エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

珍しいユキノシタ

2006-06-21 | 自然観察
 我が家のユキノシタが、珍しい花を付けた。花期は5月~6月、20~50cmほどの長い花茎を伸ばしてたくさんの花を咲かせるが、花茎の一番上におまけとばかりに咲いた花は全く違ったものだった。毎年咲いていたが、気づかなかった。
 花序の形は円錐形に近く、花はだいたい同じ方向に向かって咲く。普通、花には5つの花弁あり、上3枚と下2枚で大きさや色が異なっていておもしろい。上の3枚は小さくて先のほうが桃色を帯び紅色の模様があるが、下の2枚は白色で、大きく垂れ下がり左右の長さは等しくない。
 しかし、今回の花は下の白い花びらがなく、同じ大きさのピンクの花びらが10数枚付いていた。また、同じ株に、普通白い花びらが2枚なのに5枚あるものもあった。神様のいたずらか、ちょっとDNAの配置が狂ったのか。でも、おまけにもらったようで嬉しい。
《白い5枚の花びら》


 ユキノシタの名の由来は諸説あって、雪の下にあっても枯れずに残っているからと言う説、雪のような白い花が一面に咲き、その下に緑の葉を広げるからと言う説、はたまた花の形を雪の舌に見立てたと言う説等、いろいろで、真偽のほどは定かでない。また、湿気を好み、田舎の井戸端や池の傍などに生育する事からイケノシタ(池の下)がなまってユキノシタになったとも言われる。
 花をよく見ると不思議な興味深い花である。