※トップ画像は「RBB TODAY」のWebサイトより
日本金融通信社(本社:東京都千代田区)は、「ニッキン」という週刊の金融専門紙などを発行する新聞社・出版社である。年始にこちらの大阪支社長・Kさんとお会いする機会があり、興味深い話をお聞きした。同社は《金融機関が国民大衆とともに発展していくため、金融機能の開発、経営の合理化などへの貢献、社会貢献活動、行職員の称賛に値する善行などを顕彰し、奨励すること》を目的として「ニッキン賞」という賞を設けている。昨年2月にこの賞(2010年度)を受賞されたのは京都中央信用金庫で、受賞対象は「中信(ちゅうしん)いで湯の旅」という、毎年1万人以上が参加する「年金旅行」だったのだそうだ。
日本金融通信社のHPに、詳しい「授賞理由」が掲載されている。《「中信いで湯の旅」は、年金受給者に対するサービス向上の一環として1986年から開始。1996年からは参加者が毎回1万人を超える人気イベントで、旅行先では観光閑散期の大規模な旅行客のため「町おこし」の一助になると大歓迎されています。旅行先における経済的波及効果は極めて大きく、この「中信いで湯の旅」が契機となり、一部の県では、地元の信用金庫と県が連携して、他県の信金の年金旅行の誘致活動が始まるなど、全国で信金の年金旅行に一層注目が集まっています。25年に及ぶこの持続的な取り組みは、地域活性化に貢献するなど信金の模範となる活動として高く評価されます》。25年間も活動を続けておられるのだ。
「ニッキン」紙の過去の記事を探すと、「中信いで湯の旅」の情報がたくさん出ていた。見つけたなかで最も古いのは、ちょうど10年前、02年1月18日の記事だった。見出しは《京都中央信金、北陸“いで湯の旅”に年金客1万7000人参加》。1万7000人とはすごい! 奈良県でいえば大淀町(吉野郡)の人口(約1万9000人)に匹敵する数ではないか。《京都中央信用金庫は、年金受給口座の指定顧客や指定見込客を対象にした「中信いで湯の旅」に、過去最高の1万7千人が参加することが決まった。今年は17回目で、行き先は和倉温泉『加賀屋』1泊2日の旅。これまでの参加者は延べ11万9836人に達する》。
《有名旅館に格安料金で宿泊できる魅力が広がり、毎回好評だ。大規模な団体のため、訪問地では「地域経済の活性化につながる」と喜ばれている。 今年の旅程は1月9日から3月26日。54班を編成し1班は320人、8台の観光バスに分乗。京都市内を7~8時に出発。各バスとも道端理事長のビデオ(5分間のあいさつ)がテレビで流れる。コースは名神・北陸道を経て、能登金剛センター(昼食)、七尾フラワーパークを見学した後、和倉温泉へ。宿泊先は、プロが選ぶ日本のホテル・旅館百選で21年連続総合第1位の加賀屋》。
《2日目は、氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館、高岡地域地場産業センター、高岡瑞龍寺などを経て帰途に着く。参加費用は、朝食1回、昼食2回、夕食1回と貸切バス代、宿泊料、飲食代、お土産代など含み、1人2万8千円と格安に設定。 各バスには、同信金の関係会社のセントラルとジェイティービーから添乗員が付くほか、同信金の支店長か職員が添乗。各班の団長は役員が務め、道端理事長も参加する。参加者がお年寄りのため、現地では病院などの手配も完璧だ。現在、同信金に年金受給口座を指定している人は、約16万人(うち予約者4万人)で、その約11%が参加する。参加者は年々増え、96年から1万人を突破。今年は、昨年1月に旧京都みやこと旧南京都信金の事業譲受で年金受給者が増えたこともあって、前年より約2400人多い1万7千人となった》。
