tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

祈りの回廊フォーラム、11/20(日)開催!(2011Topic)

2011年09月17日 | お知らせ
空海 人生の言葉
川辺秀美
ディスカヴァー・トゥエンティワン

11月20日(日)、空海と奈良・吉野をテーマとした「祈りの回廊フォーラム」が奈良県文化会館で開催される。参加は無料で、FAXまたは往復はがきで申し込む。以下、県のHP(報道資料)から抜粋する。

「祈りの回廊」フォーラムの参加者を募集!


若き弘法大師(空海)が奈良で学び、吉野で山岳修行したことに触れながら、日本の精神文化に誇りを持つことの大切さや、心の豊かさ、価値観などについて考えるフォーラムを、下記のとおり開催するにあたり、参加者を募集します。

1.日時:平成23年11月20日(日) 14:30~17:00 (開場 14:00)
2.場所:奈良県文化会館国際ホール  奈良市登大路町6-2
3.主催:巡る奈良実行委員会、奈良県、奈良県ビジターズビューロー
4.内容:
○基調講演「空海を育てた奈良・吉野」
 (講 師) 高野山真言宗総本山金剛峯寺 村上 保壽 教学部長
○座談会
 (登壇者) 大 安 寺 河野良文 貫主   東 大 寺 平岡昇修 財務執事
       金峯山寺 田中利典 執行長  室 生 寺 網代裕康 副住職
5.申し込み方法
募集人数1300人(先着順)参加費無料
往復ハガキの返信面に宛名を記入のうえ、「祈りの回廊」フォーラム希望と、代表者の住所・氏名、参加者希望人数(3人まで可)を記入し、下記事務局まで。(FAXでの申し込みも可) 後日、参加券を郵送またはFAXにて送信します。


空海といえば高野山や東寺ということで、吉野で修行したことや、奈良のお寺とゆかりがあることは、あまり知られていない。2015年(平成27年)には「高野山開創1200年記念大法会」も開かれる。今回のフォーラムは「空海と奈良」を学ぶ絶好の機会である。ぜひお申し込みいただきたい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハナばあちゃん!!(大館・北秋田発映画)

2011年09月16日 | 日々是雑感
大館市や北秋田市を舞台にした映画「ハナばあちゃん!!~わたしのヤマのカミサマ~」(125分)をDVDで鑑賞した。この映画は、いわば「地域資源探しドラマ」である。この映画を知ったきっかけは、おおだて映像計画有限責任事業組合代表の日景賢悟氏からのコメントだった。同氏が立ち上げた「AKITA DINING なまはげ 」という店を紹介した「観光地奈良の勝ち残り戦略(48)」という当ブログ記事に、こんなコメントをいただいたのだ。
※トップ画像は、同映画のホームページから拝借

《なまはげ銀座店をご紹介いただき感謝申し上げます。私の友人からの情報でこの記事を知りました。本年5月より銀座にもう一店「なまはげ別邸」をOPENいたしました。コンセプトを変え、こちらはなまはげショーはなく、落ち着いた大人の雰囲気で秋田料理を楽しめます。是非一度こちらにもご来店ください》。これは食指が動く、ぜひお邪魔しなければ…。

《また、別の取り組みとして地域活性化を目的とした映画を製作しました。タイトルは「ハナばあちゃん!! わたしのヤマのカミサマ」。詳しくはホームページをご覧ください。「ハナばあちゃん」で検索していただければ幸いです。日景より》。当事者ご本人からこんなコメントをいただけるところが、ブログという双方向メディアの良いところである。その後、何度かのメールを交換経て、私はAmazonで「ハナばあちゃん!!」のDVDを買い求め、鑑賞した。

これは、笑いあり涙ありの心温まるドラマであった。決して予定調和的に話が進むのではなく、いろんなハプニングが起き、障害にぶつかって、行きつ戻りつしながら結末を迎える。映画に映し出された大館や北秋田の自然は素晴らしいし、たくさんの地元エキストラが手作りのいい味を出している。

