tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

焼酎の吉野割り

2010年11月25日 | グルメガイド
10/14、クーカル奈良の「NARAZAKE night(奈良酒ナイト)」で、「セイリングバー」(桜井市吉備564-3)渡辺匠さん創作の逸品「吉野ハイポール」をいただいた。ジョニ黒のハイボール(炭酸割り)に、桜湯に使う桜花の塩漬けを1つ浮かべたハイボールで、ジョニ黒の香ばしさと桜の香りがうまくマッチして、とても美味しいカクテルに仕上がっていた。
※行ってきました!NARAZAKE night(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/bf66cd0127e868c6d26810cdedfd22b6


こちらは角ハイボール(サントリーのHPより)。ここに桜花漬を落としても良い
http://www.suntory.co.jp/news/2008/10241.html

で、早速私も吉野山で桜花漬を買い求め、スコッチの炭酸割りに浮かべて楽しんでいた。桜花漬を一輪そのまま入れると塩味がキツいので、水かぬるま湯で、あらかじめ塩を少し落としておくのがコツである。


蔵王堂の前で買った桜花漬(500円)

そのうち「待てよ。これは焼酎のお湯割りにも応用できるのではないか」と思いつき、試してみた。すると、これはイケる。焼酎のお湯割りに梅干しを入れる「梅割り」は一般的だが、こちらはやや似た感じだが、ほのかな桜の香りが上品だ。これはぜひ「焼酎の吉野割り」と名付けて、全国に普及させたい逸品である!


これら2枚は中井春風堂のHPより

桜花の塩をあらかじめ落としておくのは、ハイボールと同様である。また私のお湯割りは、焼酎に熱湯を加えるような乱暴なものではないい。あらかじめ好みの比率(私は5:5)で麦焼酎をミネラルウォーターで割り、1週間以上寝かせておく。寝かせることでアルコールと水の分子がうまく混ざり、味がグッと良くなるのだ。これを熱燗にし、そこに桜花漬を落とすのである。温かいので、冷たいハイボールよりきれいに花が開く。私が使っている桜花漬は、中井春風堂(吉野町吉野山545)が製造した「よしの山名産 桜花漬」で、ネットでも買える。
http://nakasyun.com/index.html



冬の晩酌に「焼酎の吉野割り」を楽しみながら、桜咲く春の訪れるのを待つ、というのは乙なものである。酒肴には、大和肉鶏の照り焼き、大和まなの漬物や煮浸しなど、いかがだろうか。
※トップ写真は、桜茶(フレ★ビズ スタッフ blogより拝借)
http://fragrancebiz.jp/staff/archives/38
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

同時進行!平城遷都1300年(29)県民の誇り、新たな歴史刻む大事業

2010年11月23日 | 平城遷都1300年祭
平城遷都1300年の宮跡会場は、予想の1.5倍、363万人もの来場者を記録し、11/7(日)に閉幕した。 週刊奈良日日新聞(11/19付)は、一面トップで同祭の成功を報じた。見出しは《県民の誇り 平城遷都1300年祭》《メーン宮跡会場363万人で幕 1300年の歴史は日本一 1年で語り尽くせぬ》。

記事には《平城遷都1300年祭のメーン会場「平城宮跡会場」は、当初の来場者予測を大幅に上回る363万人を記録、大成功を収めて幕を閉じた。全国に「奈良」をPRし、近畿圏ばかりでなく全国各地から訪れる人でにぎわいを見せた。47都道府県中で最も歴史が深い古都・奈良。同祭成功を通じて県民は、その誇りを再認識することができた》。


「県庁伐折羅(ばさら)チーム」のバサラ踊り(11/7)

読売新聞(11/21付奈良版)は、《「1300年祭成功は市民力」 日本遺跡学会 ボランティアら支え 》《遺跡の保存・活用などについて研究、交流する日本遺跡学会の2010年度大会「史跡におけるアニバーサリー・イベントの意義と在り方~平城遷都1300年祭を中心として~」が20日、奈良市の奈良文化財研究所平城宮跡資料館で行われ、学会員や市民ら約80人が参加した》。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20101121-OYT8T00005.htm

《平城遷都1300年記念事業協会の林洋事務局長が記念講演し、同祭について「せんとくんへの批判や寄付協賛の確保など、(当初は開催が)不安視されたが、大きな事故もなく、予想をはるかに上回る363万人強の人が訪れ、成功だったといえる」と振り返った》。


こちらは奈良市役所の「チーム八重櫻」(全4枚。11/7)

《奈良文化財研究所の田辺征夫所長は「1300年祭の裏には、150年の研究と保存の歴史がある」と、明治時代に平城宮跡の保存運動に取り組んだ棚田嘉十郎らの活躍などを紹介。「成功は、ボランティアらの支えがあってこそ」と締めくくった》。

同大会を報じた朝日新聞(11/21付奈良版)は《林氏は、同祭の全国への経済波及効果が2千億円以上とする開幕前の試算と、平城宮跡に想定以上の来場者があったことを説明し、「文化という切り口で多大な経済効果がもたらせることを示すことができた」と総括。「本物の歴史を見ていただけた。その拠点となった平城宮跡の意義は大きい」と分析した》。
http://mytown.asahi.com/areanews/nara/OSK201011200163.html



《田辺氏は平城宮跡保存運動の歴史を振り返った上で、「大極殿の復元が、(平城宮跡に)360万人もの人が来たことへのインパクトとなったことは間違いない」と強調。平城宮跡について「歴史公園として、多様な活用をどう実現していくかのモデルケースとしての役割を担っている」と述べた》。



宮跡会場のイベント(平城宮跡事業)は、従来の博覧会や祭典にはない、特異なスタイルで大成功を収めた。従来のアニバーサリー・イベントは「ニセもの(人工の作り物)、ハコもの(パビリオン)、見せもの(有料の興行)」が中心だった。



宮跡会場は奈良時代のホンモノの皇居(平城宮)の跡地で、今もお宝が眠っていて「地下の正倉院」といわれている。1300年祭に合わせて建てられたハコものは、復原された大極殿のほかは、いずれも小規模な平城京歴史館となりきり体験館くらいのものだった。有料の見せもの(興行)はごくわずかで、ほとんどは仮設舞台(まほろばステージ)で演じられる無料のステージイベントだった。そもそも会場への入場料はおろか、駅や郊外駐車場からのシャトルバスも、会場内を周遊するハートフルトラム・カートも、すべて無料だった。


最終日のフードコートは、ご覧のとおり満杯だった(11/7)

ニセもの・ハコもの・見せものを否定したこのスタイルは、巨額の建設費を投じなくてすむし、来場者に媚びる必要もない。何より、環境にやさしい(循環型社会に適合する)。今後の博覧会やアニバーサリー・イベントの方向性を示唆するものではないだろうか。


私とコンビを組んだ日の、Kさんのツアーガイド(全2枚。10/30)

とりわけ好評だったのはボランティアガイドによる平城宮跡探訪ツアーで、約160人が会場内の見どころを案内した(私も末席を汚した)。ほとんどが「奈良まほろばソムリエ検定」のソムリエまたは奈良通1級の合格者、または宮跡などでのボランティアガイド経験者だった。探訪ツアー(セルフガイドシステムの貸出を含む)の利用者は、約6万8千人に上った。ガイドツアーは、1.5時間コースが1人300円、2.5時間コースが500円と、格安料金で利用できたが、それは、交通費(上限千円)とスタッフ弁当を支給されるだけのボランティアガイドによって運営が支えられていたからである。



ガイドツアーについて毎日新聞(11/9付奈良版)は《充実感でいっぱい ボランティアガイド存続検討》の見出しで、《特に好評だったボランティアガイドについて、平城遷都1300年記念事業協会は存続させる方向で検討している。夏場を除く期間中、毎日8回行われたガイドツアーでは、約160人のボランティアが大極殿や朱雀門、遣唐使船などの見どころを案内した。奈良の歴史に精通したガイドたちが活躍する機会は今後もありそうだ》と報じた。
http://mainichi.jp/area/nara/news/20101109ddlk29040568000c.html


