コミュニティー・センター略してコミセンのトイレ手洗いに名刺が置いてあった。
「男だから、弱音は吐けない・・・」って、確かにそのようなプレッシャーは知らずしらずのうちに感じていたような気がする。
涙は人前では見せられないと思っていたし、人生の岐路にあたってでさえ他人に真剣な悩みを相談したことがない気がする。
酒で失敗したことは多くあったけれど、ストレスを酒で紛らわせるという習慣はつかなかった。
落ち込む事態が起きたら、不貞寝するか、どこまでも歩き続ける。
究極状態まで行き詰まったら、ひたすら逃げの一手で、他人に相談するという選択肢はなかった。
当面、この電話にかけることはなさそうだけれど、財布には入れておこうと思う。
だれかに無言で渡しても良いのだから。