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昨年は城南宮で、木漏れ日のちらちらする苔の上に真っ赤な椿がぽとりぽとりと散らばっている情景を撮った。
その前の年には、萬福寺でやはり真っ赤な椿が土塀の瓦に乗っていたり、その下にたくさん散らばったりしている景色を撮った。
今春は、どこかに出かけることがはばかられて、近場の歩いていける範囲での春を楽しむしかない。
いつもの運動公園で、今まで気づかなかった乙女椿の、盛りの過ぎた様子を観ることができた。
花が綺麗なまま落ちることをせずに長く木に止どまることを教えてもらい、もしかしたらそれなりに風情があるのではないかと想像していた。
そうしたら、乙女椿の末枯れ方はなかなかに味があるというのか、良さげなのであった。
この花には隠しようのない品があるように見えて、何だか原節子を思い浮かべた(古っ)。