奈文研による解説ボランティア登録説明会。私は登録しなかった(11/13)

奈良新聞(11/21付)は、論説「金曜時評」で振り返った。執筆されたのは、論説委員の小久保忠弘氏である。《シンボルとして復元された第一次大極殿が威容を誇る平城宮跡は、これまで奈良市民にとってただの広場でしかなかった空間が意味のある物になり、新たなエピソードを伝える「うつわ」としての機能が吹き込まれたことの意味は大きい》。
http://www.nara-np.co.jp/20101112100157.html

《そこは、本物の歴史の現場が時空を超えて存在するという全国にも希有(けう)な場所である。特別史跡に指定され、世界遺産に登録されているゆえんも、東アジアの古代都市の中でも宮殿の遺跡と都に計画的に建設された木造建築群によって当時の姿を伝えている例として他にないからだ。その場所をイベントに利用してしまうという今回の仕掛けを設計し、構築し、運営・展開して成功に導いた関係者の労はおおいにたたえられるべきであろう。21世紀にも耐え得る大事業だったといえよう》。


説明会のあとは198日間を振り返る会。挨拶されるのは
田中敏彦さん(平城遷都1300年記念事業協会 事務局副局長)

《それは単に360万人という予想を上回る来場者の数だけではない。古代史の素顔に触れたいと願う、はっきりした目的意識を持った人たちが、何一つ享楽的施設のない会場を黙々と歩いていたという事実が重い。イベント好きの国民が、他に競合する場所がないから奈良にやってきたという消極的理由を挙げる向きもあるが、むしろ現在の政治、経済、社会の各分野で行き詰まり感が広がる中で、古都奈良の持ち続ける落ち着き感と宗教的情操感が評価されたと言えるのではないか》。


ガイドツアーをご担当いただいたスタッフの皆さん
長い間お世話になりました、有難うございました!

《それを維持し、今日まで伝えてきたからこそ「我が国の古くから伝わる文化を守り育ててきた奈良の人々の幸せを祈る」という天皇陛下のお言葉に結実したのであろう》《それにしても安直なパビリオンなど造らなくて本当に良かった》《県民に身近にあるものの文化的価値を再認識させたという点でも、1300年祭の意義があった》。

天皇陛下のお言葉とは、10/8(金)、第一次大極殿前庭で催された「平城遷都1300年記念祝典」でおっしゃったものである。後半部分を宮内庁のHPから引用すると《万葉集の中に,平城京のことを小野老(おののおゆ)が「青丹よし奈良の都は咲く花の匂ふがごとく今盛りなり」と詠んでいますが,復元された第一次大極殿を見るとき,かつての平城京のたたずまいに思いを深くするのであります》。
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/okotoba/okotoba-h22e.html#D1008


天平美人たち(撮影に応じてくれるボランティア)。暑い夏の間も、この衣装で待機されていたのはご立派!(9/11)

《平城京について私は父祖の地としての深いゆかりを感じています。そして,平城京に在位した光仁天皇と結ばれ,次の桓武天皇の生母となった高野新笠(たかののにいがさ)は続日本紀によれば百済の武寧王(ぶねいおう)を始祖とする渡来人の子孫とされています。我が国には奈良時代以前から百済を始め,多くの国から渡来人が移住し,我が国の文化や技術の発展に大きく寄与してきました。仏教が最初に伝えられたのは百済からでしたし,今日も我が国の人々に読まれている論語も百済の渡来人が持ち来ったものでした》。

《さらに遣唐使の派遣は,我が国の人々が唐の文化にじかに触れる機会を与え,多くの書籍を含む唐の文物が我が国にもたらされました。しかし遣唐使の乗った船の遭難は多く,このような危険を冒して我が国のために力を尽くした人々によって,我が国の様々な分野の発展がもたらされたことに思いを致すとき,深い感慨を覚えます》。


