百醜千拙草

何とかやっています

The buck stops here

2017-07-07 | Weblog
ようやく五年越しのプロジェクトの論文が投稿できました。当初は話題がホットだった三年ぐらい前に出したかったのですが。三年前にもっとも重要なデータは出ていて、その時点で一度、投稿したものの届かず、もうちょと周辺を固めて、厚みのある論文にしたほうがよかろうと判断して、実験をいろいろ追加して一年後、コアなデータは集まってあとは細部を詰めるのみ、と言う段階で、担当の人にいろいろ問題が起き、プロジェクトは半年以上、放置。ようやく論文書きに集中してもらって、なんとか投稿にこぎつけたものの、本人が望んでいたハイインパクトジャーナルはエディトリアル リジェクション。ま、予想されたことですが、第一志望に落とされたら、その次のクラスの雑誌はちょっと離れてしまうので、本人は諦めきれず、無理を承知で第一志望クラスの雑誌に片っ端から投稿したようで、結局、全て門前払いされているうちに一月が経ちました。それで、当初の第二志望の雑誌がようやく投稿を許可してくれたのですが、そこで本人のやる気が萎えたようで、フォーマットを変えて投稿するだけの作業が全く進まず、結局、私が論文の一部を書き直し、フォーマットをやり直す羽目になって、ようやく三週間後に投稿できました。先が思いやられます。ただでさえ、この一年、ほとんど進渉がなかったですから、こんなものかと思うしかないです。この調子ではリバイスの実験は自分でやらざるをえないような感じです。
もう一本の論文も中々、進みません。三つの研究室が絡んだ研究で、co-first authorの一人がかなり強引なところがあるのでストレスです。私が口出しすると紛糾しそうなので、二人にとにかく第一稿を仕上げて、送ってくれと言っているのですが、いまだにメールで非生産的な議論を展開しているばかりで中々先に進みません。

ま、他人と働くというのは難しいです。しかし、それもこれも、人が思うように働いてくれないのも、自分の責任と思わなければ、改善はありません。つまるところ私の人生ですし。

今日は、バクテリアがホストの細胞にバクテリアの細胞室内の物質をインジェクションするという現象を利用して、nanobodyと呼ばれるH鎖だけの人工抗体をホスト細胞質内にデリバリーするという技術を研究している人の話を聞きました。アイデアはいいのですけどね、これが実用化できるのかという点ではかなり疑問だろうという気がしました。しかし、こういう研究にお金がつくご時世なのです。

私も、11月の締め切りまでに、インパクトのある新しい研究ネタをプロポーズする必要があり、アイデアを探して論文を漁ったり、会う人ごとにいろいろ聞いてみたり、瞑想してみたり、祈ってみたりしているのです。私の場合、いくらアイデアが良くても、実現性の低いものはやりたいという気持ちがわかないので、書けません。それで、なかなかパッとしたものが思い浮かばず、時間だけが経っていくので気持ちが焦ります。
夏休みにもリラックスすることができなくなったのは何年前からだろうか、などと思いました。やはり気持ちに余裕がないのはダメですね。
しかし、これもまさに自分の責任、転嫁のしようもありません。
コメント
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