百醜千拙草

何とかやっています

グラント応募

2018-07-06 | Weblog
今年もあっという間に半年が過ぎ去りました。成果は思うように上がらず。行き詰まり感のある現状の打開が必要であることは実感しておりますが、なかなかアイデアもデータも出ず、十分な資金も人もなく、動くに動けない中で、時間だけが経っていくという状態が続いています。とりあえず、やらねばならぬことをやりつつ、耐える時期なのだと思うようにはしています。とりあえず、片付けなければならない論文の出版とグラントの応募です。

一つの論文、再リバイスを投稿しましたが、屈辱的なリバイスとなりました。一度目のリバイスで出したデータの更なるvalidationを求められたのですが、技術的に困難で、結局、データを引っ込めて、一部の主張を撤回するハメになりました。土下座状態のrebuttal letterです。再リバイスで後退してしまうのは悔しいですが、気を取り直して、淡々とやります。もう一つの6ヶ月をかけたリバイスの論文もほぼ完了、主に共同研究者の人のデータにケチがついたので、彼がかなり大量の実験をやることになりました。もう一本の総説論文、共著の人が主に書いたので、気楽に構えていましたが、思った以上に手がかかりそうです。締め切りまであと三日。

そして、ようやく今年三つ目の研究費申請の手続きが終わりました。と思ったら、しばらく前に出したものに不採用のお知らせ。
前回から研究費申請は、方針を変えて、質より量、データよりアイデア、ストーリーよりもインパクト、つまり論文を書くときとほぼ逆のスタンスでやることに変えました。質より量ですから、もっとも重視することはスピードです。一年のうちの30%をグラントを書くことに費やすとして、約3ヶ月半です。その時間で3本応募して平均打率1割とすると3年に一本が当たることになるという皮算用です。ま、アテゴトとふんどしは前から外れますし、だいたい私は将来の読みが当たった試しがありませんので、期待もせず淡々と機械的にやって、ダメなら方針を変えるか、潔く廃業するかします。

平均打率が1割といくら確率を計算しても、実際は研究資金の配分は極端な偏在がありますから、十本書いても一本も当たらない場合もあれば、十本全てが当たってしまう場合もあります。今回のグラントで共同研究者として協力してもらうことになった若手の人はこの二、三年の間に十本近くのグラントを当て、億単位の年間研究予算を獲得しています。当然、同じネタを使いまわして複数の募集に応募しているわけです。当たるか当たらないかは出してみないとわからないですから、複数出さないわけにはいかないし、また当たったものを断るわけにはいきませんので、結果として捌ききれない量のプロジェクトをやることになっています。強いグラントはどこに出しても高く評価されるし、ダメなものはいくら出してもダメということでしょう。実際は、ほとんどのグラントがその中間でそこそこのレベルでドングリの背比べしょうから、その採否を決めるのは、やはり「運」だろうと思います。

強いグラントは受け手の不便を解消したり、受け手の知的欲求を画期的に満たすようなプロジェクトで、結局、世の中の流行やニーズにあうグラントということです。当たり前のことですが、書く側にとっては、こちらの都合と相手側の欲求をうまくする合わせることはなかなか難しいです。我々のような弱小で特に得意技を持っているわけでもないところは、ニーズに真正面から立ち向かっても、すでにそこで立場を確立している大御所には勝てませんから、ニッチを探してそこを足がかりに広げていくという戦略しか取れません。しかし、そもそもニーズが限られているからこそニッチが生まれるわけで、仮にそこに足がかりができても、それが広がるかどうかはやっぱり運次第。逆に、資金力と人力があれば、広くも深くも張ることができるので、それだけ有利に戦えます。わかっちゃいたけど、やっぱり研究の世界も、金と力。ま、こちらは、手持ちの武器(竹槍レベル)を生かして戦うしかありません。

今回は、専門外ですが自分がやれそうなネタで応募しました。二つの専門分野にまたがっているので、アイデアの評価はどちらの専門家が評価するかによって大きく変わる可能性があります。いずれにしても、成功率は1割未満ですから、目的はできるだけ労力をかけずにそこそこのものを書いて淡々と数を出すことです。とはいえ、今回は専門外のネタだったので、きつかったです。使いまわしもできそうにないネタなので、外れたらまるまる1ヶ月のロスですが、前回の数年をかけて用意したグラントがゼロに終わったことを考えると、外れてもダメージはそれほど大きくありません。


さて、日本の立憲民主主義の危機だと思うので、しつこいですけど、言い続けます。先日のイギリスBBCが報道した「日本の秘められた恥」、アベ友のレイプもみ消し事件ネット上からどんどん削除されているようです。
日本のメディアは、BBCでこの日本の事件が報道されたことも報道しません。サッカーや野球は必要以上の大げさに報道する一方、重要な政治議題を報道せず、水道事業の外資民間への売り渡し、民間業者の博打ビジネスへの参入、TPP参加、様々な売国悪法が、こっそりと知らない間に国会を通過していっています。「パンとサーカス」、「3S」と呼ばれる昔ながらの大衆操作です。メディアの劣化、特にNHKはひどいと言わざるを得ません。北朝鮮やイランなみの情報検閲、ネット工作員、どんどん日本の文化度は劣化していっているようです。情けない限りです。

(追加)BBCの映像は日本語字幕のないものは多くネットに残っていますのでご覧ください。BBCは反響の大きさに再放送を決めたとか。
(一部、転載)
以下、詩織さんのコメントです「こういうテーマを放送すると大体すごいバッシングがある。日本で身の危険を感じてイギリスに来たのに、イギリスでこれを放送することで、安心できる場所がここでもなくなるのでは、と心配だったけど、放送後のイギリス国内での反応は、もうどれもこれも支持するものばかりだった。これは一つの事件ではなく、日本のシステムの問題としてその現状を知れた、と。そして何ができるのか、と、何かしたいという声が多くて、本当にうれしかった」


最後に、関係ないですが、これは結構衝撃でした。

コメント (1)
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