平城遷都1300年記念祝典(10/8)。トップ写真と次の写真も

《平城京は,都が長岡京,続いて平安京に遷都された後,市街地とならなかったことから,発掘が可能であり,長年にわたって調査が行われてきました。近年の発掘調査の大きな成果は大量の木簡の発見であると聞いています。今日,遺跡や出土遺物に対する保存や調査の技術は著しく進歩しています。研究が進み,平城京の歴史がますます解明されていくことを期待しています。ここに,この地域の保存,調査研究に尽力された関係者,また復元のために尽力された関係者に深く敬意を表します。終わりに,遷都1300年をことほぐとともに,我が国の古くから伝わる文化を守り育ててきた奈良の人々の幸せを祈って,お祝いの言葉といたします》。

お言葉の締めくくり、《古くから伝わる文化を守り育ててきた奈良の人々の幸せを祈って,お祝いの言葉といたします》というくだりは、現場で聞いていて目頭が熱くなった。北浦定政(さだまさ)、関野貞(ただし)、棚田嘉十郎の各氏はもとより、「開発と保存」というジレンマに悩まされつつ、この地を守ってきた地元民の粘り強い努力を分かっていて下さったのだな、と感じたからである。陛下が地元民にねぎらいの言葉をおっしゃるとは、異例中の異例ではないか。



しかし一方で、今回の成功に難癖(なんくせ)をつける報道があったのは、残念である。朝日新聞(11/8付奈良版)は、大見出しで《感激フィナーレ 名残惜しみ6万人》としながら、小見出しで《「巡回の仕掛け弱い」》とした。《「成功」のうちに幕を閉じた主会場だが、一部の観光関係者からは不満の声も聞こえる》として、ならまちの「奈良町情報館」が《昨年と今年5月の連休期間中(2~5日)で比べると、昨年は4344人、今年は2784人と3割以上落ち込んだ》と書く。この数字も関係者のコメントも、同紙奈良版が5/7に報じた記事内容の焼き直しである。
※同時進行!平城遷都1300年(22)春季フェアを振り返る(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/cb03710eac43d4b32d785f566b9737a9


11/7のファイナルステージ。tsujikenさんからいただいた(全3枚)

記憶をさかのぼっていただきたい。昨年(09年)のゴールデンウィーク(GW)は、阪神なんば線が09年3月20日に開業して、初めて迎えた大型連休だった。ならまちは神戸からの観光客でごった返していて、関係者によると「この時期、ならまちはバブルだった」。08年GWに比べて、09年GWの来訪者は5割程度増えたのだという。

特殊要因によるバブルの時期と比べて、10年GWは「3割以上落ち込んだ」と書くのは詭弁である。電卓を叩くとすぐ分かることだが、以上を数式で表すと
08年GW:09年GW:10年GW=1:1.5:1.05
となる。つまり特殊要因のない平年(08年)と10年とを比べると、ちゃんと5%増えている。

しかも、読売新聞(5/25付奈良版)によると《「奈良町情報館」では、4月24日~5月23日までの来館者数が前年同期比で約1割減の9961人》と、1か月の間では(3割減ではなく)1割減にとどまっている。(1週間ほどの誤差があるが)もういちど数式で表すと、
08年5月:09年5月:10年5月=1:1.5:1.35
となる。つまり、平年(08年)と比べると、10年は35%も増えている。これは立派なものだ。半年前の記事を引き写す前に、ライバル紙をちゃんとチェックし、情報をアップデートしてから載せるべきではないか。毎日の来館者数をカウントしている奈良町情報館に照会すれば、そんな半年前の数字ではなく、直近の数字も判明するだろう。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/c007a87e571cc53e5fd7268d14fd2018



しかも朝日新聞(11/8付奈良版)では《奈良市柳生町の「旧柳生藩家老屋敷」では来場者が1割ほど減った。柳生観光協会の岡田洋事務局長(62)は「いい影響を期待したのに、増えるどころか減ってしまった」と肩を落とす》としているが、昨年(09年)の5~10月の来場者はわずか8,602人、1日に直すと46.75人である。だから1割減といっても、たかだか1日5人弱である。こんな規模の小さい施設(1日46.75人)と宮跡会場(1日1万8千人)とを比べるのにはムリがあるし、実数(5人弱)でなく比率(1割減)で示すところに、作為を感じる。
http://narashikanko.jp/j/data/irekomi/h21/irekomi_21.pdf

