エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

夏を迎える雄国沼

2006-06-06 | 旅行
      《夏を迎える雄国沼》

 天気予報では、そろそろ梅雨入りがあるという。穏やかに晴れた昨日の朝、思いついて何年かぶりに雄国沼へ出かけた。
 金沢峠から雄国沼の木道までの下りの山道は、歩きやすく木のチップが敷き詰められた階段が整備されていて、小さな孫たちも楽に登り下りすることができた。

 いつもは梅雨の晴れ間にニッコウキスゲを楽しみに行くが、案の定、まだ時期が早く、ようやくつぼみをもたげ始めたところだった。沼の周囲のタニウツギやレンゲツツジもまだつぼみ、咲き誇ったヤマザクラが正に散り始めたところだった。
 でも、日差しはもう夏を思わせ、湿原には、淡紫色のタテヤマリンドウや白いミツバオウレンが群れをなして咲いていた。また、オレンジっぽい色のショウジョウバカマや、ワタスゲがかすかに風に揺れ、沼へ注ぐ浅い川の流れにリュウキンカが鮮やかに美しく咲いていた。
 今日は麓から峠にかけて、ウスバシロチョウ、カラスアゲハ、コツバメ、ヤマキマダラヒカゲ、ミドリヒョウモンなどに出逢った。また、レンゲツツジの花に蜜を吸うスキバホウジャクをじっくり観察しながら写真に納めた。いつも虫たちとの新しい出会いが楽しい。

 沼の対岸の猫魔岳に連なる山々の、淡い若葉の色合が特に美しく、ホトトギスの繰り返す鳴き声、カエルの声が響く湖畔での静寂のなかで、娘と2人の孫と妻と私、木道でおにぎりを頬張り、満ち足りたひとときを過ごすことができた。
幼い孫二人は、木道を大人の手を振り切って一歩一歩元気に進み、大自然の中で、生き生きした時を過ごした。


 今度は梅雨明け頃、コバイケイソウやニッコウキスゲを見に行きたいと思っている。

《清楚なタテヤマリンドウ》

《鮮やかなリュウキンカ》


《ニッコウキスゲのつぼみに止まるヒゲナガカワトビケラの仲間》