日が短くなり気温が下がって、だんだんと秋めいてきました。葉が色づく木もちらほら見かけるようになりました。若い頃、秋はもっとも好きな季節でしたが、最近は、加えて寂しさも感じるようになりました。
週末、今年最初の枯葉の掃除をしました。まだまだ青々とした葉がほとんどの裏の樹を眺めて、この大量の葉がこれから枯葉となってどんどん落ちてきて、それを毎週、かき集めることになることを思いました。
「枯葉」というシャンソンは、もとは映画の挿入歌ですけど、1950年にイヴ モンタンが歌って有名になった曲で、すぐジャズに取り入れられ、最も有名なジャズ スタンダードの一つになりました。しかし、キャノンボール アダレイ とマイルスの有名な演奏のために、スタンダードでありながら逆にジャズではこの曲が演奏される機会はそう多くないように思います。
実は、これまでイヴ モンタンの「枯葉」を聴いたことがありませんでした。先日、Youtubeでたまたまこの曲を歌っている彼の晩年のライブ映像を見つけました。この歌はメインのメロディーの前にヴァースがついていて、さらにその前に語りの部分があることを知りました。その出だしは、「思い出して欲しい」という言葉で始まるのです。枯葉が北風に吹かれるころ、幸せだった過去、人生がもっと美しいかったころを回想するという歌です。
よかった昔を回想する歌というのは沢山あります。私も子供時代のさまざまなことを昨日のように覚えていますけど、なぜかいい思い出ばかりを思い出します。過ぎ去った日々は隣の芝生のように美しいのかもしれません。私の子供時代は、まだフォークソングが流行っていた時代でした。
ひと月ほど前にビデオをリンクしたフォークグループの「風」の大久保一久さんが最近、急死したというニュースを先日、知りました。71歳とのこと。伊勢正三さんはホームページで、「風」は今でも解散宣言をしていないデュオ。久保ヤンのやさしさがなかったら、「風」は存在せず、僕はただの孤独な男に過ぎなかったのです。と述べています。
今日は、昔を思い出して「枯葉」を。これらの人々も全員故人となって久しいです。
本家、モンタン。
枯葉と言えばコレ。マイルスのミュートのトランペットが曲調によく合ってます。
サラ ヴォーンの嵐のようなスキャットに舞い散る枯葉。感傷的なオリジナル曲とは異なった解釈。
日本でも数々な人がカバーしたようです。代表として越路吹雪。