藍についてのエッセイ【拙ブログ6/22「布絵に磐梯を描く」に関連して】
「草木染め」は心の色
「あはれ 花びらながれ
をみなごに 花びらながれ・・・」
この時期いつも口ずさむ、私の青春の思い出の詩である。
今年の桜はこれまで以上に美しく感じられた。春休みに川俣町の染織家・山根正平氏のもとで、桜の草木染めをする機会に恵まれたからだ。その体験を通しての感動が、今胸の奥に広がっている。桜で染めたということで、染め上がった布がなんとあたたかなほのかな色合いを感じさせることか、とても不思議だ。
染色の技術や理論以上に、心の動きこそより大切なものと考える。それは、草木染めが自然や歴史、長い文化や伝統により培われてきたものだからだろう。絹に拡散した淡い桜の色素をみつめながら、その奥に隠れているものに思いを巡らし、自分の心をみつめる豊かなひとときへとつながっていく。
人の中心は情緒である。今日の科学技術も真の人間らしい生き方に基礎を置くものでありたい。帰りに紅花、紫、藍の種をいただいた。大事に育てて生きた教材としたいと考えている。 (1991.4)
「草木染め」は心の色
「あはれ 花びらながれ
をみなごに 花びらながれ・・・」
この時期いつも口ずさむ、私の青春の思い出の詩である。
今年の桜はこれまで以上に美しく感じられた。春休みに川俣町の染織家・山根正平氏のもとで、桜の草木染めをする機会に恵まれたからだ。その体験を通しての感動が、今胸の奥に広がっている。桜で染めたということで、染め上がった布がなんとあたたかなほのかな色合いを感じさせることか、とても不思議だ。
染色の技術や理論以上に、心の動きこそより大切なものと考える。それは、草木染めが自然や歴史、長い文化や伝統により培われてきたものだからだろう。絹に拡散した淡い桜の色素をみつめながら、その奥に隠れているものに思いを巡らし、自分の心をみつめる豊かなひとときへとつながっていく。
人の中心は情緒である。今日の科学技術も真の人間らしい生き方に基礎を置くものでありたい。帰りに紅花、紫、藍の種をいただいた。大事に育てて生きた教材としたいと考えている。 (1991.4)