ハナばあちゃん [DVD]
杉村和彦
おおだて映像計画有限責任事業組合

この映画の「作品情報」には《住む人も来る人も、大館・北秋田が良い所であるということを口にする反面、「何もない」とも言う。では私たちの住むこの場所の良さとは何なのか?》《自分たちの住む場所への愛着と感謝が無ければ人々は離れ、次第に地域の活力は失われます。しかし「幸せの青い鳥」を外に求めている間は、彷徨い続けるだけかもしれません。私たちは見慣れた風景や自然、周囲からの支えをつい「当たり前」と思ってしまいがちです。「何もない」と感じたら心が乾いている証拠。本当に何もないのか内面に問いかけ、「何か」の存在に気がついてほしいと思います》。

元気のない地域の人は「ここには何もない」という。しかし元気な地域の人は「ここも見てほしい、あそこも見てほしい」というものである。地域住民が地域に愛情と感謝の念を持つことが、地域を元気にする第1歩である。元気のない地域には、観光客も来ない。私も先日、「観光は、地元の元気のおこぼれ」と書いたばかりである。おおだて映像計画がそのことに気づき、ヨソ者の視点を取り入れてこの映画を作った慧眼には、敬意を表する。それにしても、そんな思いを125分もの映画に仕立て上げるご苦労は、並大抵ではなかっただろう。

そんな労作は、新聞でもたくさん取り上げられた。朝日新聞(2/12付)の見出しは「大館・北秋田舞台 ふる里の映画完成 きょうから県内で上映」だ。《地元の若手経営者らが「大館・北秋田の素晴らしさ、優しさを伝えよう」との願いを込めて制作したコミュニティードラマ。12日から一般上映が始まる。映画は大館市内の喫茶店が主な舞台だ。店のにぎわいを取り戻そうと努力する人々の姿を追いながら、人と人とのつながりの大切さや地域の持つ力の素晴らしさを、美しい風景や風物とともに描く》。

映画のレビューは北鹿(ほくろく)新聞(2/20)に詳しい。《スクリーンに映る映像で印象的なのはまず、山河の清らかさや神々しさ。「大館北秋田の空気感を伝えたい」という制作側の思いが随所ににじむ。神社の杉木立に光が差し込む場面や、青空と緑の水田の中を行く内陸線(秋田内陸縦貫鉄道)など、何気ない身近な風景が新鮮なイメージで目に飛び込んできた》。

《人間ドラマも味わい深い。コミカルな地元の人たちの陰にある悩み。都会で傷つき大館にやってきた人たち。ドタバタとにぎやかに交流し引かれ合いながら、それぞれの課題に向き合っていく。鑑賞した市民が「大館の人の温かさ」を再認識したと話した。笑えて泣けるストーリーと、地元の風景の奥深さをとらえた内容に、胸がジーンとなった》。

ロケ地も注目を集めている。北鹿新聞(8/7付)の見出しは「映画ロケ地に脚光 松峯神社 問い合わせ続々、来訪も」。《ロケ地の1つとなった大館市の松峯神社が脚光を浴びている。神社へ続く160の石段。樹齢300年以上の杉が並ぶ荘厳な雰囲気に「こんな場所があったのか」「どこにあるの」と問い合わせが相次ぎ、現地を訪れる人も増加。関係者は「地域の良さが見直されてきた」と手応えを感じている》。

「大館・北秋田には、本当に何もないのか」という自問自答から始まったこのプロジェクトは、見事に花開いた。さて、次は奈良県の番である。以前私は「県民は、奈良県が嫌い?」というブログ記事などで、奈良県民の愛郷心の低さを指摘した。これこそ「心が乾いている証拠」ではないか。

奈良県を知ることが、奈良県を好きになる前提条件である。県民の皆さんはこの秋、ガイドブックを片手に、ぜひ県下のあちこちを訪ね歩いていただきたいと思う。

日景さん、素晴らしい映画を有難うございました!
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

華倭里行燈(かわりあんどん)by カキモト

2011年09月15日 | 奈良にこだわる
株式会社カキモト(生駒郡三郷町立野北2丁目19-8)の「華倭里(かわり)行燈」をご存じだろうか。奈良新聞(9/10付)の「暮らしの中の奈良ブランド」で詳しく紹介されている。筆者はインダストリアルデザイナーの北井勲氏である。タイトルは「伝承の技術を今に融合 暗闇の中の情緒性」だ。
※トップ写真は同社ホームページから拝借

