goo blog サービス終了のお知らせ 

tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

三輪そうめん 山本太治さんが、人生あおによし(朝日新聞奈良版)に登場!(2012Topic)

2012年06月13日 | お知らせ
山本太治さん(株式会社三輪そうめん山本 代表取締役社長)が、6月10日から、朝日新聞奈良版の名物コーナー「人生あおによし」(全20回)に登場されている。掲載されたプロフィールによると《やまもと・たはる 1957年、桜井市生まれ。東大寺学園高校、名城大学商学部卒。食品商社「加藤産業」勤務を経て83年、江戸時代から続く家業の「三輪そうめん山本」に入社。東京支店次長や取締役を経て94年、父の太一社長の死去に伴って社長に就任した。奈良経済同友会副代表幹事、社団法人関西ニュービジネス協議会副会長なども務める》。

初回のタイトルは《受け継ぐ「古壺新酒(ここしんしゅ)」》だった。「古壷新酒」とは、俳人・高浜虚子の言葉で「古い形式に新しい内容を盛り込む」という意味なのだそうだ。抜粋して紹介すると、

そうめん発祥の地といわれる三輪で、享保2(1717)年から家業のそうめん作りを続ける我が家にも、この言葉をしたためた額が掲げられていました。祖父で6代目当主だった太三郎が気に入っだのではないかと思いますが、いつの頃からか家訓のようになり、私の心にもしみこんできた言葉です。三輪のそうめん作りの伝統、質の高さを大切にしつつも、伝統にあぐらをかいてはいけないという戒めなのでしょう。

父が急逝し、36歳で社長を引き継いで18年になります。私も私なりに時代に応じたかじ取りを心がけてきました。父に反発して会社を離れた時期もありましたが、やはり300年続く老舗を次の世代に残していく道を選びました。しかし、決して平坦な道ばかりではありませんでした。老舗の会社は名前や商品がすでに消費者の信頼を得ているといった利点がありますが、ともすれば発想が過去の成功体験にとらわれたり、社員が創業家のトップのイエスマンになってしまったりという恐れも否定はできません。私が社長になったころの会社にも、そのような「老舗病」の芽がなかったとはいえませんでした。



ずらりと並んだ三輪そうめん山本の製品ラインナップ(同本社で、11.9.22撮影)

さらに社長就任後は景気の低迷などで経営環境は厳しさを増し、2002年には、島原で製造したそうめんを長年の慣習で「三輪そうめん」として販売していたことで農林水産省から改善指示を受けるという逆風にも直面しました。実際には前述した歴史的経緯や島原のそうめん製造家の水準の高さを踏まえ、三輪と同じ原料・製法で作っていたのでしたが、これを転機と捉えて新たなブランド戦略に乗り出すことにしました。現在、島原で生産する我が社の最高級そうめんには「三輪」の名前は入っていませんが、世界の優秀な食品に与えられる「モンドセレクション」最高金賞を受賞するなど、新たな戦略は着実に成果を上げつつあるように思います。

第2回(6/12付)も拝読した。タイトルは《跡取り教育 祖父の手で》だった。

私が生まれた頃(1957年7月)はまだ株式会社になっておらず、大正時代から店を切り盛りして全国展開の礎を築いた祖父の太三郎も健在でした。7月はそうめん業者にとっては一番のかき入れ時です。父は忙しい合間を縫ってようやく病院に駆けつけ、祝杯で酔っぱらって駅のホームで寝入ってしまったそうです。

幼い頃、父は現場の責任者として多忙でしたから、私と一緒に遊んだり、どこかに連れて行ってくれたりするのは大抵の場合、祖父でした。祖父はまだ小学校に上がったばかりの私に、奈良の老舗料亭・菊水楼で食事をさせてくれたり、名張にアユ、伊勢にサザエと旬の物を食べに連れ出してくれたりしました。「良い物を知らなければいけない」と話していたのを、今も覚えています。そういえば、まだ子どもの私にお金を渡して、「これで伊勢までの切符を買うて」などと旅の準備をさせるのも常でした。思えばこれも、祖父なりの跡取り教育の一環だっだのかもしれません。


山本さんのFacebookページには、早速たくさんの「いいね!」とコメントが入った。「読み込んでいくのが楽しみです。我々が常備している食材 素麺のことを学ぶのも楽しみです。何気ない家庭教育が大切ですね」「昔、子供のしつけは祖父母の仕事だったんですね。孫を旅行に連れていくのも、祖父母の楽しみだった。この点だけは、今も似たようなことになってきたようですね。ただ、多くの家庭で、祖父母と孫たちが一緒に暮らすことが少なくなってきた。いまどきの若いもんをめぐる問題の一つは、このあたりにあるのかも知れません」。


三輪そうめん山本のブース(大阪産業創造館で6/13撮影)

昨日(6/13)、大阪産業創造館で、「第2回<ナント>消費者モニターフェア」(南都銀行と大阪産業創造館の共催)があった。20社がブースを出し、計約400人の女性モニターに試食・試用してもらい、率直な意見を聞くという催しである。三輪そうめん山本は昨年に引き続いて出展され、前回は手延べ生姜めん、今回は洋風めんのモニタリングをされていた。これらも「古壺新酒」の教えに基づく活動なのだろう。

三輪そうめん山本の本社敷地内には、「麺ゆう館」という施設もある。《館内はビデオルーム・展示室・そうめん延ばし体験室の三つで構成されています。ビデオルームでは、手延べそうめんの製造工程をご覧いただき、展示室ではそうめんの歴史やそうめん料理などそうめんに関するパネルを展示しています。また、そうめん延ばし体験室では、期間限定でふだん見ることができないそうめんづくりを体験できます》。

そうめん延ばし体験の様子(同社のホームページより)

ここでは「そうめん延ばし体験」が人気である。《手延べそうめんの製法は、切って麺にするうどんやそばと違い、ひっぱりながら細くしてゆきます。その珍しい「手延べ」そうめん作りを体験していただこうというのが当セミナーです。自分で延ばしたそうめんをお持ち帰りいただき、作りたてのそうめんをご賞味いただけます。麺好きの方には格別の楽しみを味わっていただけます。※ご好評につき、1週間以上前までにご予約ください。(団体は一ヶ月前までに、ご連絡いただくことをおすすめします)》。

そうめん延ばし体験の所要時間は90分(10:00~15:00の間)。9月~6月の期間限定で(月曜・ゴールデン・ウィークと年末年始はお休み)、@1,000円。お申し込みは0744-44-2001(土日除く9:00~17:00)。

連載は全20回なので、まだまだこれからの展開が楽しみだ。皆さん、ぜひお読みください!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする