透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 消えゆく火の見櫓

2019-08-25 | A 火の見櫓っておもしろい


(再掲)茨城県小美玉市堅倉 6脚〇〇6型(見張り小屋)撮影日160904

 茨城県小美玉市堅倉に6角形の火の見櫓があるとを知り、上京の折に足を延ばして見てきたのは16年の9月4日のことだった(過去ログ)。



残念なことにこの火の見櫓は今年(19年)の1月に撤去されてしまっていた。今日(25日)このことを知った。もうここに行っても火の見櫓は立っていない。

ああ、消えゆく火の見櫓・・・。


 


1209 安曇野市三郷の火の見櫓

2019-08-25 | A 火の見櫓っておもしろい


1209(再 欠番だったので新たに付けた)安曇野市三郷明盛 3脚〇〇〇型 撮影日190824 

 「あ、火の見櫓! 火の見櫓観察記」のカバー折り返しにプロフィールを載せることにした。プロフィール写真の背景にする火の見櫓として選んだのが、これ。



掛けてある消火ホースからこの火の見櫓の高さを推測する。17、8メートルくらいだろう。背が高い部類に入る。なぜこの梯子は目立つのかな? 見張り台がひと回り大きい方がバランスが良いかもしれないなどと勝手な感想。



3角形の櫓に円錐形の屋根が載る。手すりは円形で、手すり子は縦しげ、飾り無し。

梯子を見張り台の床から1m以上突き出している。床下に入れた円弧状の部材は床を支える役目をしている。



踊り場の様子 見張り台と同じように梯子を床面から1m以上突き出している。ここにも半鐘を吊り下げてある。床板も見張り台と同じ構成。デザインはバラバラより統一感があった方が好ましいので、これで可。



脚部についてはもう何回も書いているが、脚の下端まで副部材が伸びていて、トラス脚になっているのが好ましい。脚部について他に書くことがないのかな。





講演「エリ穴遺跡と縄文後晩期の社会」を聴く

2019-08-25 | A あれこれ

 
エリ穴遺跡から出土した耳飾り(配布されたリーフレットより)と缶バッジ

 松本市の郊外、内田地区にエリ穴遺跡という縄文時代中期から晩期にかけて拠点的な集落だった遺跡がある。この遺跡からは全国最多の2,643点もの土製耳飾りが出土しているそうだ。この縄文人がつけていたイアリング、大きなものは直径10cmもあるとのこと。

エリ穴遺跡では耳飾りの他にも様々な祭祀具が発掘されていて、その内の484点が平成31年1月に松本市の重要文化財に指定されたという。

このことを記念して昨日(24日)の午後、市内のMウイングで「エリ穴遺跡と縄文後晩期の社会 ―近隣諸県との比較から―」と題した講演があった。講師は早稲田大学の高橋龍三郎教授(匿名にする必要はないだろう)。彼とは高校1年の時、同じクラスだった。やはり同じクラスだったKさんからの誘いもあり、講演を聴きにでかけた。なお、エリ穴という変わった名前はこの地域の小字名だと市の職員から聞いた。

縄文時代は今から約1万2千年から約2,500年前まで、1万年も続いた時代だが、その後期から晩期は儀礼と祭祀(特に先祖祭祀)が活発化し、社会が階層化する過程にあったという。

取手市の中妻貝塚の多遺体再葬墓の人骨をmtDNA(ミトコンドリアDNA、母系遺伝で継承される)分析した結果、1人の女性のmtDNAをつ人が17人(29人中)という結果だったとのこと。この様なことから、縄文時代の対象期は母系制社会であることが分かったという。縄文時代の社会のことが実証的に分かるというのはすごいことだと思う。

市原市の祇園原貝塚の竪穴式大型住居は二重構造になっているそうで、内側の空間で秘密儀礼が行われていたのではないか、とのこと。祭祀・儀礼の執行役は血縁集団のリーダー(長老)と思われ、秘密の専門的知識があり、儀器を保管していたようだ。社会階層化の芽があったと解されるという。縄文時代は身分差のない、フラットな社会だと思っていたが、そうではなかったようだ。このような時代が延々と続き、やがて卑弥呼が登場するような時代になっていったんだろうなぁ。

高橋教授、いや高橋君はパプア・ニューギニアなどでも調査を続けているそうだが、縄文時代の社会のシステムを考察する上でヒントになるということであろう。

規模がそれ程大きくないエリ穴遺跡でなぜ、日本最多の2,600点もの耳飾りが出土したのだろう・・・。

周辺の集落の人たちもここの耳飾りを使っていて、使っていた人が亡くなるなどして役目を終えた耳飾りを返していたのかもしれない?

古代史はロマンだな。こう書いて本稿を閉じようと思った。

この言葉を検索して、こんな本が見つかった。『ロマンで古代史は読み解けない』坂本貴和子・渡辺英治/彩流社



読んでみたい。