《奈良・春日大社には古くから境内を彩る万燈籠が数多く並んでいる。人々の祈りと、癒しと、和らぎの光を与え続けている。現代社会は日本全国何処へ行っても暗闇が無いほど、過剰に光が満ちあふれる“24時間社会”である》。

《煌々(こうこう)と輝き満ちあふれる光が豊かさの証しみたいに言われるが、真の豊かさはそうでは無いのである。心の豊かさは暗闇を持つ事により、より深みを増して行くものであり、ほの暗い空間の中で、心を落ち着かせるための明かりの存在感は一層増して行く。自身を取り戻すために闇の中の明、闇の中の情緒性が不可欠であり、この華倭里行燈(かわりあんどん)の命とも言える》。

《明治40年から受け継いだモノ作り職人たちの卓越した加工技術力、最新のレーザー加工による細密な表現、次世代のLED光源。国内部材を使用したこだわりと癒しを追求する中で、この灯(あか)りは生まれ現代の空間の豊かな暮らしの演出者となり、更に新たな空間の創造と心を育むものとなる》。

※9/28追記 同社の華倭里行燈のことが、産経新聞(9/27付)に紹介された。


自己紹介タイムに華倭里行燈を手にされる同社の垣本麻希さん(9/10撮影)。このサイズで19,000円~25,000円程度

奈良新聞掲載当日の9/10に開催された「第2回 なら観光ビジネスカレッジ(斑鳩・信貴)」に出席したとき、同社金属工芸部リーダーの垣本麻希さんが参加されていて、自己紹介の時間に「華倭里行燈」を紹介された。細工はとても精密だし、LED光源はろうそくのようにゆらゆらと揺れる。奈良のイメージがうまく表現され、春日万燈籠や大仏殿前の八角燈籠を連想した。

早くに、八木芳昭氏(八木経営システム代表)が、ブログ「小さな会社の明るい経営相談広場」で詳しく紹介されている。記事タイトルは「奈良県・株式会社カキモト…巧みの技とレーザー加工を駆使した金属工芸品…」である。全文を引用する。《09年)11月5日・6日の両日、マイドーム大阪で開催された「第31回事業化交流マッチング総合展2009」に、ジョイント・コーディネーターとして参加していた時、ひときわ注目を浴びているブースがあった。ブースには洒落た風情のある、癒しを感じる行灯やふりこ式の虎などの金属工芸品が並べられており、接客対応している方の様子も陽気で明るく、なんとなく明るく元気な社風を感じた。これらの工芸品は金属加工の熟練職人が高度の技と最新のレーザー加工技術を駆使してつくりあげたものだという》。



《この会社の名は、㈱カキモト。明治40年、農耕器具を製造する鍛冶屋として創業し、平成元年に法人化。主として板金加工、レーザー加工、研磨加工を主業務とし、鉄・ステンレス・アクリル・アルミ等の部材を使用した、産業機械部品、自動車部品、建築金物、製作金物などを製造している元気で頑張っておられる企業である。このような企業であるので、同社のことを更に知りたくて、先日、取材のための訪問をお願いしたところ、快く承諾頂き、訪問させて頂いた。同社は奈良県生駒郡三郷町にある。JRで天王寺駅から王寺駅の一つ手前の駅・三郷町で降り、龍田大社を目指して歩くと大社の境内の直ぐ近くの静かな佇まいの中に同社があった。龍田大社は日本書紀にも記載があり、風の神として古くから信仰を集めている大社だ》。


