雀が帰ってきてくれたという感慨がある。
一昨年までは、しめ飾りの稲穂は片付けるまでに、ほぼ一粒もないくらいに食われ尽くされた。
昨年はまったくそれがなく、下に籾殻が散らばらなかった。
一年前は師走の半ばに手術を受け、クリスマス後に退院しての年末年始だった。
宗教心は希薄だし、周りに干渉されることもない新興住宅地なので正月飾りなんて必要ないのだけれど、一応の見栄で飾ってきた。
雀が稲穂を啄んでくれることで一つの役目があるような気になっていただけに、しめ飾りに雀が手を出さないのは何かしら残念だった。
雀に見放されたような気分だった。
雀は稲作にとっては害鳥扱いかも知れないけれど、住宅街ではいつでも見ることのできる鳥であって欲しい。
やつらは何かしらの安全を示す指標になっているのではないか?