NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が毎週木曜日、毎日新聞奈良版に連載している「ディスカバー!奈良」、先週(4/20)掲載されたのは「献氷祭 奈良市の氷室神社」、筆者は同会理事の清水千津子さん。ご主人と「ステーキ雪峰(せっぽう)」を営んでおられる。
※トップ写真は、神前に供えられた海の幸と川の幸の代表(タイとコイ)の結氷
ゴールデンウィークも目前となった。この時期になるといつも思い出すのは、氷室(ひむろ)神社(奈良市春日野町)の献氷祭である。氷室神社とはどんな神社か。山と渓谷社刊『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』によると、
社伝によると、平城遷都に際して氷室や氷池を春日野の吉城川上流に作り、和銅三年(七一〇)七月二十二日に氷室明神を御蓋山麓の下津岩根宮に祀ったのが創祀とされる。正倉院宝物の『東大寺山堺四至図』には、吉城川上流に「氷池」が記され、菩提川には「氷室谷」という地名も見える。
御蓋山の西麓では氷室の祭祀が行われ、毎年四月一日より九月三十日まで平城宮に氷を献上した。近年、冷凍氷業界によって五月一日に献氷祭が行われている。当日は神前に花氷やコイの結氷、氷柱などが供えられ、舞殿で舞楽も奉納される。
つまり、昔はもっと市街地から遠いところにお祀りしてあった神社をここへ遷したようである。とにかくビジュアル(カチンカチンの氷に閉じ込められた魚など)がスゴいので、カメラ持参でお参りいただきたい。では、記事全文を紹介する。
氷に貼ると文字が浮き出る氷みくじ
暑い夏が今年も近づいてきました。日本書紀には仁徳天皇の時代に氷室(氷の貯蔵庫)が発見され、宮廷へ氷の貢ぎが始まった経緯が書かれています。登場する3柱をまつったのが奈良市春日野町と天理市福住町にある2つの氷室神社です。
奈良市の氷室神社は、平城遷都に際し、御笠山麓(さんろく)の氷室や氷池(製氷施設)の守り神としてまつられました。氷の祭祀は、豊作を祈願するものです。同神社の献氷祭は5月1日、暑い夏を願い氷業界の繁栄を祈願します。神前にはタイなどの氷柱が供えられます。
参拝者にとってうれしいのは一服の涼を感じるかき氷の振る舞いです。境内では氷みくじを引くことができます。何も書いてないおみくじを備え付けの氷柱に貼ると、文字が浮かび上がります。いにしえの氷の祭祀に思いを馳せてください。福住の氷室神社では、7月1日に献氷祭が行われます。
メモ JR・近鉄奈良駅から市内循環バス外回り、氷室神社・国立博物館前下車。【奈良まほろばソムリエの会理事 清水千津子】
今年の5月1日(月)はあいにくの平日だが、休みが取れる方には、ゆったりお参りできる絶好のチャンスである。ぜひご参拝ください!
※トップ写真は、神前に供えられた海の幸と川の幸の代表(タイとコイ)の結氷
ゴールデンウィークも目前となった。この時期になるといつも思い出すのは、氷室(ひむろ)神社(奈良市春日野町)の献氷祭である。氷室神社とはどんな神社か。山と渓谷社刊『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』によると、
社伝によると、平城遷都に際して氷室や氷池を春日野の吉城川上流に作り、和銅三年(七一〇)七月二十二日に氷室明神を御蓋山麓の下津岩根宮に祀ったのが創祀とされる。正倉院宝物の『東大寺山堺四至図』には、吉城川上流に「氷池」が記され、菩提川には「氷室谷」という地名も見える。
御蓋山の西麓では氷室の祭祀が行われ、毎年四月一日より九月三十日まで平城宮に氷を献上した。近年、冷凍氷業界によって五月一日に献氷祭が行われている。当日は神前に花氷やコイの結氷、氷柱などが供えられ、舞殿で舞楽も奉納される。
つまり、昔はもっと市街地から遠いところにお祀りしてあった神社をここへ遷したようである。とにかくビジュアル(カチンカチンの氷に閉じ込められた魚など)がスゴいので、カメラ持参でお参りいただきたい。では、記事全文を紹介する。
氷に貼ると文字が浮き出る氷みくじ
暑い夏が今年も近づいてきました。日本書紀には仁徳天皇の時代に氷室(氷の貯蔵庫)が発見され、宮廷へ氷の貢ぎが始まった経緯が書かれています。登場する3柱をまつったのが奈良市春日野町と天理市福住町にある2つの氷室神社です。
奈良市の氷室神社は、平城遷都に際し、御笠山麓(さんろく)の氷室や氷池(製氷施設)の守り神としてまつられました。氷の祭祀は、豊作を祈願するものです。同神社の献氷祭は5月1日、暑い夏を願い氷業界の繁栄を祈願します。神前にはタイなどの氷柱が供えられます。
参拝者にとってうれしいのは一服の涼を感じるかき氷の振る舞いです。境内では氷みくじを引くことができます。何も書いてないおみくじを備え付けの氷柱に貼ると、文字が浮かび上がります。いにしえの氷の祭祀に思いを馳せてください。福住の氷室神社では、7月1日に献氷祭が行われます。
メモ JR・近鉄奈良駅から市内循環バス外回り、氷室神社・国立博物館前下車。【奈良まほろばソムリエの会理事 清水千津子】
今年の5月1日(月)はあいにくの平日だが、休みが取れる方には、ゆったりお参りできる絶好のチャンスである。ぜひご参拝ください!