後、取材に「、、、本件は言論弾圧の一環と言わざるを得ない」とコメントした。
<日本会議> 保守系団体の「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」を統合し、1997年5月に設立された民間団体。「皇室崇敬」や「新憲法の創造」を掲げ、近年は夫婦別姓反対や外国人参政権反対などを訴える。、、、


日経新聞では、その詳細について次のように報じています。

決定によると、書籍では、宗教団体の活動の中で自殺者が出たと記載。宗教団体の幹部だった男性は自殺者が出たことについて「馬耳東風であった」と描かれていた。決定理由で関裁判長は、自殺者が出たことを裏付ける客観的な資料が存在せず、一部の取材対象者は伝聞を述べているにすぎないなどと指摘。著者が男性に対して直接の取材も行っていないことなどから「真実でないと言わざるを得ない」とした。


うーむ、微妙ですね。ベストセラーであるからその影響力を考えて、差しとめの判決になっただけかもしれませんが、昨今の強権的アベ政権と行政に牛耳られる司法を見ていると(先の沖縄県と国との裁判など)、言論弾圧の意図があった可能性は大きいと思います。出版差し止めというのは異例の判決のようですから。日本では、政権に有利な判決を出す、所謂「ヒラメ裁判官」が多いのは、日本の裁判官は最高裁総務局を頂点とする司法官僚に給与と昇進と転勤人事で管理されており、最高裁判事の人事権は時の内閣が握っているという(司法が現実的には行政の下に置かれている)事情があるからのようです。この判決が政権批判を含んだ本であったために、政権の意図を「忖度」したヒラメの判決だ、との批判が出るのでしょう。

だいたい、新聞でさえ世論誘導のためにウソを垂れ流して後で小さな訂正記事で終わらせたり、週刊誌が売らんがために信用度ゼロの記事を書き散らしたりしているわけで、今やPost-truth時代、ウソでもインチキでも売れれば勝ちというご時世なのに、「日本会議」と政権批判の本には厳しい判決ですな。

もう一つ。
政府は5日、犯罪の計画段階で処罰可能とする、いわゆる「共謀罪」を創設するための組織犯罪処罰法改正案を20日召集予定の通常国会に提出する方針を固めた、というニュース。
 犯罪も犯していないのに計画段階で処罰とは、怖い世の中になったものです。中世の魔女狩りを思い出させます。犯罪の事実もないのに「犯罪の準備段階である」ことを判断するのは誰か、権力を持っている連中でしょう。つまり、やりたい放題。これも言論弾圧の一環といえるでしょう。法案成立の際は、憲法を無視して独裁国家を作り戦争犯罪を計画している危険なアベ政権に、まず第一にこの法案を適用してもらいたいものです。
コメント
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