新春早々、ビッグニュースである。吉野山へ初詣に行って、こんなパンフレットをいただいた。国内最大の秘仏・蔵王権現像(重要文化財)が、特別開帳されるのである! タイトルには「世界遺産 金峯山寺 国宝仁王門 大修理勧進 秘仏本尊 特別開帳 平成24年3月31日(土)~6月7日(木)」とある。
《金峯山寺仁王門(国宝)は、寺内で現存する最古の建造物で、延元3年(1338)頃の再建とされます。南北朝動乱の際、高師直が吉野山に攻め入りましたが、焼失を免れたと伝わります。平成16年にはユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成物の一つとして指定されました》。
《仁王門は明治時代の解体修理以後2度の修理を施して来ましたが、この度「平成の大修理」を発願いたしました。仁王門の大修理勧進のために、本堂蔵王堂(国宝)の日本最大秘仏ご本尊金剛蔵王大権現3体(重要文化財)を、向こう約10年間の毎年一定期間に特別ご開帳いたします。普段は蔵王堂内陣の奥深くに安置されている秘仏ご本尊と、御縁をもっていただけますよう、ご案内申し上げます。*特別開帳中の特別拝観料の一部は 仁王門大修理費に充当させていただきます》。
つまり、国宝・仁王門修理の寄進を募るため、今後10年間特別拝観を行い、特別拝観料(大人1,000円、中高生800円、小学生600円)の一部を修理費に充当する、という趣旨なのだ。特別開帳の期間は年によって変わるようだが、今年は3/31~6/7の約2ヵ月である。しかも4/27~6/2の金・土曜日の夜には、夜間特別拝観も行われるとある(詳しくは吉野山観光協会 0746-32-1007)。特別開帳期間中には、花供会式、観音堂大祭、高祖会などの年中行事も行われるので、これとあわせてお参りするのも良いだろう。
昨年の台風12号では、蔵王堂の屋根の檜皮の一部が吹き飛ばされたというニュースが流れていた。仁王門も仁王像も、年月相応に傷んでいたから、この辺りで大修理が必要なのだろう。
昨年の平城遷都1300年祭では、「奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳」の一環として、蔵王権現像の「百日特別ご開帳」(9/1~12/9)が行われ、オフシーズンの吉野山に、多くの参拝者を集めていた。「お参りできなくて、残念だった」という人も多かったので、これからの特別開帳は、またとない機会である。
県南部地域の振興を図るため、奈良県は昨年、南部振興課(地域振興部)を設置した。南部が元気にならなければ、県全体が浮上しないのである。今年の「古事記完成1300年」は、その1つの契機になるだろうし、修験道・金峯山修験本宗本山ご本尊(蔵王権現)の特別開帳は、県南部への観光客誘致のもう片方の目玉になるビッグイベントである。『古事記』にも登場する神奈備(かんなび)や磐座(いわくら)などの信仰は、修験道にも結びつく。これらをうまく組み合わせて、県南部の観光振興を図っていきたいものである。
《金峯山寺仁王門(国宝)は、寺内で現存する最古の建造物で、延元3年(1338)頃の再建とされます。南北朝動乱の際、高師直が吉野山に攻め入りましたが、焼失を免れたと伝わります。平成16年にはユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成物の一つとして指定されました》。
《仁王門は明治時代の解体修理以後2度の修理を施して来ましたが、この度「平成の大修理」を発願いたしました。仁王門の大修理勧進のために、本堂蔵王堂(国宝)の日本最大秘仏ご本尊金剛蔵王大権現3体(重要文化財)を、向こう約10年間の毎年一定期間に特別ご開帳いたします。普段は蔵王堂内陣の奥深くに安置されている秘仏ご本尊と、御縁をもっていただけますよう、ご案内申し上げます。*特別開帳中の特別拝観料の一部は 仁王門大修理費に充当させていただきます》。
つまり、国宝・仁王門修理の寄進を募るため、今後10年間特別拝観を行い、特別拝観料(大人1,000円、中高生800円、小学生600円)の一部を修理費に充当する、という趣旨なのだ。特別開帳の期間は年によって変わるようだが、今年は3/31~6/7の約2ヵ月である。しかも4/27~6/2の金・土曜日の夜には、夜間特別拝観も行われるとある(詳しくは吉野山観光協会 0746-32-1007)。特別開帳期間中には、花供会式、観音堂大祭、高祖会などの年中行事も行われるので、これとあわせてお参りするのも良いだろう。
昨年の台風12号では、蔵王堂の屋根の檜皮の一部が吹き飛ばされたというニュースが流れていた。仁王門も仁王像も、年月相応に傷んでいたから、この辺りで大修理が必要なのだろう。
昨年の平城遷都1300年祭では、「奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳」の一環として、蔵王権現像の「百日特別ご開帳」(9/1~12/9)が行われ、オフシーズンの吉野山に、多くの参拝者を集めていた。「お参りできなくて、残念だった」という人も多かったので、これからの特別開帳は、またとない機会である。
県南部地域の振興を図るため、奈良県は昨年、南部振興課(地域振興部)を設置した。南部が元気にならなければ、県全体が浮上しないのである。今年の「古事記完成1300年」は、その1つの契機になるだろうし、修験道・金峯山修験本宗本山ご本尊(蔵王権現)の特別開帳は、県南部への観光客誘致のもう片方の目玉になるビッグイベントである。『古事記』にも登場する神奈備(かんなび)や磐座(いわくら)などの信仰は、修験道にも結びつく。これらをうまく組み合わせて、県南部の観光振興を図っていきたいものである。