《参加者は、町内のお年寄りが申し合わせて参加するケースが多く、同信金に年金口座を持たない人も、旅行に参加したいために口座移管する人も多いという。1万人を超える観光客が訪れると、現地に落とすお金も莫大だ。今年の場合、1万7千人の参加費だけでも4億7600万円。さらに、お土産代なども加わるため地元を潤す経済効果は大きく、受け入れる現地は大歓迎だ。企画段階では、全国の旅館や自治体から誘致の誘いも多く、市長自らが勧誘に同信金を訪れたところもある》。

直近の記事は《特集 2010年度「ニッキン賞」表彰、京都中央信金の「中信いで湯の旅」》(2011年2月4日付)だ。《10年度の「ニッキン賞」を受賞した京都中央信用金庫(布垣豊理事長)の「中信いで湯の旅」の表彰式が2月1日、同信金本店で行われた。水嶋久和・本社社長代行から賞牌と副賞(50万円)を贈呈し、年金旅行で地域活性化に貢献する活動を顕彰した。「中信いで湯の旅」は、年金受給者に対するサービス向上の一環として86年から開始。96年からは参加者が毎年1万人を超える人気イベントで、旅行先では冬場や早春の観光閑散期の大規模な旅行客のため「町おこし」の一助になると大歓迎されている。25年に及ぶこの持続的な取り組みは、信金の模範となる活動として高く評価される》。
《◆和歌山県と信金が連携、誘致活動のきっかけに◆08年1月から4月にかけて、和歌山県の南紀・串本へ旅行した時の参加者は1万4千人を超えた。1泊2日の行程で、平日や日曜日に宿泊する設定。宿泊ホテルは同じところで、54班に分かれて実施した。送迎は、参加者の自宅の最寄りの営業店から専用バスで。そして、全行程食事付きでお土産付き、宴会では飲み放題という内容。これで、参加費は1人1万8800円。「毎年、有名旅館やホテルを選定しているが、観光閑散期に実施していることと、大規模な旅行客のため低料金が実現。人気の要因になっている」(広報部)。また、旅行には同信金職員が必ず添乗。「添乗者への注意事項」や「行程チェックシート」なども使ってお世話役に徹している》。宴会の「飲み放題」コストは、中信が負担しているのだそうだ。
《この時の旅行が契機となって、地元のきのくに信用金庫(香山正人理事長)は、和歌山県と連携して全国の信金の年金旅行の誘致活動を始めた。京都中央信金の旅行客でホテルが賑わったのはもちろん、土産物店では売り切れが続出するなど、大きな話題と経済効果をもたらしたためだ。誘致活動は09年度から開始。信金の企画担当者を1泊2日で無料招待し、和歌山県の良さを体験してもらう。既に効果も表れており、約1年間で17信金、4820人の旅行客が訪れた。10年度からは県内のもう一つの信金である新宮信用金庫(中根幹浩理事長)も連携に加わった。年金旅行は、全国の信金のうち約8割が実施し、その規模は年間12万人とみられている。京都中央信金の大規模な旅行もきっかけとなり、誘致活動は全国で拡大している》。
《◆年金客に満足感を、連携拡大にも努力◆布垣理事長の話 「中信いで湯の旅」は長年続けているが、1万人規模の旅行を企画した時は、まず金庫内の反対意見もあって、説得するのが大変だった。しかし、当金庫で年金を受け取っているお客さまに満足していただくことをもっとも重視した。目的は、あくまでも年金の受給口座を増やすことであり、そのためのサービス向上の一環。結果的に旅行先で大歓迎を受け、消費などの面でお役にたっていることは、信用金庫として大きな喜びでもある。栄えある「ニッキン賞」の受賞を機に、さらにお客さまに満足していただける活動にしていきたい。また信用金庫の連携の輪が広がっていくよう一層努力したい》。
◆年金受給者22万人、旅行以外のサービスも充実◆京都中央信金が1万人規模の旅行を企画したのは95年。当時の年金受給者4万1千人から早期10万人を目指したため。09年8月末には20万人突破。現在は22万人を超えた。年金振込額は09年度で約2400億円に達し、同信金の普通預金残高1兆円を支える最大の財源でもある。旅行以外にも、年金受給者には観劇の優待や誕生日プレゼント、健康などに関する無料のフリーダイヤル、団体傷害保険制度、ATM時間外手数料無料サービス、営業店に設置したテレビ電話による年金相談、有名料理店での飲食代割引など充実したサービスを提供している》。
