宅地中に直径2、3mほどの塚があり、均そうとして鍬を入れていたら扁平な石が出てきた。
飛び石だったはずのものが、どういうわけか土中に埋れていたのだ。
男二人でも持つことのできない重さだけれど、友人と声を合わせれば何とか立てたり返したりはできた。
台車に乗せて乗用芝刈り機で牽引すべしということで、かねてよりの考えを決行する。
台車へは何とか乗せられたが、芝刈り機のタイヤがスリップして動かない。
台車の車輪が小さすぎて、昨夜の雨にゆるんだ土に沈んでしまい、この方法は不可能だと分かった。
ブルーシートに載せて二人でひっぱり、濡れた地面を滑らせての移動を試みるが、これも重すぎてダメ。
それなら芝刈り機にけん引させようと、ブルーシートの縁にパンチングしてあるリングに番線を通してから、ゆっくり前進。
全く動くこともなく、芝刈り機の後輪がスリップするばかり。
スリップ時脱出用プラスチック板をタイヤに噛ますと、わずかに動くが、また直ぐにスリップする。
石の下に鉄棒を突っ込んではテコにしてやると車は少しずつ動く。
下り坂になっている部分だけは、思惑通りに数メートル滑った。
何となく置いてあるだけのような大きい庭石の上に載せて、テーブルにできないかと思いついたのが運の尽きか。
古い小屋を解体したときの柱か梁材と竹棒で坂を作り、二人の人力ひたすらに返し返し、載せることに成功した。
仕上がってみると、イメージしていたほではなくて、まぁこんなもんかなという程度の達成感しかなかった。