tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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大和当帰の入浴剤、高取町が12月1日から発売!(2015 Topic)

2015年11月26日 | お知らせ
大和当帰(ヤマトトウキ)をご存じだろうか。冷え性、血行障害、強壮、鎮痛薬などの漢方薬「当帰」として処方されるセリ科の多年草で、県中南部で栽培されている。奈良県の「漢方のメッカ推進プロジェクト」においても、最も注目されている薬草である。県農業研究開発センターのHPによると、
※トップ写真は大和当帰の葉。介護のおくむらさん(楽天市場店)のサイトから拝借

奈良県の生薬の歴史は古く、允恭(いんぎょう)3年(414)、新羅から医師金波鎮漢紀武(こんはちんかんきむ)を招き、允恭天皇の病気を治療した記録があり、このとき初めて中国の漢方薬が日本に入ってきました。

推古19年(611)には、推古天皇が兎田野(宇陀郡大宇陀町)に薬猟(くすりがり)し、山野に薬草や鹿の若角を求めた記録が日本書紀に残っていて、当時、宇陀などの山野は薬草の宝庫であったことが想像できます。1988年、藤原宮の発掘調査で71点の木簡が見つかり、判読できた30点の9割に生薬名が書かれていました。その中では人参、当帰、葛根(かっこん)の名が多く、山野で採取された薬草が各地から朝廷に送られ、天皇や一部の高級官僚に利用されたものと解釈されています。

国産の当帰の歴史を振り返ってみると、今から約300年ほど前、先人達は当時輸入品で高価であった唐当帰(カラトウキ)にかわる生薬として、わが国に自生する植物の中から現在の当帰のもととなった「トウキ」を選び出しました。苦労の末選び出された植物は、カラトウキとはまったく別の種類であったにもかかわらず、結果的に同じ成分を含んでいました。当時、科学的手段がほとんどなかったことを考えると、五感のみによって、的確な代用品を選び出した古人の卓見には、驚くべきものがあります。


そんなスグレモノ「大和当帰」を使った入浴剤を高取町が開発、12月から販売されるというから、興味津々だ。毎日新聞奈良版(11/21付)「大和トウキ 入浴剤に」によると、

“特産”薬草生かし開発 町の漢方推進プロジェクト
高取町は20日、町内で育てた薬草・大和トウキの葉を用いた入浴剤「大和当帰の湯」を開発したと発表した。同町では飛鳥時代に「薬狩り」が行われた記録があり、歴史を生かそうと町は地元農家などと連携して薬草栽培に取り組んできた。入浴剤は12月から町内などで販売予定だ。【矢追健介】

高取町は薬の材料となる動植物に恵まれ、古くから製薬業が盛んな土地。地域活性化と併せて耕作放棄地の解消も図ろうと、町は2012年度から「漢方推進プロジェクト」を発足させ、薬草栽培を推進した。

現在は農家25戸が延べ約1ヘクタールの農地でトウキやハトムギ、ヨモギなどの薬草を栽培。中国などからの輸入品に押される中、原料の安定供給や高品質化を実現し、地元製薬会社の原料にすることを目指している。トウキは乾燥させた根が、冷え性や貧血などに役立つ漢方薬の原料になる。町は残った葉に注目し、新潟市の入浴剤メーカーの協力で葉のエキスを入れた入浴剤を開発した。

乳白色と黄緑色の2種類があり、1個150円(税込み)。12月1日から、同町観光案内所「夢創舘」▽県立万葉文化館(明日香村)▽かしはらナビプラザ(橿原市)--で販売する。実際に試したという植村家忠町長は「漢方の匂いがして、他の入浴剤よりも気持ちが良い」とアピール。「今後も付加価値の高い商品を開発したい」と意気込んだ。


これからの寒い季節に入浴剤とはグッドタイミングだし、1個150円(税込み)は安い。ちょっとしたお土産にも最適だ。大和八木駅に立ち寄る折には南口の「かしはらナビプラザ」で買うことにしたい。皆さんも、ぜひお試しください!
コメント (2)
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