エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

トンボの飛翔活動を観る

2006-06-26 | 昆虫
        《ショウジョウトンボ》

 夏になると何度か訪ねる池がある。半日トンボの飛翔活動をながめに行くのだ。
睡蓮が美しく咲き出した今の時期、ヤゴが次々に羽化している。

 久しぶりにギンヤンマの雄姿を観察した。池の水面をスイスイと縄張りを主張しながら飛んでいる。突然、すごいスピードで獲物を追いかけ急上昇したりする。他のトンボが近づくと追いかける。ときどきホバリングをしたり、滑るように飛んで行って、くるりと180度向きを変え、また悠然と戻ってくる。風格すら感じられる飛翔だ。

 池の畔の岩には、燃えるように赤いショウジョウトンボが止まっていた。全身が鮮紅色に染まって、顔や巨大な複眼までが真っ赤だ。警戒心が強く、カメラを近ずけると敏捷に飛び立ってしまう。でも、縄張りを守って同じ位置に戻ってくる習性から、カメラを構えて待っていればチャンス到来だ。ショウジョウとは中国の想像上の霊獣「猩猩」の赤い髪の毛に見立てられてつけられた名前だそうだ。

 猿も木から落ちる。オオイトトンボが着地場所を間違え、水没してもがいていた。
睡蓮の葉上に助けてやると羽を広げ風に吹かれ、しばらくすると元気に飛び立って行った。


小さい頃、細い竹竿にとりもちを塗ってトンボ取りをしたことを思い出す。日本には180種類ほどいるとのこと。トンボにも興味はあったが、蝶ばかり追いかけていたので数種類しか同定できない。分かるトンボと言ったら、山道の渓流沿いに見るハグロトンボやカワトンボ類、シオカラトンボ、ナツアカネ、アキアカネ、それから、なんと言ってもオニヤンマ、小さい頃からのあこがれのギンヤンマなどだ。

トンボの季節が巡った。ホタルが舞い始め、クワガタ、カミキリ類やオオムラサキの雄姿も間近だ。秋までの虫たちの生活の一端を見つめていきたいと思っている。