(手向山八幡宮で 08.2.9撮影)
新(あらた)しき 年の初めの初春の
今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
Even as the snow falls to-day At the commencement of the New Year
And with the new-born spring, Ever thick come, good things!
And with the new-born spring, Ever thick come, good things!
tetsudaブログご愛読者の皆さま、新年あけましておめでとうございます。いよいよ今年は古事記完成1300年です。元旦の奈良新聞は、1面で「神代 人代 古事記完成1300年」の特集が始まったほか、別刷りで2ページの「記紀万葉プロジェクト」特集を組んでいます。読売新聞奈良版も、2ページにわたり「古事記を訪ねて 編さん1300年」の特集を組んでいます。
読売新聞によりますと《現代に伝わる日本最古の歴史書「古事記」が712年に編さんされてから、今年で1300年。古事記には神話の時代から、飛鳥(明日香村)に都をおいた日本初の女帝・推古天皇の事跡まで、様々な営みがつづられている。県内にはゆかりの地が多数あり、それを歴史・文化遺産として生かそうとする試みが展開されている》。

官服姿のせんとくん
「古事記を訪ねて」シリーズの第1回は《「恋人の聖地」大神神社》です。この神社は、大和の国の「一の宮」です。《<三輪山伝説> 古事記によると、美しい容姿の活玉依毘売(いくたまよりびめ)のもとに毎晩通ってくる麗しい男がおり、娘は時も経ないうちに妊娠した。驚いた両親は男の身元を調べようと、「麻糸を針に通して男の着物の裾に刺しなさい」と娘に教えた。その通りにしたところ、後には麻糸が「三勾(みわ)(3巻)」残るだけで、糸は戸の鍵穴をくぐって三輪山の神の社に至り、男が大物主神(おおものぬしがみ)とわかった。このことから、この地が「美和(後に三輪)」と名付けられたという》。
記事では《なだらかな稜線(りょうせん)が秋空に映える。秀麗な円すい形をした桜井市の三輪山(467メートル)は、「神奈備(かんなび)」と呼ばれる。幾多の伝説と神話に彩られた、神が宿る山だ》《雑誌やテレビで「パワースポット」として紹介され、三輪山に登る参拝者は、約10年前と比べて5倍以上の年間約5万人に増えた。カラフルな服装で山歩きを楽しむ「山ガール」や、関東など遠方から訪れる若いカップルの姿もあり、権禰宜(ごんねぎ)の後藤照史(てるひと)さん(30)は「日本人にとって身近な神社が、心静かに自分を見つめる場として見直されているのではないか」と語る》と紹介されています。
さらに、井上さやかさん(万葉古代学研究所 主任研究員)が《県内には古事記に登場する地名が現存している。読んだ後で訪ねると、有名ドラマのロケ地巡りのような楽しみがあるだろう》とコメントされているように、これからは、古事記にまつわるストーリーや故地が、いろんな媒体で、わかりやすく紹介されていくことでしょう。寒さが緩めばリュックを背に、県下の「ゆかりの地巡り」もしてみたいものです。
私は今月、古事記ゆかりの出雲(島根県)を訪ねます。島根県では今年、「神話博しまね」(7/21~11/11)が開催されます。古事記では、出雲⇔大和⇔伊勢が一直線につながっています。大和から見て日の昇るのが伊勢、沈むのが出雲。しかも伊勢神宮は、天の香具山のほぼま東に位置します。当ブログでも、これからどんどん「古事記」情報を発信しますので、お楽しみに。皆さん、本年も当ブログをよろしくお願いいたします!
※冒頭に掲げたのは「記紀万葉プロジェクト」にちなみ、万葉集の歌です(元旦で立春でもある今日という日にめでたい雪がつもるように、今年も良いことが重なるといいなあ)。大伴家持が元旦に詠んだ歌で、「万葉集巻20・4516」、つまり万葉集の最後を飾る歌です。NHKの「日めくり万葉」では、初回(選者はナレーターの壇ふみ)に続く第2回で、俵万智がこの歌を紹介していました(09.1.6)。この年(759年)は元旦と立春が重なった年でした。しかも吉兆である雪が降るという3重にめでたいこの歌で、家持は万葉集を締めくくったのでした。英訳は『1000Poems from the Manyoshu』(Dover Publications)より。なお「commencement」は始まりという意味