そもそも柳生を訪ねる人は、たいていマイカーで訪ねる。バスで訪ねる人は、ほとんどがハイキング客で、1日かけて柳生を回る人たちだ。JR・近鉄奈良駅~柳生間のバスの便は、1日5本しかないし、片道50分もかかる。宮跡会場に来るほとんどの個人観光客は、(マイカーではなく)鉄道とシャトルバスで来場する。宮跡会場で半日過ごしたあとシャトルバスで駅まで戻り、そこでバスを乗り継いで柳生に行き、柳生の観光地を回るというのは物理的にムリだ。私だって相談されれば止めるだろう。奈良時代の宮跡と江戸時代の剣豪の里とは、歴史的に直結するわけではないし、柳生観光協会が直通バスを出してくれるわけでもない。

同紙の論調に従えば、「大きな祭典があれば、自動的に周辺観光地が潤うようにすべきだ」と主張しているように読み取れる。しかしこれは(同紙がこれまで叩いてきた)「大仏商法」の発想そのものではないか。



同紙では、奈良県立大学教授の《1300年祭を「ぎりぎり合格の60点」と評価する。県南部への波及効果は「イベントだけでは難しい。住民が一体となった時間をかけた取り組みが必要」と指摘する》というコメントを載せている。まだお祭りが終わっていない時点で1300年祭全体を点数で評価させるのは、早計に過ぎる。第一、「奈良まほろばソムリエ検定」では、60点だと不合格だ(70点で合格)。教授のコメントには40点もの減点の根拠も示されず、「時間をかけた取り組みが必要」とのコメントも、誰に対して具体的にどうせよと「指摘」しているのか、曖昧模糊としている。

ともあれ、宮跡会場が大成功裡にフィナーレを迎えたのは、めでたいことである。1988年のなら・シルクロード博では、巨額の赤字と、パビリオンを取り壊したあとの瓦礫の山が残ったが、今回はどちらも回避できそうである。あと1か月と1週間、関係者の方には気の抜けない緊張の日々が続くが、ぜひこれを乗り切っていただき、今世紀の「アニバーサリー・イベントの新しいスタイル」を、古都奈良から全国に発信していただきたい。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Tpoic 「暮らしの道具」デザインコンペ、12/3締切!

2010年11月22日 | お知らせ
奈良県(農林部林政課)は、吉野材を使った暮らしの道具のデザインを募集している。奈良経済新聞(11/4付)によると《吉野材の魅力引き出して-奈良県が賞金100万円のデザインコンペ》《奈良県は、吉野材の魅力を再発信しようと吉野産のスギ・ヒノキを利用した「暮らしの道具」のデザインコンペを実施する》。
http://nara.keizai.biz/headline/498/
 
《ハートツリー(東京都千代田区)が奈良県から受託し、南都銀行と同行が吉野の林業の活性化や森林保全を目的にCSRの一環として支援を行っている「Yoshino Heatプロジェクト」の協力で行うもの。同行は、これまでに「せんとくん」のイラストが描かれたはし袋の配布や、吉野の間伐材チップを活用した紙を冊子やポスターなどに利用するなど吉野材の PRを行い、割りばしや紙の需要開拓に成功した。今回は、最優秀賞の賞金100万円と数人の優秀賞に振り分けられる60万円を提供する》。
※Yoshino Heat(吉野ハート)プロジェクトとは(奈良新聞の記事)
http://www.nara-np.co.jp/special/yoshinoheart/

《吉野材は年輪幅が細かく無節で強度が高いなどの特徴があるといわれ、デザインでは吉野材の特徴を生かし、吉野材や奈良県の精神的背景が感じられるものを求めている。選考は、1次・2次審査で10点ほどに絞り、実際に作品を製作して来年3月中旬に最終審査を行う。作品は、「量産が可能なもので未発表作品に限り、市場性のあるもの」としている。入賞作品は商品化を予定する。応募方法は、ハートツリーのホームページで確認できる。応募締め切りは12月3日》。
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-21993.htm

まずはデザイン画・設計図などで応募し(書類審査)、2次選考に残ったものは現物を制作(制作費実費相当額で主催者側が買取り)して最終決定、という手順である。賞金の160万円は、南都銀行がCSR(企業の社会的責任)の一環として拠出する。
※南都銀行のニュースリリース(PDF形式)
http://www.nantobank.co.jp/news/pdf/news1010221.pdf

わざわざ県が乗り出してこのようなコンペを実視する背景には、《日本は先進国の中で有数の森林国でありながら、その豊富な森林資源を有効に活用できていないのが現状です。全国的に知られた「吉野杉」や「吉野桧」などの銘木ブランドを有する奈良県においても、住宅建築様式の変化等により、これらの「吉野材」が建築に用いられるケースが減少し、林業の生産活動が年々減退の一途をたどっています》(ハートツリー社のHP)という深刻な背景がある。銘木が育っているのに、伐採・活用されていない。だから森林が高齢化して弱ってくる。
※ハートツリー株式会社の同コンペサイト
http://heart-tree.com/kurashi/index.html

よく「奈良にはブランドがない」「何か奈良のブランドを育てなければいけない」という話を聞くが、「吉野杉」「吉野ヒノキ」は、立派な全国ブランドとして確立している。だから「吉野材のブランドイメージを再発信したい」というこのコンペには、大きな意義がある。ぜひ、全国からご応募いただきたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈良ひとまち大学

2010年11月21日 | 奈良にこだわる
「奈良ひとまち大学」をご存じだろうか。奈良市長・仲川元庸氏のブログによると《県外への流出傾向が続く、20代~30代を主な対象に、奈良で魅力的な"人"に出会い、"まち"の文化・自然・モノに触れることで、自分たちの住む奈良の素晴らしさ・魅力を再発見する場として、「奈良ひとまち大学」を開校します。9月5日の開校式以降、街全体をキャンパスに、毎月多様な学びの場を創出し、若者が元気な街をめざします》とある。
http://www.nakagawagen.net/blog/2010/08/post-95.php

奈良市に在住・在勤・在学の主に20代~30代を対象とした講座で、運営は財団法人奈良市生涯学習財団である。これまでに登場された講師の顔ぶれは、映画監督の戸田彬弘(あきひろ)さん、平城人(ならびと)代表の田辺秀行さん、ミス奈良の北川紗和子(さわこ)さん、人力車俥夫の谷内秀康さん、奈良の鹿愛護会事務局長の池田佐知子さん、薬師寺録事の安田奘基(じょうき)さん、中川政七商店社長の中川淳さんなど、多士済々である。原則として、毎月第4土曜日(または第4日曜日)の開催で、受講料は無料(拝観料、材料費等は自己負担)だという。

これまで「イケメン鹿の恋愛事情を探る!」「ミス奈良のゆるふわ奈良案内」「薬師寺ここだけの話」「人力車で見えてくる奈良の風景」などの講座が開催された。現在募集中の講座は、いずれも12月26日(日)開催の「田原地区の伝統、千本餅つき」(10:00~12:00)、「奈良の鹿の歴史講座」(14:00~15:30)、「その昔、宗教は家庭の常備薬だった!?(海龍王寺)」(15:00~17:00)など。HPまたは往復はがきで申し込む。
※奈良ひとまち大学の公式ホームページ
http://nhmu.jp/

「主に20代~30代」というところで引っ掛からなければ、ぜひ私も参加してみたい講座の数々である。これまで「奈良しみんだより」やタウン誌などでPRされていたそうだが、先日、同財団スタッフのかっぱさんから教えてもらうまで、全く知らなかった。
※奈良ひとまち大学の公式ブログ
http://nhmu.jp/blog/

奈良市に在住・在勤・在学する20代~30代の人たちが奈良の魅力を再発見し、奈良を好きになることで、もっと奈良を元気にしようという「奈良ひとまち大学」のコンセプトには大賛成だ。20代~30代の皆さん、ぜひお申し込みいただきたい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なら産彩オムライス

2010年11月19日 | グルメガイド
「ミニなら」という県のメルマガをご存じだろうか。県のサイトによると《奈良県携帯版メールマガジンの発行です。あした・あさってのイチオシイベント情報やおすすめスポット、奈良の小話などをお届けします。退屈させませんよ!》《このメルマガは、広報広聴課若手の7人衆がお届けします。メンバーは、ネコマタ・ゴテツ・サリー・ぽこりん・サザエさん・カツオ・五分刈りです。ヨロシクお願いします》というものだ。
http://www.pref.nara.jp/koho/nara-merumaga/mininara/

私は早くから読者登録をしていて、県下の情報をチェックしている。昨日(11/18)の午後3時、「ミニならvol.459」が届いた。タイトルは「県庁食堂でオムライス!」だ。《県庁食堂オリジナルメニュー第2弾「なら産彩(さんさい)オムライス」はもう食べた?☆特徴は、トッピングになんと、奈良漬けと下北春まな漬けがのっていること!大根おろしとめんつゆでいただきます》。



《「オムライスに奈良漬け・・・?」と思う人もいるかもしれないけど、食わず嫌いせず食べてみて。意外と合っておいしいのだ☆食材は県産にこだわっている。卵・大和肉鶏・下北春まなに、ブナシメジ・エリンギ・タマネギ・大根・にんじん・・・お米も県産ヒノヒカリを使っているよ。値段は680円(単品)。1日限定20食。11:30~売り切れ次第終了☆ ちなみに県庁メニュー第1弾は「大和肉鶏親子丼」(700円・1日限定20食)ぜひ試してみて!☆(問)県総務厚生センター TEL 0742-27-8352 ♪ぽこりん》。



「なら産彩オムライス」は10/18から提供されている。私もチャレンジしたが、1度目は売り切れだった。で、2度目(10/28)は、食堂(県職員互助会食堂)開店時間の10分前(11:20)に到着したが、すでにこんな行列ができていた。何しろ「限定20食」なので、自販機にたどり着くまではドキドキものだったが、何とか食券を手にすることができた。
http://www3.pref.nara.jp/hodo/dd.aspx?itemid=35728

カウンターで整理券をもらい、待ち時間10分以内でオムライスにありつくことができた。見ていると、オムライスはあらかじめ作って保温してあり、トッピングだけをその場でやっている。それでもオムライスはホカホカだった。
http://www.pref.nara.jp/secure/54523/Taro-hodo.pdf


開店から20分後(11:50)には、オムライスも親子丼も売り切れだった
(右下のボタンのところに、×印がついている)

トップ写真向かって左のミルクピッチャーに入っているのが和風ソース(めんつゆ)で、これをかけていただく。ご飯には大和肉鶏をはじめ、キノコ類、タマネギ、大根などがたくさん入っている。トッピングの奈良漬も下北春まな漬も大根おろしも、これらとよく合って、とても美味しい。普通、オムライスの場合は野菜サラダなどを添えるが、「なら産彩オムライス」の場合は、具に野菜をたくさん使っているので、その必要もない。とてもよく考えられた「地場食材たっぷりのヘルシー和風オムライス」である。


こちらは07年11月22日に撮影

第1弾の「大和肉鶏親子丼」も、相変わらずスゴい人気だ。今月(11月)のウチの社員食堂の地場産丼メニューは「大和肉鶏のふわふわ親子丼」だが、これは県庁食堂の方に軍配が上がる。鶏肉が多いし、味付けも良い。ミツバが、良いアクセントになっている。
※大和肉鶏親子丼(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/974d964d1d5284d21edeebec2e3ace99

「なら産彩オムライス」も「大和肉鶏親子丼」も、ご覧のような人気なので、チャレンジされる方は、ぜひ11:30より早めに到着して、少し並んでいただきたい。並ぶだけの値打ちのあるメニューである。

県総務厚生センターさん、互助会食堂さん、ごちそうさまでした。第3弾も、期待しています!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする