tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

平田進也さんを、奈良観光振興のコア人材に!

2012年08月29日 | 観光にまつわるエトセトラ
一昨日(8/27)の夜、奈良市職員養成塾(2012年度第3回)で、平田進也さんの講演「本モノのサービスとは」をお聞きした。90分の熱弁と10分の質疑応答という、充実の時間であった。この塾は名前のとおり市職員向けの講座であるが、私は以前この塾で講演させていただいたことがあるので、特別に参加させていただいた。

平田さんの講演をお聞きするのは2度目である。1度目は7年前に大阪で拝聴した。その後、ご著書『出る杭も5億稼げば打たれない!』(小学館)を読み、平田さんの「カリスマ添乗員とカニを食すツアー」(日帰り)にも参加した。知人の紹介により、奈良市内で会食する機会もあった。


トップ画像は平田さんのFacebookより。その他の写真は、8/27に撮影

平田さんは「浪速のカリスマ添乗員」と呼ばれているが、私は「もてなしの天才児」と名づけている。今回の講演をお聞きしたあとは「大和のグリコーゲン」とお呼びしたくなった。

今年(2012年)4月22日から、平田さんは朝日新聞奈良版の名物コーナー「人生あおによし」(全20回)に登場された。初回の文章が印象に残っている。見出しは「すべてお客様のため」。一部抜粋すると

 出る杭も5億円稼げば打たれない!
 平田進也
 小学館

日本旅行の西日本営業本部個人旅行営業部担当部長という肩書はありますが、お客様のためには女装もいとわない「おもしろ旅企自 ヒラタ屋」の代表と言った方がみなさんはピンとくるかもしれませんね。おかげさまで、ヒラタ屋のファンクラブの会員は2万人を突破しました。テレビ出演も600回を数えるまでになりました。

私は大淀町で大学1年生まで過ごしました。「あんた、奈良出身なんか」って時々、お客さんに驚かれることがあります。そんなイメージがないんですかね。就職後、大阪府茨木市や兵庫県伊丹市に住みましたが、結婚し、子どもが大きくなってきた約15年前、大和高田市に引っ越しました。やっぱり奈良が好きなんですよ。奈良の魅力を一言で表すのは難しいですが、やっばり歴史の重みが違うところですかね。



奈良には、先人から受け継いだ歴史的遣産、観光資源が豊富にあります。奈良県民は当たり前に思っているかもしれませんが、奈良だけに「与えられた」ものなのです。その資源を多くの人に案内させていただくのが、奈良県民の役目ではないでょうか。何もしなくても観光客が来てくれるからといって、決して「見せてやる」「見たかったらどうぞ」というものではありません。おもてなしの気持ちを忘れてはいけません。

女装やしゃべくりが話題になって、テレビに出始めたとき、「よく女装なんかできるな」「会社のイメージを下げる」と、一部の社員から批判されたことがあります。でも、私は「お客さんに楽しんでもらいたい」という確固たる信念があったので揺らぐことはありませんでした。ツアーの売り上げが伸びていくと、自然とそんな声もなくなっていきました。

ひらた・しんや
1957年、大淀町生まれ。五條高校、京都外大を卒業後、80年に日本旅行に入社。変身芸や巧みな話術で、企画するツアーは常に満員。「浪速のカリスマ添乗員」と呼ばれる。リピート率は約8割という。著書に「出る杭も5億稼げば打たれない!」「7億稼ぐ企画力」(ともに小学館)。妻と大学生の長男、次男の4人家族。



さて、奈良市職員養成塾の講演である。すでにN先輩がFacebookに紹介されているので、引用させていただく。

個人で年商8億円を売り上げる伝説の添乗員平田氏が、本日の講師。有名な講師の生トークを楽しみに市役所6階へ。「笑いは心のひもを解く、ついでに財布のひもも解く。皆さん今日はおもいきり笑って帰ってください」。自身を漫談家の綾小路きみまろになぞらえる爆笑トークのスタートです。
  
韓流ドラマブームのきっかけヨン様「冬のソナタ」が流行ったのはもう10年近くも前、親しくしている宮根誠司アナウンサーと「ドラマの放送は済んだけど、多くのファンが余韻に浸っている。今『ヨン様ツアー』」をすれば絶対ヒットするよ」。こう話しあって早速ツアーを企画、今なら19,800円格安ツアーのある時代ですが、当時の募集価格は79,800円、それが飛ぶように売れたのです。

「冬のソナタ」の放送は夜11時15分から、わが妻もドラマの放送日は早くにお風呂に入り、身を清め、コーヒー2杯(私のではありません、自分のおかわり分です)をいれ、「お父さんあっちへ行って」と部屋に1人で閉じこもり涙をふくティッシュまで用意して、テーマ音楽と同時に早速ティッシュをご利用です。こんな景色が日本中で見られたわけですから、ツアーのヒットは信じていました。お客さまの求めるものを提供する、これが鉄則です。ターゲットは60代、団塊世代の女性です。若い人はお金を持っていません。女性をつかめば、男性はついてきます。女性の口コミを味方にすれば、倍々ゲームでお客が増えます。でも、なかなか手ごわいですね…。

こんな調子であっという間に90分、感動しました。泣かされました。この人は本物だと感じました。最後に運よく質問のチャンスをいただき、「お話ありがとうございました。でも人間ですから、気分の乗らない時や体調の悪いことも・・・そんな時はどのようにされるのですか?」「短い人生、どんなふうに生きるか決めるのは自分です。悔いのないように毎日、1日の終わりにその日を振り返り、満足できた日は二重丸をつけてもう20年たちます。最初の1年で46日だった二重丸が、昨年は280日になりました」。




では私の心に残った平田さんのセリフを、手元のメモから拾っておく。

○奈良にお客は来ても、泊まりは大阪や京都だから、おカネは落ちない。お客が買うのは鹿せんべい(150円)だけ。
○平城遷都1300年祭に来たが、弱者に対する「いたわり」「気づかい」があまり見えなくて残念。
○出雲の「神話博しまね」に行くと、すれ違う地元の小中学生がきちんと「おはようございます」と挨拶をしてくれる。石見神楽の練習などの機会を通じて、お年寄りからしつけられているのだろう。これが奈良にあるのかどうか。
○2009年に着任した丸尾和明社長(前JR西日本副社長)の「他社になくて日本旅行にあるのは平田進也だけ」とのツルのひと声で、部長(営業推進事業部担当部長)に抜擢。やっと会社から正当に評価された。9人の部下と年間3千万円の広告宣伝費を得た。
○年間150日添乗し、講演は年間113本。土日も関係なく動いている。しかし自分から動いているのであって、人に動かされているのではない。こんな幸せなことはない。
○私はさしずめ「文化祭実行委員長」。毎日、文化祭をしている。
○じゃらんの調査で、奈良県の「食」の満足度は全県のうち下から5番目。柿の葉寿司や大和肉鶏で、奈良の食がアピールできるか。大津市の「牛肉サミット」は、2日間で10万人集めた。
○道の駅は財産。これをもっと活用を。道の駅「吉野路大淀iセンター」の油揚げはうまい。



添乗員としての平田さんは空前絶後であり、まさにカリスマ。しかしこれは属人的なものであり、誰もがマネできるものではない(平田さんにしても、いつまでも体力や集中力が続くわけではない)。平田さんは自らを「文化祭実行委員長」になぞらえるが、私が「平田さんのここがスゴい」と思うのは、以下の3つのパワー(力)である。

1.プランニング力 :比類ないツアーを企画・立案する能力
2.コーディネート力:地域、業界のカベを乗り越え、賛同者を集めてツアーを組み立てる能力
3.広報力(情報発信力):テレビなどのメディアを巧みに利用したPR・情報発信の力


平田さんは最近になって、奈良県出身であることによく言及されるようになった。奈良といえばとかく奈良市にばかり目が行きがちであるが、平田さんのお生まれは吉野郡大淀町土田(つった)であり、奈良県のヘソ(中心点)に近い。今のお住まいも大和高田市であり、しかも長年大阪でお勤めで、海外業務には11年間も携わってこられた。こういう人には、県観光全体を冷静に見る目が備わっている。平田さんには、ぜひ奈良県観光振興のコア人材として、ビシバシご指導いただきたいと思う。

平田さん、良いお話を有難うございました。平田さんは「大和のグリコーゲン」です、これからも奈良県観光を元気にしてください。われわれ地元民も、頑張ります!
コメント (5)
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