NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。10/19付で掲載されたのは宇奈多理坐高御魂神社、執筆されたのは木津川市在住の八尾鈴子(やお・れいこ)さんだった。長年、法隆寺で英語のガイドをお務めになり、また観光ガイド(日本語)名人を選ぶ「第4回Nara観光コンシェルジュアワード」(2019年2月)では見事、最優秀賞に輝いた。
※トップ写真は、宇奈多理坐高御魂神社本殿(奈良市法華寺町)
さて、宇奈多理坐高御魂神社である。平城宮跡「東院庭園」から道路に出ると、古めかしい神社がある。ごく小さな神社だが、何だか神秘的な雰囲気を持つ神社である。今回の記事で、法華寺の鎮守社だったことを知った。ご祭神も、『古事記』に登場する著名な神さまばかりだ。では以下に全文を紹介する。
宇奈多理坐高御魂神社(奈良市)
宇奈多理坐高御魂(うなたりにいますたかみむすび)神社は平城宮跡(奈良市)の東院庭園の北西隣に鎮座します。社名の「うなたり」は、かつては「菟名足」「宇名足」「宇奈太理」など、さまざまな漢字で書かれました。
日本書紀では「伊勢」や「住吉」と並んで「菟名足」として登場。平安時代の延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)にも、「宇奈太理」を冠した名があり、格式の高さがうかがわれます。当社は法華寺の鎮守社でしたが、明治の神仏分離で「十一面観音像」が法華寺(奈良市)に移され、地元の氏子によって守られています。
本殿(重文)は室町時代前期に建立され、三間社流造(さんげんしゃながれづく)り(正面の柱間が三つあり、屋根が前に伸びた建築様式)の檜皮葺(ひわだぶ)き。本殿では高御魂尊(たかみむすびのみこと)など3柱が祭られています。
10月第2日曜には秋祭りがあり、現在も本殿で神事が行われますが、かつては「当屋渡り」という神事もありました。これは、その年の「当屋」と呼ばれる稚児が10月1日に本殿から神さまを自宅に迎え、祭当日に本殿まで送ります。
境内では五穀豊穣(ほうじょう)を願う相撲が行われ、前年と前々年の当屋が「東の春日山」「西の生駒山」のしこ名で対戦しました。今は子どもの減少で中断していますが、土俵は今も残り、再開が待たれています。 (奈良まほろばソムリエの会会員 八尾鈴子)
(住 所)奈良市法華寺町600
(祭 神)高御魂尊(たかみむすびのみこと)、天太玉命(あめのふとたまのみこと)、思兼命(おもいかねのみこと)
(交 通)近鉄大和西大寺駅からJR奈良駅西口行きバスで、「法華寺」下車。徒歩約10分
(拝 観)本殿参拝は毎月1日と15日
(電 話)0742-27-5299
※トップ写真は、宇奈多理坐高御魂神社本殿(奈良市法華寺町)
さて、宇奈多理坐高御魂神社である。平城宮跡「東院庭園」から道路に出ると、古めかしい神社がある。ごく小さな神社だが、何だか神秘的な雰囲気を持つ神社である。今回の記事で、法華寺の鎮守社だったことを知った。ご祭神も、『古事記』に登場する著名な神さまばかりだ。では以下に全文を紹介する。
宇奈多理坐高御魂神社(奈良市)
宇奈多理坐高御魂(うなたりにいますたかみむすび)神社は平城宮跡(奈良市)の東院庭園の北西隣に鎮座します。社名の「うなたり」は、かつては「菟名足」「宇名足」「宇奈太理」など、さまざまな漢字で書かれました。
日本書紀では「伊勢」や「住吉」と並んで「菟名足」として登場。平安時代の延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)にも、「宇奈太理」を冠した名があり、格式の高さがうかがわれます。当社は法華寺の鎮守社でしたが、明治の神仏分離で「十一面観音像」が法華寺(奈良市)に移され、地元の氏子によって守られています。
本殿(重文)は室町時代前期に建立され、三間社流造(さんげんしゃながれづく)り(正面の柱間が三つあり、屋根が前に伸びた建築様式)の檜皮葺(ひわだぶ)き。本殿では高御魂尊(たかみむすびのみこと)など3柱が祭られています。
10月第2日曜には秋祭りがあり、現在も本殿で神事が行われますが、かつては「当屋渡り」という神事もありました。これは、その年の「当屋」と呼ばれる稚児が10月1日に本殿から神さまを自宅に迎え、祭当日に本殿まで送ります。
境内では五穀豊穣(ほうじょう)を願う相撲が行われ、前年と前々年の当屋が「東の春日山」「西の生駒山」のしこ名で対戦しました。今は子どもの減少で中断していますが、土俵は今も残り、再開が待たれています。 (奈良まほろばソムリエの会会員 八尾鈴子)
(住 所)奈良市法華寺町600
(祭 神)高御魂尊(たかみむすびのみこと)、天太玉命(あめのふとたまのみこと)、思兼命(おもいかねのみこと)
(交 通)近鉄大和西大寺駅からJR奈良駅西口行きバスで、「法華寺」下車。徒歩約10分
(拝 観)本殿参拝は毎月1日と15日
(電 話)0742-27-5299
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