9/17追加。こちらは正倉院柄(鳳凰)で、格調高い作品に仕上がっている

《社長の垣本昌孝さんと管理部長で息子さんの垣本雅之さんにお話を伺う。同社も多くの中小企業と同様に、経済情勢の変化に伴う幾多の不況期を乗り超えて来たが、一貫してキャッシュフローを重視した経営を続けて来たという。好況時には着実に内部留保を確保し、不況時に備える。そして不況時こそ、何かを仕掛けるチャンスだと思い、幾多の不況を克服して来たという。昨年のリーマンショックに始まる今回の不況においても、兵糧米(内部留保)がある程度あったので、人員削減などを一切せず、皆でこの不況を知恵を出して乗り切ろうと皆の気持ちを一つにすることを心がけたという》。


※同社ホームページより

《今年の始めには、本業の注文が激減。仕事で暇になる状態の中、何か新事業を興そうと思い立ったのが、インテリア金属工芸品である。そして営業、技術を含め、社員全員でアイデアを出し始めたという。因みに社員の内、女性の占める割合は、ほぼ半数だ。女性の感性もこれらの工芸品の出来映えに大きく反映されている様に感じた。そうすると次から次へとアイデアが出始めたという。そして現在製品化されている“ふりとらくん”(ふりこ式の虎)や風情溢れた行灯などの工芸品の製作が始まった。“ふりとらくん”は近くの信貴山に縁のあるもので来年の干支にあたることもあり採用。行灯については、皆の総意で決定し、奈良にある企業としての特徴を出そうということで大和の名所や古社寺などの情景を図柄として採り入れた。アイデアさえ出れば、あとはアイデアを形にする金属加工の技とレーザー加工によるものづくりは同社のお手のものであった》。

《垣本さんは、次の様に言われる。--このように皆でアイデアを出し合って工夫するというようなことは今までなかった。しかも、デザインを専門家に考えてもらうこともなく、自然に皆の潜在能力が発揮されて、自分達だけで立派な作品をできたということの意味は大きい-- 販路の開拓は、信貴山にある旅館に、土産品として、“ふりとらくん”を置かしてもらったことなどで、地元の情報誌「naranto」や「ぱ~ぷる」などの目に触れ、記事として採りあげられたこともあり、同社の工芸品の評判は広がった。近く姫路の山陽百貨店で特別出店の予定もある。最後に、同社の地域社会への係わり合いについて記しておきたい。同社では近隣の龍田大社で催される秋季大祭で使用する山車の台車の製作や修理をおこなったり、地元の小学校からの工場見学受入などを実施し、地域への貢献にも注力している》。

金属工芸部長の垣本雅之さんは、ふりとらブログというオフィシャルブログも作られている。昨年の平城遷都1300年祭「光と灯りのフェア」で行われた「光の作品展」では、オリジナルの華倭里行燈が入賞されたそうだ。同ブログには《自分が生まれ育った奈良、奈良県民だけに濃~い歴史の授業の中で教えてもらったこと、毎日奈良交通でバス通学し大好きだった車窓からの奈良市内の眺めなどなど 奈良で生きてきた、勉強できたありがたさを全身全霊でこの作品にそそぎこむことにしました》と書かれている。

9/10のセミナーの合間のお昼休み時間、斑鳩町観光協会の「法隆寺iセンター」にふらりと立ち寄ったところ、ちゃんと華倭里行燈が2つ、いい感じでウインドーに並んでいた。耐久性のあるシッカリしたものなので、旅館で各部屋の名前を入れて標示にしたり、日本料理店のインテリアにするのも良いだろう。氏名を入れてお寺や神社に奉納する、ということもできる。軒先にずらりと華倭里行燈が並び、祭事のときだけスイッチを入れれば、良い雰囲気が出る。どこかの社寺で、企画されないものだろうか。

八木氏のブログにあったように、「不況時こそ、何かを仕掛けるチャンス」ととらえ、女性の声などを商品開発に活かしたというポジティブ思考がいい。「アイデアさえ出れば、あとはアイデアを形にする金属加工の技とレーザー加工によるものづくりは同社のお手のもの」なのだから。

信貴山麓の金属加工会社から生まれた大和のイメージ製品、大いにPRして全国に羽ばたいていただきたいものだ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第8回古社寺を歩こう会に、お申し込み有難うございました!

2011年09月14日 | 古社寺を歩こう会
10月1日(土)に開催予定の「神奈備の三輪山登拝と纏向遺跡」(第8回古社寺を歩こう会)に、たくさんのお申し込み、有難うございました。まだ若干変動していますが、51人の参加お申し込み(うち当ブログ読者は22人)、また懇親会には24人(同15人)のお申し込みをいただきました。当日の詳しいスケジュールは以下のとおりですので、ご確認ください。
※トップ写真は、大神神社拝殿(写真はいずれも8/7撮影)

1.日 時
11年10月1日(土)
開会式 JR三輪駅09:20(09:05受付開始)
解散式 JR巻向駅16:45頃
※雨天決行、荒天中止

2.コース(すべて徒歩・やや健脚向)
[午前の部]全員集合を確認して開会式、のち狭井神社へ。お祓いを受け、注意事項を確認、たすきを着用後、三輪山登拝(所要約3時間)。下山後(13:00頃)、大神神社・大礼記念館「昭和の間」へ。権禰宜・平岡昌彦氏からお話をいただいたあと、仕出し弁当の昼食。

[午後の部]昼食後、桜井市ボランティアガイドの会・中谷昌義氏および駒伸之氏の案内で大神神境内から上つ道を北上。織田藩陣屋跡(織田小学校)など芝の町並みを抜け、国津神社、ホケノ山古墳。のち箸墓古墳、壬申の乱「箸墓の戦い」跡地などを見学し、上つ道経由、JR巻向駅で16:50頃に解散式。卑弥呼の居館跡ともいわれる発掘現場周辺(すでに埋め戻されている)は駅ホームから眺める。

[懇親会(希望者のみ)]JR巻向駅17:01発で桜井駅(JR・近鉄)へ。駅構内の贔屓屋で飲食(飲み放題つき)。18:30解散、近鉄またはJRで帰途(JR桜井18:40発王寺行 など)。


ホケノ山古墳で復原されている木棺直葬の埋葬施設

3.列車ダイヤ(参考)
ゆ き JR奈良08:36発→三輪09:02着
     JR高田08:52発→三輪09:08着
かえり 巻向17:07→JR奈良17:31着
     巻向17:01→JR高田17:22着

4.注意事項
○台風など荒天の場合以外は三輪山登拝を挙行します。三輪山は急坂で、土も湿っていて滑りやすいため(特に下りが危険)、キャラバンシューズ、トレッキングシューズ、運動靴などを着用してください。杖は貸していただけますが、お持ちの方はご持参を。雨天時は、傘よりレインコートをお薦めします。なお三輪山では写真撮影禁止、水分補給以外の飲食は禁止です。
○古墳周辺は深い草むらのため、長袖、長ズボンの着用をお薦めします。日陰がないので、帽子も必携です。


倭迹迹日百襲姫命大市墓(やまとととひももそひめのみこと おおいちぼ)こと箸墓古墳

5.費用(お釣りの出ないよう、ご協力ください)
○参加費@2,500円(ご祈祷料、登拝料、昼食代、ガイド料、傷害保険料を含む)
○懇親会参加者は、別途@3,000円(女性は@2,500円)
○交通費は含んでいません

当日のスケジュールと注意事項は以上です。当初、三輪山登拝を2時間と見ていましたが、「団体の場合は3時間かかる」とのことで、昼食時間をズラしました。傷害保険はかけていますが、滑落しないよう慎重に歩いてください。午後の桜井市ボランティアガイドさんはお2人ともベテランですので、時間の許す限り、周辺の見どころを丁寧に案内していただけます。

古事記完成1300年を控え、記紀に由緒が登場する大神神社は、県下随一の「ゆかりの地」です。また巻向駅周辺は、墳頂から大和盆地が見渡せるホケノ山古墳、卑弥呼の墓ともいわれる箸墓古墳など、見どころがいっぱいです。どうぞ皆さん、お楽しみに。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