これは良いところに目をつけたものだ。
○相手が年金受給者というお年寄りなので、平日の旅行が可能である。しかも旅行者の少ない1~4月上旬に実施する
→旅館が格安料金で、しかもゆったり利用できる
○宿泊料金が安いので、超一流の旅館に泊まれる
→お客が大喜びする。口コミで参加者(新規顧客)が増える
○支店長や職員が添乗する
→接客サービス向上のための絶好の研修機会となる。しかも自庫の金融商品のセールスができる。もちろん年金受給者のつなぎ止めができる
○上記のほか、役員が参加するため顧客との親密度合いが深まる、旅先の地域産業活性化につながる(=提携先の金融機関のメリットともなる)など、波及効果は大きい
思いついただけで、ざっとこれだけのメリットがある。
1回1万人以上の参加だと、企画する本部職員さんも、接待する支店職員さんも、大変だろう。しかも毎年開催されるのである。これでシッカリと同庫での年金受給者22万人、振込額2400億円という実績を上げておられるから、すごいことである。「三方よし」どころか、同信金、顧客、宿泊先の旅館、旅先の土産物店・飲食店、バス会社、同信金の関係会社… と、四方よし、五方よしのスグレモノである。
このビジネスモデルを、一金融機関の営業推進活動ととらえてはいけない。「観光事業者でなくても、多くの社員やお取引先を抱える民間企業は、自社の活動の一環として、観光振興に貢献できる」のだということを肝に銘じるべきである。かつて京セラ創業者の稲森和夫氏は、京都の宿泊観光の振興のため、鹿児島県内にある自社工場の社員旅行をすべて京都に誘致したことがあった。観光振興のネタは、いろんなところに埋もれているのである。
日本金融通信社(本社:東京都千代田区)は、「ニッキン」という週刊の金融専門紙などを発行する新聞社・出版社である。年始にこちらの大阪支社長・Kさんとお会いする機会があり、興味深い話をお聞きした。同社は《金融機関が国民大衆とともに発展していくため、金融機能の開発、経営の合理化などへの貢献、社会貢献活動、行職員の称賛に値する善行などを顕彰し、奨励すること》を目的として「ニッキン賞」という賞を設けている。昨年2月にこの賞(2010年度)を受賞されたのは京都中央信用金庫で、受賞対象は「中信(ちゅうしん)いで湯の旅」という、毎年1万人以上が参加する「年金旅行」だったのだそうだ。
日本金融通信社のHPに、詳しい「授賞理由」が掲載されている。《「中信いで湯の旅」は、年金受給者に対するサービス向上の一環として1986年から開始。1996年からは参加者が毎回1万人を超える人気イベントで、旅行先では観光閑散期の大規模な旅行客のため「町おこし」の一助になると大歓迎されています。旅行先における経済的波及効果は極めて大きく、この「中信いで湯の旅」が契機となり、一部の県では、地元の信用金庫と県が連携して、他県の信金の年金旅行の誘致活動が始まるなど、全国で信金の年金旅行に一層注目が集まっています。25年に及ぶこの持続的な取り組みは、地域活性化に貢献するなど信金の模範となる活動として高く評価されます》。25年間も活動を続けておられるのだ。
「ニッキン」紙の過去の記事を探すと、「中信いで湯の旅」の情報がたくさん出ていた。見つけたなかで最も古いのは、ちょうど10年前、02年1月18日の記事だった。見出しは《京都中央信金、北陸“いで湯の旅”に年金客1万7000人参加》。1万7000人とはすごい! 奈良県でいえば大淀町(吉野郡)の人口(約1万9000人)に匹敵する数ではないか。《京都中央信用金庫は、年金受給口座の指定顧客や指定見込客を対象にした「中信いで湯の旅」に、過去最高の1万7千人が参加することが決まった。今年は17回目で、行き先は和倉温泉『加賀屋』1泊2日の旅。これまでの参加者は延べ11万9836人に達する》。
