十分干し上がって臭みもなくなった銀杏を割って中身を取り出した。
クルミと銀杏を割る専用ペンチの安物を買ったのに、どこにしまったか行方不明。
仕方ないので、ただのペンチで割った。
力が強すぎると中身までグシャッと割れてしまう。
柔らかい殻もあれば、しっかりと硬い殻もある。
力の入れ方はゆっくり慎重にしないといけない。
いびつなものがあったり、筋が別れているものがあったり、銀杏から逸脱しているような変型ものがあったり、割ると中身が別れたりしているものもある。
売り物にはならないのが2割近くある。
売るつもりはないけれど、売ろうとしたら選別もかなり必要だろう。
田舎の近所の人は、自分のウチの公孫樹から50キロ拾ったと言っていた。
自家用には多すぎるから、贈り物にするのか、道の駅などで売るのか、大変な時間をかけざるを得ないだろう。
聞いたのは、仕事が早ければ干し上がっていてもおかしくない時分だったから、その状態で50キロなら大したもの。
売るのでなければ、それだけの量に手間暇なんぞかけていられない。
乾煎りしてみたら、子どもの頃に囲炉裏で焼いて食べたと同じ味。
焼けた熱々の銀杏は、茶碗蒸しなどに入っている銀杏とは一味違った美味しさ。