観光地奈良の勝ち残り戦略(52)観光は、地元の元気のおこぼれ

2011年09月12日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
9/10(土)、以前当ブログで紹介した刀根浩志氏(観光カリスマ、観光ビジネス総研代表)による「なら観光ビジネスカレッジ(斑鳩・信貴)」(第2回)に出席してきた。開催場所は斑鳩町役場地下会議室だった。全8回のスケジュールは、こちらに掲載されている(一部変更あり。詳細は℡で確認を)。8/22(月)にプレオープンしているので、9/10は2回目。しかし、本格的なスタートはこの日から、ということで、冒頭「オリエンテーション」の時間に受講者全員(約30人)の自己紹介が行われた。

主催が生駒郡商工会広域協議会(斑鳩町、平群町、三郷町、安堵町の各商工会で構成される)だったので、奈良市からの参加は私1人。ほとんどが上記4町と大和郡山市、河合町など周辺地域の住民で、「町の広報を見てきた」という人が大半だった。ホテル、百貨店、金属工芸品メーカー勤務の人、農家、NPO役員、外国人向けガイド、町職員など多士済々で、斑鳩町長の小城利重氏(斑鳩町観光協会会長)の姿もあった。

まる1日(9:30~16:30)の講義録はA4用紙10枚にビッシリとなったが、すべてを書いて刀根氏に迷惑がかかってはいけないので、私が聞いてピンときたところを抜粋し、なかでも要所は太字にした。この日は「総論」との位置づけで、演題は「講座1.観光ブランド戦略」、午前の部は「1-1 観光ビジネス概論」、午後の部は「1-2 体験交流型観光と地域振興」だった。


斑鳩町の小城町長。来賓ではなく、受講生として参加された

1.観光ビジネス概論
「人が来た」といって喜んでいてはいけない。「おカネを落としてもらう」ことが大切である。つまり「交流人口にモノを売る、食事を提供する」という発想だ。奈良で、観光客にマグロやイカの刺身を出してはいけない。それは単に料理人の自己満足だ。お客はそんな食材ではなく「奈良の食文化を食べたい」のである。

観光協会などは、よくガイドブックを作って観光客に渡す。「これを見て行ってきてください」というわけだが、私はこれを「放ったらかし観光」と呼んでいる。そうではなく「私と一緒に歩きましょう」という交流が大切だ。今回のセミナーも、一方通行ではいけない。自己紹介を拝聴し、ご参加の皆さんを足し合わせれば、立派な「ほんまもん体験」ができると感じた。大切なのは交流型観光を興そうという「思い」と「意図」である。

○斑鳩町も法隆寺があるから通過型観光客が多いと思うが、通過型では大しておカネは落ちない。ペット茶と菓子を買う程度。ペット茶を飲めばトイレに行く、その掃除は地元民がする、これでチャラになる。

○、明日香ニューツーリズム協議会は「飛鳥物語」という体験観光プランを開発した。 歴史文化、農林業、味覚、自然、伝統工芸・芸能、農家民泊の6つのプログラムを用意している南都経済センターのHPに、同センター主席研修員・丸尾尚史氏が詳しく紹介している)。9/21には、東京の杉並中学の生徒が訪れることになっている。いちごの作業体験や森林の間伐、飛鳥鍋づくりの体験をする。宿泊は、分かれて民家に泊まる。体験型観光では、それに携わる人材の育成が最も大切である。



○外国人観光客(インバウンド)は着実に増えていたが、震災で減り、それが戻ったところで円高でまた減った。国内客・外国人客あわせて、震災後の「自粛」では一時90%近いキャンセルが出た。景気や社会情勢に左右されない観光を作っていきたい。今夏、天川村、十津川村は2~3割増だった。京丹後市や香住町も増えた。しかし城崎や南紀白浜は減った。要は秘湯が増えたのである。

○ロンリー・プラネット(英語版『地球の歩き方』)には、「日本で道を聞くときは、男性に聞くな」「日本人は、英会話は完璧になるまでは話せないと思っている」。これは、外国人との交流に「見えない不安」があるということ。

時代は「癒し(いやし)」から「兆し(きざし)」へ。お客は「自分が変わった」という手応えを求めている。新しい自分に出会いたい、生まれ変わりたい、言い換えれば「心の器」を大きくしたい(刹那的な癒しは、映画を見れば済む)。

宿泊業は、地元農業を活性化する。観光経済新聞(08年6月7日付)によると《農林水産省はこのほど、「平成19年度 食料・農業・農村の動向」で、地域の旅館やホテルなどの宿泊関連産業が地元農産物の調達量を増やした場合、地域の農業生産額が押し上げられるとの試算を発表した。地域によっては4%超の増加率が見込めるところもあり、観光産業の農業に与える影響の大きさが分かった。宿泊施設が「地産地消」に積極的に取り組めば、地域農業の活性化の一助となりそうだ》。



ヨーロッパの「グリーンツーリズム」では、夏のバカンスのとき、長期間田舎に滞在する。おカネを払って働くので、「ワーキングホリデー」に近い。これは、自分の命を支えてくれる「農」に対してお礼にいく、という考えから来ており、一種の「食育」である。日本のグリーンツーリズムは「コメでは食えないから観光客を受け入れよう」ということで、これでは長続きしない。

○日本のブルーツーリズム(漁業体験)の例。地引き網体験で、100人で5万円払うと、アジが100匹獲れる。20万円払うと、タイが100匹獲れる。これは観光漁業であり、漁業体験ではない。ほんまもん体験の「田植え体験」では、2~3列手植えするのに1時間かかる。植えたものをチェックし、ダメなものは植え替えさせる。しかし、苦労して植えると、時々、生育状況を見に来るし、「稲刈り体験もしたい」という。

○昔は、歴史の教科書で白黒写真の大仏さまを見て、本物を見たいと思った。しかし今は、ハイビジョン画面で、実際に見るよりもっと精緻に見える。だから、わざわざ現地に行く必要はない(モノでは満足しない)。行くなら、触りたい、食べたい。つまり五感で感じたい。納得を売らなければおカネはいただけない。

○体験交流ビジネスは、感動ビジネスである。15歳未満はゲームに感動する。20代は映画、30代は買い物、40代以上は「旅」に感動を求める。人気の観光地、TDRもUSJも、ニセモノであり、アメリカがテーマ。中高年は行かない。奈良は本物で勝負しよう。奈良の「過去(歴史)」だけでなく、「今」を語ってほしい。

ガイドをするなら、おカネをもらおう。例えば半日1万円、1日1万5千円。そうすれば、奥さんが「行っていらっしゃい」と言ってくれる。どうしても受け取りたくないのなら、地場産品を買ってお土産にあげれば良い。

○グリーンツーリズム、エコツーリズム、ヘルスツーリズム…。名前が違っても中身は同じ。担当する省庁が違うから名前が違うだけ。

最近は「安近短」ではなく「安近長」志向。アンケートでも「同じ地域でのんびりしたい」という人が7割以上を占める。また予約も、エージェントではなく、ネット予約が増えている(ネットで調べた人が旅行エージェントのカウンターに行っても、客の方が多くの情報を持っているので、対応に満足しない)。



2.体験交流型観光と地域振興
○「ほんまもん体験」のほんまもんとは、単に「偽りではない」という意味ではなく、筋金入りの本物ということ。向上心を持って生きる人の生きざまに触れることで、旅人の心が昂揚し、価値観や行動が変わることをねらう。施設がいらないので、すぐできる。ただし、いい加減ではダメ。

目的は観光振興ではなく、地域振興、産業振興。観光を地域づくりの要として取り組む。「結果が観光」となる。

地域観光人材は、「観光ビジネスリーダー」「地域コーディネーター」(企画・調整者)「オペレーター」(体験インストラクター)の3種類。

観光ビジネスリーダーに必要なのは、(地域の観光資源を)見る力、(お客のニーズを)読む力、(住民を)導く力。ふるさとの5Kを活かす。環境、健康、教育(教養)、絆、心。

○和歌山県高野町の元副町長・高橋寛治氏(高野山大学客員教授)は、長野県飯田市の元カリスマ行政職員。高野町が招聘し、地域おこしを担当された。真言宗徒のイギリス人を呼び、修業体験・写経体験などインバウンドに成功。「弘法大師塾」も開講。

