tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

旅館 歌藤の「吉野山だより」

2014年03月03日 | 奈良にこだわる
吉野町吉野山にある「旅館 歌藤(かとう)」の女将・歌藤順子さんから、こんな心のこもったおハガキをいただいた。タイトルは「お元気ですか~!! 吉野山だより」。
消印は2月26日となっているが、書かれたのはあの大雪の2月14日だ。
※トップ画像は、同館のホームページから拝借

暦の上に春は立ちながら、厳しい寒さが続いております。ご家族様には、その後お健やかにお過ごしのことと存じます。

本年吉野山は世界遺産登録10周年となり、金峯山寺蔵王堂では秘仏・本尊 金剛蔵王権現3体が特別に開帳されます。「権現」とは権(仮り)に現れるという意味で、過去・現在・未来の三世にわたる衆生の救済を誓願することとにより、釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩が権化された姿です。(期間 平成26年3月29日~6月8日)



こちらは積雪途中の写真(2/14)。これら3点の写真は、女将さんのFacebookから拝借

2月14日、本日は各地で大雪に見舞われ、奈良県全域に大雪警報となりました。吉野山では30cm以上積もり、まだ降る雪に、桜の木々は白銀の花を咲かせている様に見えます。春・桜・感動・感謝・涙・出合い、すべてドラマとなり、吉野の山々は生命の舞台となり、いろんな方々が主人公になる地でもあります。

私事ですが、この春、娘・長女 久琉美(くるみ)が新中学生になる姿を待ち遠しく思います。吉野山に住む新中学生は3名、ピカピカの大きなランドセルを背負い通った6年間、今ではしっかり者のお姉さん、面倒見あるお姉さん、元気でたくましいお兄さんです。



下のお嬢さん(2/14)

子供達は地域にとっての宝です。住民皆さんがおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん!! 昔話を聞いたり、かくれ道を知ったり、お菓子やジュースもいただきました。皆様のおかげで大きく成長し、素直で優しくなりました。そして子供達はまた吉野山に桜を植えました。吉野山の歴史は続いています。

またお会いできる日を胸に、笑顔いっぱい歌藤印でがんばります。2月14日 歌藤 順子



翌日(2/15)、女将さんが作られた雪だるま。停電で振り回されたので、タイトルは「放心状態」

「住民皆さんがおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん」とは、昔はよく見られた光景だったが、吉野山では今も受け継がれているのである。吉野山上で新中学生が3人とは寂しいが、元気いっぱいに麓の吉野中学校(吉野町河原屋)に通うことだろう。

世界遺産登録10周年の今年は、私にまで講話の依頼が回ってきた。今年の6月、東京・日本橋三越前の「奈良まほろば館」で、吉野にまつわる話をさせていただく予定だ。

「吉野山の歴史は続いています」。役行者の昔から、お山の歴史は連綿と続いている。吉野山はこれからが桜のシーズンだが、5月の新緑がイチ押しだ。絵の具の黄緑色を撒いたような、鮮やかな桜若葉が楽しめる。皆さん、世界遺産登録10周年の今年は、ぜひ吉野山へ足をお運びください! 

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