《有名旅館に格安料金で宿泊できる魅力が広がり、毎回好評だ。大規模な団体のため、訪問地では「地域経済の活性化につながる」と喜ばれている。 今年の旅程は1月9日から3月26日。54班を編成し1班は320人、8台の観光バスに分乗。京都市内を7~8時に出発。各バスとも道端理事長のビデオ(5分間のあいさつ)がテレビで流れる。コースは名神・北陸道を経て、能登金剛センター(昼食)、七尾フラワーパークを見学した後、和倉温泉へ。宿泊先は、プロが選ぶ日本のホテル・旅館百選で21年連続総合第1位の加賀屋》。
《2日目は、氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館、高岡地域地場産業センター、高岡瑞龍寺などを経て帰途に着く。参加費用は、朝食1回、昼食2回、夕食1回と貸切バス代、宿泊料、飲食代、お土産代など含み、1人2万8千円と格安に設定。 各バスには、同信金の関係会社のセントラルとジェイティービーから添乗員が付くほか、同信金の支店長か職員が添乗。各班の団長は役員が務め、道端理事長も参加する。参加者がお年寄りのため、現地では病院などの手配も完璧だ。現在、同信金に年金受給口座を指定している人は、約16万人(うち予約者4万人)で、その約11%が参加する。参加者は年々増え、96年から1万人を突破。今年は、昨年1月に旧京都みやこと旧南京都信金の事業譲受で年金受給者が増えたこともあって、前年より約2400人多い1万7千人となった》。
《参加者は、町内のお年寄りが申し合わせて参加するケースが多く、同信金に年金口座を持たない人も、旅行に参加したいために口座移管する人も多いという。1万人を超える観光客が訪れると、現地に落とすお金も莫大だ。今年の場合、1万7千人の参加費だけでも4億7600万円。さらに、お土産代なども加わるため地元を潤す経済効果は大きく、受け入れる現地は大歓迎だ。企画段階では、全国の旅館や自治体から誘致の誘いも多く、市長自らが勧誘に同信金を訪れたところもある》。

「いで湯の旅」では、大山ロイヤルホテルも利用されたそうだ(写真は同ホテルのHPより)
直近の記事は《特集 2010年度「ニッキン賞」表彰、京都中央信金の「中信いで湯の旅」》(2011年2月4日付)だ。《10年度の「ニッキン賞」を受賞した京都中央信用金庫(布垣豊理事長)の「中信いで湯の旅」の表彰式が2月1日、同信金本店で行われた。水嶋久和・本社社長代行から賞牌と副賞(50万円)を贈呈し、年金旅行で地域活性化に貢献する活動を顕彰した。「中信いで湯の旅」は、年金受給者に対するサービス向上の一環として86年から開始。96年からは参加者が毎年1万人を超える人気イベントで、旅行先では冬場や早春の観光閑散期の大規模な旅行客のため「町おこし」の一助になると大歓迎されている。25年に及ぶこの持続的な取り組みは、信金の模範となる活動として高く評価される》。
《◆和歌山県と信金が連携、誘致活動のきっかけに◆08年1月から4月にかけて、和歌山県の南紀・串本へ旅行した時の参加者は1万4千人を超えた。1泊2日の行程で、平日や日曜日に宿泊する設定。宿泊ホテルは同じところで、54班に分かれて実施した。送迎は、参加者の自宅の最寄りの営業店から専用バスで。そして、全行程食事付きでお土産付き、宴会では飲み放題という内容。これで、参加費は1人1万8800円。「毎年、有名旅館やホテルを選定しているが、観光閑散期に実施していることと、大規模な旅行客のため低料金が実現。人気の要因になっている」(広報部)。また、旅行には同信金職員が必ず添乗。「添乗者への注意事項」や「行程チェックシート」なども使ってお世話役に徹している》。宴会の「飲み放題」コストは、中信が負担しているのだそうだ。
《この時の旅行が契機となって、地元のきのくに信用金庫(香山正人理事長)は、和歌山県と連携して全国の信金の年金旅行の誘致活動を始めた。京都中央信金の旅行客でホテルが賑わったのはもちろん、土産物店では売り切れが続出するなど、大きな話題と経済効果をもたらしたためだ。誘致活動は09年度から開始。信金の企画担当者を1泊2日で無料招待し、和歌山県の良さを体験してもらう。既に効果も表れており、約1年間で17信金、4820人の旅行客が訪れた。10年度からは県内のもう一つの信金である新宮信用金庫(中根幹浩理事長)も連携に加わった。年金旅行は、全国の信金のうち約8割が実施し、その規模は年間12万人とみられている。京都中央信金の大規模な旅行もきっかけとなり、誘致活動は全国で拡大している》。
《◆年金客に満足感を、連携拡大にも努力◆布垣理事長の話 「中信いで湯の旅」は長年続けているが、1万人規模の旅行を企画した時は、まず金庫内の反対意見もあって、説得するのが大変だった。しかし、当金庫で年金を受け取っているお客さまに満足していただくことをもっとも重視した。目的は、あくまでも年金の受給口座を増やすことであり、そのためのサービス向上の一環。結果的に旅行先で大歓迎を受け、消費などの面でお役にたっていることは、信用金庫として大きな喜びでもある。栄えある「ニッキン賞」の受賞を機に、さらにお客さまに満足していただける活動にしていきたい。また信用金庫の連携の輪が広がっていくよう一層努力したい》。
◆年金受給者22万人、旅行以外のサービスも充実◆京都中央信金が1万人規模の旅行を企画したのは95年。当時の年金受給者4万1千人から早期10万人を目指したため。09年8月末には20万人突破。現在は22万人を超えた。年金振込額は09年度で約2400億円に達し、同信金の普通預金残高1兆円を支える最大の財源でもある。旅行以外にも、年金受給者には観劇の優待や誕生日プレゼント、健康などに関する無料のフリーダイヤル、団体傷害保険制度、ATM時間外手数料無料サービス、営業店に設置したテレビ電話による年金相談、有名料理店での飲食代割引など充実したサービスを提供している》。
これは良いところに目をつけたものだ。
○相手が年金受給者というお年寄りなので、平日の旅行が可能である。しかも旅行者の少ない1~4月上旬に実施する
→旅館が格安料金で、しかもゆったり利用できる
○宿泊料金が安いので、超一流の旅館に泊まれる
→お客が大喜びする。口コミで参加者(新規顧客)が増える
○支店長や職員が添乗する
→接客サービス向上のための絶好の研修機会となる。しかも自庫の金融商品のセールスができる。もちろん年金受給者のつなぎ止めができる
○上記のほか、役員が参加するため顧客との親密度合いが深まる、旅先の地域産業活性化につながる(=提携先の金融機関のメリットともなる)など、波及効果は大きい
思いついただけで、ざっとこれだけのメリットがある。
1回1万人以上の参加だと、企画する本部職員さんも、接待する支店職員さんも、大変だろう。しかも毎年開催されるのである。これでシッカリと同庫での年金受給者22万人、振込額2400億円という実績を上げておられるから、すごいことである。「三方よし」どころか、同信金、顧客、宿泊先の旅館、旅先の土産物店・飲食店、バス会社、同信金の関係会社… と、四方よし、五方よしのスグレモノである。
このビジネスモデルを、一金融機関の営業推進活動ととらえてはいけない。「観光事業者でなくても、多くの社員やお取引先を抱える民間企業は、自社の活動の一環として、観光振興に貢献できる」のだということを肝に銘じるべきである。かつて京セラ創業者の稲森和夫氏は、京都の宿泊観光の振興のため、鹿児島県内にある自社工場の社員旅行をすべて京都に誘致したことがあった。観光振興のネタは、いろんなところに埋もれているのである。