○まずは足元から、気づき→やる気→本気→元気。Uターン、Iターンの人を活用しよう。観光は、地元の元気のおこぼれ。

○旅行先として、今は九州に目が向いている。男性ばかりのグループ旅行が増えてきた(同趣味とか同僚)。カヌーにも藍染め体験にも、元気な中高年男性が来る。キャンプ場に、女性が1人で来る(現地集合)。中高年女性は、体験プログラムには厳しい目。

奈良県には「行きたいけれど、地元のWelcomeが見えない」との声あり。「良いものは奈良にあり」をアピールしよう。

○JTBの「あなた支店」(JTBのHPによると「お客さまの視線で旅を見つめ、サービスをご提案するJTBあなた支店ページです。旅行に関する便利でお得な情報が満載です」とある)。「自分のテーマを解決してほしい」「持っていなかった能力を身につけて帰りたい」。

○体験型ツアーでは、「ガイドの(力量の)差」が「内容の差」になる。中辺路で語り部養成の研修をしたときのこと。「歴史」「山野草」「生物」それぞれの専門家に連れられて歩いたが、午前中の3時間で50mしか進まない(山野草の説明だけで、それだけかかった)。草花は年3回楽しめる。花の写真は持参して「咲けばこんな感じですよ」と見てもらう。

「裏があるから“おもて”なし」。「もてなし」の陰には、相当な努力が要る。

○「体験ギフト」が人気(販売元のHPによると「ソウ・エクスペリエンスの体験ギフトは、様々な経験ができるチケットを箱に入れて、あなたや贈りたい相手にお届けすることができる商品です。スパやリフレクソロジーのようなリラックス体験からキャニオニングのようなアドベンチャー、そしてホテルステイやレストランまで。ありとあらゆる『体験』をプレゼントできるのが体験ギフトです。誕生日に。結婚祝いに。パーティーの景品に。ちょっと変わった贈りものをお探しのみなさま、お待たせしました」)。

旅行には「何度も行く人」と「全く行かない人」にハッキリ分かれる傾向がある。旅行の天敵は「巣ごもり消費」『知恵蔵2011』によると「ネット通販、カタログ通販、ケータリングなどを利用し、外出せずに家の中での生活をたのしむ消費傾向のこと。巣にこもるひな鳥の姿にたとえた言葉で、2008年の年末商戦から広く使われるようになった。『家ナカ消費』『ウチごもり消費』などとも言われる。08年の金融危機による景気低迷が、消費者の「節約志向」や生活全般に対する『縮み志向』を後押ししたことによる現象だが、消費マインドの冷え込みに加え、前年からの燃料価格の高騰や食の安全性に対する不安拡大なども背景にあると見られる」)。

「ほんまもん体験」3つのルールは、「準備しない、片付けない」「やってしまわない(やらせる)」「ほめすぎない」。

○大人は、ほんまもん体験+温泉または食(楽しいこと)+知的欲求の充足。作業より理屈を好む。

○WAK JAPANの「日本文化体験 in Kyoto」。舞妓さんとお茶屋遊び、茶道、、着物の着付、利き酒、家庭料理(天ぷらと巻き寿司)などが好評。料理の作り方を書いたマニュアルを渡し、同時に「アメリカの○○州なら、□□という店で海苔と干瓢(かんぴょう)が買えますよ」という情報も提供する。

刀根さんのお話は、以上である。国内の体験型旅行からインバウンドまで、幅広い領域にわたって興味深いお話を拝聴した。次回は9/17(土)9:30~16:30、場所は今回と同じ斑鳩町役場。講師は刀根さんと、長浜市の田渕正人氏(元日本旅行。びわ湖・近江路観光圏 近江屋ツアーセンター所長)。

残すところあと6回であるが、私はスケジュールの都合上、2回は参加できない。しかし4回分はシッカリと聞いて帰ろうと思う。なお同カレッジへの参加お申し込み、お問い合わせは、生駒郡商工会広域協議会(0745-74-2564)へ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする