公人の劣化は日本だけに限りません。権力は腐敗するものですから。ただ、その権力の腐敗は、監視する国民とメディアのレベルの低下も一因と思います。トランプのような人間が大統領になったということがそれを象徴していると思います。ベルルスコーニもそうですね。
東京新聞のコラムの「ポポロとポピュリズム」から。
コラムは、ル ペンの話に関してですが、「民衆の不満につけ入り、敵を仕立て、攻撃する」これはまさに、ヒトラーがやったことであり、トランプがやったことであり、小泉元首相がやったことであり、近くはその手口を学んだ小池都知事がやったことです。このやり方が有効なのは、多くの国民が、事実に基づいて論理的に考える能力(あるいはそのための時間や関心)、つまり成熟した判断力を持っているとは言えない現状があるからです。
憲法記念日に、本来、憲法を遵守する義務を負う立場のアベが、現行憲法の不満を述べて、憲法を権力側の人間の意向に沿ってが変えたいと明言した異常さに呆れ果てた人も多いでしょう。アベは憲法がそもそも誰のためにあるののかという根本的な精神を全く無視しているわけです(もっとも、彼は「そもそも」という言葉の意味を辞書で三回調べてもわからなかったようですが)
もう一つ、内田樹の研究室から。「反骨は立ち上がる」
激しく同意します。ただ、アベの屈折した屈辱感のようなものが「大日本帝国」時代への回帰の動機なのかどうかは私にはわかりません。そこまで幼稚でしょうか。アベはかなりの劣等感を抱えているのは間違いないし、それをうまく処理できるほど成熟していないのも明らかですが、現実を直視して立ち向かう根性もないくせに、こんなちっちゃいことにこだわって体裁だけ整えたいというのなら、あまりに情けなすぎます。
目を背けたくなるような現実の一方で、私は、このまま日本は暗黒時代にすんなりと逆戻りすることはない、若く聡明な世代が地道に着実に正しい道に日本を押し上げていくだろうと、確信しています。アベもトランプも断末魔の痙攣で、いつまでも続きません。アベもトランプは遠からず退場します。それがturning pointとなるような気がします。
東京新聞のコラムの「ポポロとポピュリズム」から。
、、、、古い話を思い出したのは「ポピュリズム」が世間をにぎわせているためだ。言葉の原典的な意味は「人民主義」だ。人民が中心で人民の望むところを代弁する。そうであるならば政治家はポピュリストであっていい。
だが、違う顔を持つのがポピュリズムの怖さだ。大衆迎合主義と訳すが、むしろ民衆扇動に近い。民衆の不満につけ入り、敵を仕立て、攻撃する。差別や排斥につながる危険性がある。仏大統領選の決選投票に進んだルペン氏の政治手法は、その典型だ。
十五年前、彼女の父がよもやの決選投票に進み、国民は大いに慌てた。極右当選は阻止せねばと、こぞってシラク氏に投票。反シラクの人も「洗濯ばさみで鼻をつまむか」「ゴム手袋で投票するか」と真剣に悩んで。極右への警戒が薄れる今回はさて-。
だが、違う顔を持つのがポピュリズムの怖さだ。大衆迎合主義と訳すが、むしろ民衆扇動に近い。民衆の不満につけ入り、敵を仕立て、攻撃する。差別や排斥につながる危険性がある。仏大統領選の決選投票に進んだルペン氏の政治手法は、その典型だ。
十五年前、彼女の父がよもやの決選投票に進み、国民は大いに慌てた。極右当選は阻止せねばと、こぞってシラク氏に投票。反シラクの人も「洗濯ばさみで鼻をつまむか」「ゴム手袋で投票するか」と真剣に悩んで。極右への警戒が薄れる今回はさて-。
コラムは、ル ペンの話に関してですが、「民衆の不満につけ入り、敵を仕立て、攻撃する」これはまさに、ヒトラーがやったことであり、トランプがやったことであり、小泉元首相がやったことであり、近くはその手口を学んだ小池都知事がやったことです。このやり方が有効なのは、多くの国民が、事実に基づいて論理的に考える能力(あるいはそのための時間や関心)、つまり成熟した判断力を持っているとは言えない現状があるからです。
憲法記念日に、本来、憲法を遵守する義務を負う立場のアベが、現行憲法の不満を述べて、憲法を権力側の人間の意向に沿ってが変えたいと明言した異常さに呆れ果てた人も多いでしょう。アベは憲法がそもそも誰のためにあるののかという根本的な精神を全く無視しているわけです(もっとも、彼は「そもそも」という言葉の意味を辞書で三回調べてもわからなかったようですが)
もう一つ、内田樹の研究室から。「反骨は立ち上がる」
いま日本で起きている絶望的なまでの「公人の劣化」は何に由来するのか。結論から言ってしまえば「日本はアメリカの属国でありながら、日本人がその事実を否認している」という事実に由来する。日本社会に蔓延している「異常な事態」の多くはそれによって説明可能である。、、、
日本が属国なのだと明確に認識したのは、鳩山由紀夫元首相が2009年に米軍普天間飛行場の移設を巡り「最低でも県外」と発言した際の政治と社会の反応を見たときだ。
鳩山氏は軍略上の重要性を失った日本国内の米軍基地を移転し、日本固有の国土の回復を求めただけである。首相として当然の主張をしたに過ぎない。だが、これに対して外務省も防衛省もメディアも猛然たる攻撃を加えた。、、、
、、、それどころか、対米自立が果たされないのは「対米従属が足りない」からだという倒錯的な思考にはまり込んで、「年次要望改革書」や日米合同委員会を通じて、アメリカから通告されるすべての要求を丸のみすることが国策「そのもの」になった。郵政民営化、労働者派遣法の改定、原発再稼働、TPP、防衛機密法の制定、PKOでの武器使用制限の見直しなど、国論を二分した政策は全部アメリカの要求が実現された。、、、
日本人は心のどこかで「属国であること」を深く恥じ、「主権の回復」を願っている。けれども、それは口に出されることがない。だから、その抑圧された屈辱感は病的な症候として現れる。安倍政権とその支持者たちの「かつて主権国家であった大日本帝国」に対する激しいノスタルジーは「主権のない戦後日本国」に対する屈辱感の裏返しである。、、、
、、、日本人に対して、私から言いたいことは「現実を直視しよう」ということに尽きる。、、、日本が属国であることも、その事実を否定するために異常な人権抑圧が行われていることは沖縄や福島へ行けばわかる。現場に行けば政治家や官僚やメディアがどのように隠蔽しようとも痛ましい現実が露呈する。、、、
、、、残念ながら、今の日本の政治指導層はこの「起死回生・一発大逆転」の夢を見ている。五輪だの万博だのカジノだのリニアだのというのは「家財一式を質に入れて賭場に向かう」ようなものである。後退戦において絶対に採用してはならないプランである。、、、国として生き残るための代替案の案出のために知恵を絞ろうというひとが政官財の要路のどこにもいない。、、、
、、、指導層の劣化は目を覆わんばかりだけれど、医療や教育や司法や行政の現場では、いまも多くの専門家が、専門家としての矜持を保って、私たちの集団を支えるために日々命を削るような働きをしている。彼らを支えなければならない。
日本が属国なのだと明確に認識したのは、鳩山由紀夫元首相が2009年に米軍普天間飛行場の移設を巡り「最低でも県外」と発言した際の政治と社会の反応を見たときだ。
鳩山氏は軍略上の重要性を失った日本国内の米軍基地を移転し、日本固有の国土の回復を求めただけである。首相として当然の主張をしたに過ぎない。だが、これに対して外務省も防衛省もメディアも猛然たる攻撃を加えた。、、、
、、、それどころか、対米自立が果たされないのは「対米従属が足りない」からだという倒錯的な思考にはまり込んで、「年次要望改革書」や日米合同委員会を通じて、アメリカから通告されるすべての要求を丸のみすることが国策「そのもの」になった。郵政民営化、労働者派遣法の改定、原発再稼働、TPP、防衛機密法の制定、PKOでの武器使用制限の見直しなど、国論を二分した政策は全部アメリカの要求が実現された。、、、
日本人は心のどこかで「属国であること」を深く恥じ、「主権の回復」を願っている。けれども、それは口に出されることがない。だから、その抑圧された屈辱感は病的な症候として現れる。安倍政権とその支持者たちの「かつて主権国家であった大日本帝国」に対する激しいノスタルジーは「主権のない戦後日本国」に対する屈辱感の裏返しである。、、、
、、、日本人に対して、私から言いたいことは「現実を直視しよう」ということに尽きる。、、、日本が属国であることも、その事実を否定するために異常な人権抑圧が行われていることは沖縄や福島へ行けばわかる。現場に行けば政治家や官僚やメディアがどのように隠蔽しようとも痛ましい現実が露呈する。、、、
、、、残念ながら、今の日本の政治指導層はこの「起死回生・一発大逆転」の夢を見ている。五輪だの万博だのカジノだのリニアだのというのは「家財一式を質に入れて賭場に向かう」ようなものである。後退戦において絶対に採用してはならないプランである。、、、国として生き残るための代替案の案出のために知恵を絞ろうというひとが政官財の要路のどこにもいない。、、、
、、、指導層の劣化は目を覆わんばかりだけれど、医療や教育や司法や行政の現場では、いまも多くの専門家が、専門家としての矜持を保って、私たちの集団を支えるために日々命を削るような働きをしている。彼らを支えなければならない。
激しく同意します。ただ、アベの屈折した屈辱感のようなものが「大日本帝国」時代への回帰の動機なのかどうかは私にはわかりません。そこまで幼稚でしょうか。アベはかなりの劣等感を抱えているのは間違いないし、それをうまく処理できるほど成熟していないのも明らかですが、現実を直視して立ち向かう根性もないくせに、こんなちっちゃいことにこだわって体裁だけ整えたいというのなら、あまりに情けなすぎます。
目を背けたくなるような現実の一方で、私は、このまま日本は暗黒時代にすんなりと逆戻りすることはない、若く聡明な世代が地道に着実に正しい道に日本を押し上げていくだろうと、確信しています。アベもトランプも断末魔の痙攣で、いつまでも続きません。アベもトランプは遠からず退場します。それがturning pointとなるような気がします。